わたしの偽りが、おぷてぃます。
だれもしらない皆既月食
影で隠れた、されんだー。
卑下するほどに、ゆーふぉりあ。
わたしはクズです、ゲスではないけど。(たぶん)
つまみをあげて、ぶらいとねす ....
天井を叩いて、
カミサマの不在を確認する
開いた空の先は
{ルビ主=あるじ}を失った海のよう
空っぽの海を、
深く深くのぼってゆく

つぶれそうな肺を
握りしめるように、
吐き出した ....
時の狼についに追いつかれたようなので
私はおとなしく、魂を差し出しました
でもそんなものには目もくれず
彼はただ私の両手を奪っていったのです

そうして、残された足で
私はまた時の狼からの ....
ひたすらうずくまって眠るが良い
歯が、砕けてしまうまで

宇宙を諦めた猫達が
そう、教えてくれました

声にならない、にゃあで
空虚が扉を叩くので
愚かにも私はまた、
鍵を開いてしまうのです

生まれたての悪魔は
私の恋人達を連れ去っていきます
暫く経てば私を忘れて
皆幸せに暮らすのでしょう
(きっともうすぐ春 ....
瓦解する、わたしの履歴が
夜の犬たちに喰われていく

まっさらな夜明けを望んだ
傷だらけの朝に、残った両目で空をみて
なくなった口で

あいしてる、と何度もなんども


空想の愛を ....
わたしは羊を追う
いや、追われているのはわたし

長針と短針の間に指をはさみ
どれほどの間、気を失っていたのだろう
どれほどの間、夢をみていただろう

子供のままの果実が落ちる
驚いた ....
わたしは夏の始まりに一粒の悪意を植える
純粋な胃袋が食傷をおこしてしまわぬように

そうして生まれた悪意の芽が
世界をひとつ食べ尽くしてしまう
食べ尽くして何もなくなったひと夏はとても
静 ....
大きな山があって
そのまわりを道がくるくると続いている
頂上からゆっくりと転がり落ちてゆく

それがわたし
あなたであり、わたしたち

一本道は迷うことはないけれど
あなたはいつも怯え ....
私は神の顔をしらない
そもそも顔なんてあっただろうか

腕があったのは覚えてる
私達がいたずらできないよう
光を装って抱え込んでしまう

あとは背中があったこと

繋ぎあわせの日常に ....
そしてライラックは飛んだのです
{引用= 恋人を探しに?
いいえ
思い出を探しに?
いいえ}
芽生える緑に、もうもたれかからずとも
新しい世界を知ることができるように
すり減った若さを残 ....
あなたの手を見ているとき
わたしは時折、魚のようだと思うことがある
別れ際にひらひらと
暗い海へとかえっていく

来た場所も行く先も知らないわたしたちが
誰かに与えられた名前を呼び合いなが ....
空が片方の目を瞑る
女はさよなら

、と言った


沢山の赤い宝石が、道路を転がってゆく
遠ざかってゆく赤い宝石の
笑い声
夜を前にして、消え去ろうという
閉じかけた花の
遺言を ....


虎はその幕の奥深くに身を委ね静かに眠りを始める
兎がその上に立ち
電球のフィラメントでバイオリンを奏でると
そこ一帯は輝いて
学生達の駆る自転車の前輪と後輪が
まるで男女のように踊 ....
きみという少年時代の秘境について

そこに恐れていたものなど何一つなかった

きみに吹く嵐は去り際をわきまえていたし

きみの森に虎なんかいなかった

過ち達は気前よく十字を切って ....
乾いた笑い声
抜けたままのプラグ

真っ昼間、踏切の側で
女は胸に手を当てている
子供達が足跡を消して走っていく
夕暮れ、街灯の側で
老婆は胸に手を当てている

黙っているけどみんな ....
目に映る炎には
誰も自分では気づけないように
無意識の園に咲く薔薇の色を
想像することでしか描くことができなかった

もし誰かがその一本を取り
目の前に示してくれたのなら
私は人を愛する ....
春がその鋏をもって髪を切り落とすことで
年月はまるで少女でした

幼さ故に軽々しい
その唄声は温い雨
弾むような花の手を
この手で掴む術もなく

彼女は舞台袖から飛び出すと
馬を駆っ ....
私は人を信じました
猜疑心の布に幾度も包まれようと
その度に他人事の宇宙が
その手で結びを解いてくれたから

あと何回私は始まるのでしょう
もしこの薄い皮膜の内側に
たったひとりの自分が ....
テーブルの上に世界をひろげても
あなたの森羅万象は私の目には写らない

それでも世界をひも解こうとお考えであれば
椅子に座って陽が沈むのを待てば宜しいかと

あなたはきっと待ちきれないでし ....
対岸で春が見ている

情熱を忘れた冬芽に間違った血の寄り添う温もり
時に収まるのを拒んでいる川面の波紋はオルガニスト
名残りと熱りを追いかける
その数字の大河でさえまたオルガニスト
寄り添 ....
彼らはひたいに手をやる
私は左目をおさえる
彼らは両目でしっかりと見ている
私は{ルビ右目=ききめ}を凝らしている
{引用=左目は未だ微睡んでいる}

彼らは叫んでいる
声が脈をうち
 ....
刃をもって地図を刻んでみる
道を失った時はいつもこうする
するとそこに印しは現れ
私はようやく安心する
悩みなどない
刻まれて山となった老廃物のベッドで眠る
それは悩みではなく
  夢
 ....
そんなことはない、が
結局は開かれることなかった口の内側で吠えている

不便のないところでは
それがどんな狂犬だろうと
誰かしらがいい薬を処方してくれるでしょう
それで利口に生きていける
 ....
女の子はミルクティ
黒い人は刹那が好き
大抵みんな空が好きで星が好き

だってそうでしょう

男はわりと"あたし"が好きで
女は破綻を否定しつつなんだか嬉しそうだ
 ....
トマトが砕け散ったよ
口の中で
それは私の口の中で

ひどく柔らかくて
驚くほど甘くて
怖いくらい赤い

偶然の産物
それをすっかり飲み込んでしまった

食してはじめて知ったよ
 ....
僕は正装してそこへ向かい
ドアの前に立ったのだけど
鍵穴から嘘が見えたので
そのまま部屋を通り過ぎ
隣の部屋で服を脱いで
行きずりの女と一晩過ごし
手紙も一切残さずに
あなたのもとを去っ ....
{引用=男は錆びて動けないし
女は感傷で傷だらけ
若者は昔から愛を知らず
皆、高熱で浮かされる}

山なんて削って高原にしてしまおう
それですべてはうまくいく
ここはどこ、わたしはだあれ ....
太陽は恋人を追いかけて行ってしまいました
それはぜったいではなかったから
それからというもの、この街には夜ばかり

代わりに私は窓辺を愛し
身近な炎の尊さを知ったのです
気がつけば君がいる
ひし形を並べてアーガイル
あなたは隠れテイル
しっぽを巻いて逃げていく

誕生会はたぶん二回
お葬式もきっと二回

同じ鏡に納まりながら
君は未来へ
あなたは過 ....
瑠王(221)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
気晴らしのための下絵文書グループ10/3/1
星の子文書グループ10/2/10
彼の死が訪れた三日間文書グループ10/1/29
投稿作品
えくりぷす自由詩223/11/21 2:00
何者でもないものの魂自由詩723/11/20 22:52
時の狼が自由詩222/9/17 6:10
孤独の成り立ち.三自由詩122/9/17 5:52
孤独の成り立ち.二自由詩721/1/31 23:18
孤独の成り立ち自由詩421/1/11 4:17
frontier自由詩313/10/31 7:22
冷たい夏自由詩3+*13/7/16 4:39
支配する環自由詩413/2/8 4:04
繰る朝自由詩6*13/1/25 6:31
眠れぬ夜の下絵 (1自由詩6*13/1/12 6:34
約束自由詩8+*12/5/25 3:00
空が片方の目を瞑る自由詩6*12/5/18 1:00
30wの春自由詩512/4/18 16:11
きみという少年時代の秘境について自由詩4*11/8/28 5:00
安定したトリル自由詩411/8/24 2:38
乾いた薔薇の住まうところ自由詩5*11/4/20 2:41
春がその鋏をもって自由詩9*11/4/14 12:05
さなぎ自由詩1*11/4/1 12:49
血統自由詩3*11/3/24 11:53
動揺 (対岸から)自由詩311/3/23 17:24
左目自由詩311/3/17 23:40
カムフラージュ自由詩711/3/2 20:29
ありったけの花束を自由詩3*11/2/18 13:18
戯言自由詩511/1/13 18:56
消失自由詩211/1/13 18:52
鍵穴の向こう側自由詩411/1/12 22:17
熱病自由詩911/1/4 22:45
夜の窓辺自由詩0+*11/1/4 22:28
気まぐれな君と繊細なあなた自由詩311/1/4 16:37

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 
0.1sec.