だれにもある 約束
いちにちいちどの彩りだから
乱暴な手さぐりで朝を
朝を失くさないで!
テーブルにひとつずつ料理を整えるしかたで
わたしも わたしに埋もれるあなたにも
こ ....
わたしの言葉のスケッチの竜巻の
なかに見覚えのない名前があった
「 西 嶋 ....
静止画像をはりつけた
壁が
光を打ちおとしたあとにひろう水鉄砲
あなたがわらうにも
わたしがこの瞬間ひとであることにも
静止画像のゼンマイは必要だった
....
「はい、二五十円ね」
安さ(そこそこうまい)が自慢の弁当や
座って食べれる気さくなところ
小さな厨房は午前二時から真夏の修羅場で
汗と油と大さじ少々がフライパンのような熱でうたって踊る
....
君はたしかに一介のピーマンだったが
人間工学をあざ笑ったのであろうか
一塊(ひとくれ)の粘土をしぼりとった手ごたえと
大胆なくびれ はじける地肌が第一印象なのだ
小麦色の少女のはちきれんばか ....
=サブタイトル(おもてとうらからみる物のかたちや色が異なるせかいで)
わ た し は み る
それはわたしの至高をおしひらく ひとしずくのデッサンだから
さわるリンカク ....
ほんとうは
レンジであたためなんてとんでもない
だーくな箱の中にとじこめて
ボタンを何回かピッピピッピ押して
なにかされるんです
ひきつって声も出ないたぶん食べものが狂い死んで
あたためら ....
さいきんわたしの酒の量を気にする妻が
ウイスキーグラスを買ってきた
キッチンの影はいいわけをする「やすかったから」
目線より高く眺めまわして高価なしろものにひとめぼれする
以来
ビールも ....
おかしみるだけ!とこども
せめて はいさぎよい
悔いにのみこまれてもその上に震えたつ
涙もかれた花のいろをしている
せめて はもとめない
とうめいになったからだで小さなものたちを拾う
どんなにこぼれても心のあ ....
わたしの黒が
ひかりを拒んですすみつづけた
広大なじゆうで感じた
はじめての深海のおもみに
いまにも息をつぶされそうな魚みたいに
いのちの淵からあえぐ自分がよぎった
黒いへやでわたしは ....
あなたがいる
汽笛がなって
レモンバアムのかおりがひろがる
わたしはいない
鰹節の振り子のように
首を捜しにでる
あなたとわたしは
しばらくたちどまる群集のどこかで
(それもち ....
いかりをうちあげてもそら
ゆっくり
ゆっくり廻ってはいるが
いくつもの次元を孕んでは吐く
ぷいと吐かれたものたちは
孕んだ種子をふりかえってみるが
そのうしろでひろがる樹海にたちすくむ
透明なスプーンのようにへ ....
男はリカバリされたパソコンをみながら
バックアップの大事さを思い知るはずだったが
じわじわと不機嫌になったあとは
海のとおくに浮かんでいるきもちになった
記憶は記録とおなじなのだが
....
きづく
星と椅子とで
いつか生きた証をとおもっていたひと
息吹く緑に
ひかりと風がふりそそぐ
問いはない
おだやかな招きがまぶたをおさえる
五月
まばゆい魂の軌跡にうなされ ....
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