なぁ、もう啼いてもいいっしょ?
               
              まだはやかんべ
             
            ....
              死んでしまいたい夜に
              みそ汁をつくる
              干からびた大根のしっぽを
              短冊に ....
             あの豆腐屋の
             角をまがったら
             朝がくる
             豆腐屋の朝は早く
            ....
       湯上りの
       乳房に手をあて
       ため息ひとつ
       気がつけば
       しんなり弛み
       さち薄し
       あのひとの
 ....
             ねむれぬ夜に枕抱き
             布団のなかで寝乱れる
             寝巻きの裳裾はだけては
             さむいさむい ....
            降り積みて
            ましろになりて
            忘れたい
            あなたのことも
            わたし ....
             ささやかれ
             捏ねられて
             貪りつくし             
             おんなは
     ....
              小石は沈む
              一瞬の音をたて

              ふかく
              しずかに
    ....
           十六夜の月の下、夜の庭に釣り糸をさげ
           きみと並んで話をしよう
           安い焼酎をいつものように飲みながら
            ....
            うず巻くきもち重くなり
            短く髪を切りました
            あなたに背を向け隠しても
            うなじがおもい語ります
  ....
               春を恋うように
               遠いあなたをおもうのです
               眠れぬ夜の午前三時
               あたたかな布 ....
                誕生日の夜、いなくなりたいと言った
                それは嘘だと知っている
                
             ....
              

              それは雲ひとつない空でした
              たかくたかく透きとおり
              どこまでも見わたせるよう ....
              夜空にグラスかかげれば
              茄子紺のよる揺らいでる
              氷の隙間で三日月泳ぎ
              する ....
               見守るときに風なびき
               見つめられたら月満ちる
               手を重ねては夜を抱く
             ....
           朝のニュースより


             今朝方未明、すずめの涙に溺れたとみられる
             中年の女性が遺体で発見されました。
       ....
             

             魂の在りかをやっと
             さがしあて
             もう少し生きてみたいと
              ....
 

           静まり返った昼下がり
           猫は店先の陽だまりで
           金魚は薄くらがりの水槽で
           うたた寝をする

   ....
             雨が降ったので
             濡れながら歩いた
             無口になりたかったから

             雨が降ったので
  ....
        

        暖房のきいた薄闇のなかで
        ことさら物憂げにゆっくりと
        衣服を脱いでゆく

        (ここはそういう部屋だから)
 ....
               

               それは夜ごとにうごめくいっぴきの沼でした
               わたしが瞼を閉じるとき闇の中で目を覚ます
    ....
       花咲くその日待ちのぞみ
       色づくつぼみふっくらと
       ゆるり花びらほどきます
       寝息きこえる夜明けまえ
       白きひかりにつゆた ....
                小鳥が啼いて朝を告げた
                巣からとびだしたのは6羽だ
                あのちいさな翼で大空を飛び
      ....
              
              目玉焼きには
              塩と胡椒をかけるべきとか
              ぜったいに
              ....
              もがいてもがいて
              ひたすらに生きようとする
              死にたいと言い続けながら
              ほん ....
           


           らくだ色の毛布のなかで            
           ひだまりに
           あたまを撫でられた
        ....
石田とわ(236)
タイトル カテゴリ Point 日付
春告げ鳥のうた自由詩5*12/2/2 23:45
大根が泳いだら自由詩8*12/1/28 2:48
豆腐屋で朝をみる自由詩12*12/1/25 3:47
乳房自由詩3*12/1/23 22:33
ひとり寝慕情自由詩7*12/1/23 5:14
ましろ自由詩2*12/1/23 2:20
夜ごと創られしもの自由詩2*12/1/22 19:09
沈黙自由詩6*12/1/20 4:26
十六夜の庭自由詩5*12/1/20 4:05
うなじのおもい自由詩8*12/1/17 0:04
春に恋う自由詩4*12/1/16 5:44
誕生日の夜に自由詩3*12/1/16 0:44
空の岸辺自由詩4*12/1/13 23:41
月逃げて自由詩8*12/1/12 7:49
風と月の夜自由詩2*12/1/12 4:59
すずめの涙自由詩7+*12/1/11 3:17
ここに在る自由詩3*12/1/11 1:42
猫と金魚はうたた寝をする自由詩6*12/1/10 3:33
あした晴れるときみは言った自由詩6*12/1/9 23:13
モノローグ自由詩2+*12/1/9 0:03
沼に咲く自由詩1+*12/1/8 22:20
一夜自由詩7*12/1/8 22:12
小鳥のように自由詩8*12/1/7 12:11
目玉焼きと不毛な会話自由詩7+*12/1/6 21:52
石を隠しもちながら自由詩7*12/1/6 18:45
まどろみ自由詩10*12/1/6 11:44

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