で、ひとつ終わりを迎えたところでまだまだ私は生きています。

終わりをひとつ終えたって、そんなものですね。

こんどこそ本当の終わりだ、って時に
気づいてみたらまた新しい自分だったりして ....
{引用=ある時期が訪れると私の肌は、銀杏のように黄色く色づくのです}


銀杏のように色づくのです

オリンピックや、ワールドカップの時にだけでなく
箸を扱うときや、
ひとりこの畳の上で ....
{引用=人類は、まだ生まれたばかり}


時の口がガラスの乳房にぶら下がり
刻々と私の砂丘は完成されてゆく
埋もれゆくさなぎは薔薇の衣を纏って眠る
彼が(もしくは彼女が)飛び立つのを目にす ....
Tiger's tears drip on the spoon

小さじいっぱいの塩の海

Tiger's dears flop on the dish

小皿いっぱいの原生林

Ti ....
ユーフラテス川
という川の名前が
何故か印象から消えないのは
ユーラシア
ユグドラシル
など
ユから始まる名前が
好きだから
なのかもしれない
もし世界がユから始まるなら
僕はなん ....
宇宙が目眩をおぼえている間
数億年の細胞 私達はその目眩の中を浮かぶ旋回する銀の羽根
{ルビ彼=か}の呼吸によって翻弄される綿毛
延々と降下 そこに支配などない

人が花びらを一片一片千切る ....
黒く太い線で描いた哀色

繊細でいつか途切れてしまいそうな
悲愴ではなくて

黒く太い線で描いた哀色

窓枠がちゃっかり絵画のように仕立てる

美しいわけなんてないけど

いいだ ....
お帰りなさい
お疲れでしょう
揺り椅子にでもおかけになって
紅茶でもいかがでしょう
お下げを{ルビ解=ほど}いて
ブーツを脱いで
銃を置いたらいかがでしょう

母親らしくなんて
似つ ....
太陽が
沈むまで
君のために祈ろう
あと40゜
君に祈るのに
残された時間は
あと40゜

君は
死ぬのかもしれない

それとも
ただ
立ち去ってしまう
のかもしれないし
 ....
うっかり鰐がのみ込んでしまったのは

薄緑色の胎動


  耳をすませば夢まみれ

  なめらかで脆い夢まみれ

  耳をすませば種うまれ

  まどろむ奥に種うまれ

   ....
さあね
と、言ってごらん
それだけで千と
一夜の妄想を掻き立てる

さあね
と、言ってごらん
それだけで君の
血の色は藍にも黄にもなる

さあね
と、言ってごらん
夜が銀の杯を ....
遠く名も知らぬ国の山頂で

待ち焦がれた炎は消え

緑立つ少年の波は

今や金色の秋にもえ

激情は嵐を忘れ

ただ ただ思い出を吹きすさぶ

燐光は空たかく

せいのび  ....
まえがみが目にはいるから

髪をみじかくきった

それでもまだ、目をつつくから

いっそのことぜんぶ抜いてしまった

違う、ではなくて

入るのではなく

突つくのでもなく
 ....
いろはにほおずき くちづけしたね

緑のこころはあかい頬だった


いろはにほしくず ながれておちて

二人のなみだと彗星だった


いろはにほのぐれ ゆうやけこやけ

あなた ....
第一幕

私に穴があいてしまった

安物のメビウスを架けて

これはピアスだと言った


第二幕

私に穴があいている

冬場は雪で埋まるけど

夏場の私は晒し首

 ....
浜辺の犬がこちらを見ている

トタンの屋根を抜けて私は

君に寄せていく

同じだけ離れて

君は黒い目でかしげる

私は砂の城をこえて

水平線を臨む

幾重にも絡まって ....
はじめて日の出を見た

はじめての春がきて

はじめて二本足で立った

はじめて箸を持って

はじめて友達ができた

はじめてひとりで電車に乗った

はじめてのピアノは嫌いだっ ....
さっき彗星が流れていった

終わるんだってさ、夏が

蝉の輪唱が今でも耳に残るのに

青い鐘は鳴り始めて、夜は静か

月の灯篭が銀色

川辺の丘は金色に染まる、これから

真夏 ....
空から生まれたのだと
思っていたけど、そうじゃない

樹木は土に根をはり
大地は果実や穀物を育む
あまねく生命たちは
地の底へ耳を傾けて
月夜を迎える

私はこの豊穣の大地から――― ....
含ませようと思えば幾らでも可能

神木を削って原形を失っても魂は宿る

ただどんなに削ごうと試みても

この赤い風船だけは到底無理なこと

彼方に消えるまで見守るのが適当

ひとた ....
可も不可もないアンビエント

機械的な五月雨

素顔のない胸像達 アトリエ

寓話を演じるアリとキリギリス

小さな庭のペシミスト

楽観主義の{ルビ大喰らい=ガルガンチュア}
 ....
木洩れ日が肌を焦がした夏の友のように、{ルビ目映=まばゆ}くからかう

種を溢して果てる向日葵

窓から人知れず洩れた、夜の海が街をひと飲みにした

黄信号の点滅

夏の恋人のように、 ....
捻けた砂の薔薇のように
気だるくベッドに朽ちる

肉体は四角い箱の中
魂は青い円の中に灯されたのに

自由は消沈したまま
なにも言わない

砂の薔薇は形を失えば
もう、元には戻らな ....
夏は暑いけど
古い家屋の少し距離のある小陰や
蔦の覆った厳めしい医院が相応しいでしょ

冬は寒いけど
ひとりぼっちのスキーや
しんしんと鳴る空気が澄んでいるでしょ

それでも
やっぱ ....
馴染みの店の帰路にて
人もそぞろの夜の道
よく重なるのが偶然で
英国風の馬を駆る
ロカビリーに{ルビ出会=でくわ}した
逃避行に出かけようと
冴えない奴が言うからさ
ウィリーとエディの振 ....
二本足で立つ老人の 孤を描いた中枢は
結末の骨をもって 循環の窓を射る

あらゆる愛と憎しみだった形は
一人ぼっちの空に抱かれて
今なお愛と憎しみとして連鎖する

高架下で眠る 鳩達 ....
藍の闇、琥珀の星。
三日月の船が西に寄る頃、太陽の塔の石階段を陽の守人がゆっくりと上り始める。

金の弓を手に、まるで世界を起こしてしまわないよう気づかうように、
一歩ずつ、音をたてずにゆっく ....
ほうりこむ
可能性を海に
可能性の海に
過ちが沈む
確かだった気持ちや
不明確なままの関係が
仄暗い重力に揺れながら
ゆっくりと底に横たわる

私は海辺を去る

そして
 ....
なんだか懐かしい晴れ間 太陽のもとなのに水の中のような
切り落とした断崖から現れたのは夏だった
緑は黄色く笑い 雲は水の空にとけてゆく
遠くで見ている陽炎が意識を惹きつける

  誰かの窓で ....
両の耳から{ルビ光素=エーテル}をそそぎ
彩なす色虫が交響する
雨の染む夜 騒がす静か
爪の生えた石ひとつ

白電燈のプラシーボ
唖として見つめるアルビーノ
花鳥の使い さよならいつ ....
瑠王(221)
タイトル カテゴリ Point 日付
Fin.自由詩2*09/9/25 20:04
銀杏の心自由詩5*09/9/24 21:34
薔薇の衣を纏って眠るさなぎ達のための詩自由詩5*09/9/23 0:43
Tiger's tears自由詩4*09/9/12 1:08
もし世界がユから始まるなら自由詩11*09/9/9 21:30
宇宙が目眩をおぼえている間自由詩1*09/9/9 17:47
黒く太い線で描いた哀色自由詩5*09/9/9 1:32
ドーラの休日自由詩1*09/9/7 2:46
40゜自由詩5*09/9/6 23:54
鰐梨に見る夢携帯写真+ ...4*09/9/3 16:29
さあね自由詩7*09/9/1 22:54
遠く名も知らぬ国の山頂で自由詩5*09/8/28 17:00
こぼれてはおちてゆくカゲロウです自由詩1*09/8/28 10:43
いろはにほおずき自由詩7*09/8/24 0:38
最終幕の窓辺から自由詩5*09/8/23 2:18
犬と波自由詩2*09/8/23 1:10
最初で最後の道自由詩2*09/8/20 3:04
夏の終りのリトルネロ自由詩3*09/8/19 1:08
彼方の申し子自由詩3*09/8/18 23:40
風船自由詩1*09/8/18 0:06
無意味な風景自由詩4*09/8/17 17:58
約束の紐緒自由詩2*09/8/16 23:28
砂の薔薇携帯写真+ ...1*09/8/15 1:17
人の強さと美しさを知るとき自由詩3*09/8/14 2:02
サラダとロカビリー自由詩3*09/8/12 0:21
太陽の歴史自由詩3*09/8/10 0:58
太陽の塔自由詩7*09/8/5 3:16
可能性の海自由詩5*09/7/29 18:24
夏のヴェランダから自由詩4*09/7/28 15:21
爪の生えた石ひとつ自由詩4*09/7/21 23:32

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