暑いから扇風機を背後に
パソコンで作業をし
中風
そのうち目が乾いてきて
電源を切る
一時間ほどの作業の末に
また暑くなり
振り返ると扇風機は
あっちを向いて止まっている
そんなにわ ....
ぼくは朝密会する 紙ナプキンに包まれたナイフの鋭さと
百枚の引き戸も百代の先祖もけたたましい音を立てて開く朝に

戸を静かに閉めることをしめやかにとは表現しない
だが軒先のタイル工事はしめやか ....
老人は年金受給者名簿をぴたりと閉じた。所々折れているページ。次の老人がやってくる。

老人のひどく疲れたような眼球はくぼんだ中にもすっかり淀んでいた
くるくる回るオブジェ
排水の巡った噴水の中 ....
子供が死んだ
祖父が狂った
夫は痴漢で
署まで連行
家に帰れば
赤字の家計簿
生活に疲れ
何もかもが
投げやりになると
ガラスが割れて
悲鳴が聞こえる
息絶えた獲物
ふたりは狩 ....
ブラキオザウルスの下で雨宿りをする ブラキオザウルスは小高い丘のてっぺんにいた ブラキオザウルスは動かなかった 雨はやむことを知らずやがて ブラキオザウルスとわたしと そうして一部の地表を除いてすべて .... 呼吸を一回
呼吸を一回
呼吸を一回
呼吸を一回
白壁の空調ダクト
白壁の空調ダクト
白壁の空調ダクト
ガタガタ
ガタガタ
ガタガタ
ガタガタ
ガタガタ
ガタガタ
ガタガタ
 ....
わたしは見る
羽の折れた飛行機が
回転しながら飛んでいくのを
人数分も無い
パラシュートが開かれぬまま
次々と脱出するのを
計算上は
緑豊かな森と
豊穣な大地と
献身的な住民たちとが ....
1
二枚のフェンスで 四つに区切られたアスファルトの 見渡す限りの広さしかない平面 北西ブロックの西北西地点より南へ まっすぐに白線を引く 上空で飛び交う無数のテニスボール 雨のように降り注ぐテニス ....
お母さん本を読んで、何の本を、まだ読まれてない本を、読まれてない本を? アクリルの拡声器は、振動している、口髭の男は、去った、両手を広げて。防滴加工がなされた拡声器で、雨の中で、アクリルに包まれて、防 .... まだわたしが良からぬことを考えているうちに退却する軍隊の足並みが乱れている
大きな一枚の鉄板から切り出した風見鶏がくるくる回っていると方角を見失う集団
集団が催眠するテントの中でファスナーは完全に ....
ワタナベ『リフレイン』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=34796
丘 光平『壁』
http://po-m.com/forum/showdoc.php ....
視野に広がる
甘い木材の匂い
棺桶のごとく
その内側にいるかのごとく
死を目前にして
なお続く人生のごとく
狭く暗く細く長い通路を
這っているわたしと
わたしの一団
ひとりは肉親
 ....
katudou suru utagoe wa dokoka e iki dokoka de sodatu tatoeba mizu no nagareru basyo de sore wa sodat .... 増長。骨はしなやかに伸びる。死者の生育。植物の骨は静かに断定されて、暮れゆく太陽と交差する。それが落日でなくてなんなのか? 疑問はメモに書いてある。

机の上には何度も画鋲で刺した跡がある。

 ....
病的な横隔膜
正しくは鯨幕
正直者は死ね
彼ならほとばしる
自白は自明な白
どうやらシロのようだ
名簿も真っ白なまま
ああ誰かぼくの名前に
やまいだれを足してくれたら!

胸がつぶ ....
ひかれた、自動車のタイヤの向こうに転がっていくのを鈍く追いかける老獪マダムは白い球体を打ち合わせよ、まだもって打ち合わせたるものを持ち合わせていないならば窃盗せよ。不完全な窃盗は不完全な鈍器を作り出し .... モーラという名前は
母から貰った
血液は父から
段ボールは弟から
投げつけられた

モーラは街中を
段ボールでくるんだ
だが実際は
彼女ひとりが
箱に入った
一個体の夜だった
 ....
わたしのおうちは
写生された絵の一部分
だがその絵より先に
風景はなかった
描かれたものとそのものとしての関係
ある決起した集団が
その絵の通りに
街の一構造を建設しようとした
朝がや ....
夢を見るんだ
計器がビーと鳴る
動物たちが檻を破る
たちまち目覚めて
かけまわると
ときどき散る
百数十枚の断片
そのすべてがリトマス試験紙
わたしは試されている
六崎杏介『重力と火』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=18384
みい『ぬるっこいサンプル』
http://po-m.com/forum/showdo ....
青空の彼方に黒煙のもうもうと立ちのぼるのを見る
一匹の小鳥は 枝につかまりながら悄然と錆びていた
次に炎が見える時 それは爛々とうごめいているか
子供たちは黒いマスクを被って物陰を抑えていた
 ....
その男は何の前触れもなくそこにいた。男は普段からドアを開けたり閉めたり、シャッターを上げたり下ろしたり、窓を外したりはめたりしていた。と、その過程で、玄関に蚊が止まっているのを発見した。男はそれを見る .... 横着な猫の干からびたいくつかの夢は壁越しに粘着させられた食べ物のかすによって越冬させる こだまする音は小さなドーム状の過失を徐々に浮かび上がらせては消える 電波塔は滝の流れる岩山の上にえぐれてある フ .... 仕掛け箱の中で
アンナはただ寄り付き
刀は錆びた

ポラードの残骸
あそこで燃えているのが
お母さん?

ある寒い冬の日
ひとりが出かけ
そして消える
雨の日に外に出るということは
とてつもなく無謀なことでもある
それが傘を差さないで行くことなら。
こんなに舗装されていない道路でも
一切の水滴は留まることなく弾かれ
うすぼんやりと曇った空を ....
光のようなものが下った。西へ行けば行くほど遠ざかった。

やがて夜。だがやがて昼。不寝番は夜の平原に歌を響かせる(ラ・ラ・ラ)。冷たい、それは本当だろうか。答えるものは答えるもので潜んでいる。積み ....
失礼
ギブミー
ア・ペーパー
ア・画用紙
ア・羊皮紙
ア・ケント紙
ケント・デリカット氏
ケント・デリカット
デリカット?
デリート・カット
デリケート・カット
デリシャス・カッ ....
無職のくせに
街を歩き回ると
警官に職務質問され
無職と答えると
「おれも」と答える
言葉は引き金
テキサスの銃撃戦
サボテンは乾いている
ぼくたちはとげとげして
ただひきこもり
 ....
わたしは柱があるとぐるぐる回る 倒すと橋になるが渡らない 担ぐと重たい 渡るべき川など存在しない 柱を引きずることは法律で禁止されているようだ もとから切り離さない チェーンソーがあれば刃先を土に埋め .... 入廷
そして入廷
裁判官は右側のすべり台から降りてくる
大勢の人に傍聴券はなく
代用される馬券
代用される切符
代用される答案用紙
狭苦しい通路と
ひとつしかない出入り口を押し広げ
 ....
黒川排除 (oldsoup)(384)
タイトル カテゴリ Point 日付
扇風機自由詩105/6/20 1:30
水葬自由詩305/6/19 2:02
サイコチャイルド自由詩005/6/10 0:49
42メートルの孤独自由詩105/6/8 14:06
ひとつ腹の下自由詩105/6/7 4:08
サーキュレーション自由詩105/6/6 0:35
飛行機自由詩205/6/5 3:32
隆起自由詩105/6/3 23:51
流体アクリル自由詩205/5/14 21:10
セメンテーション自由詩405/5/4 13:22
批評05/4/22散文(批評 ...1105/4/22 17:46
湿った水面の上の小さなうねり自由詩405/4/8 23:19
woo自由詩1*05/4/7 14:36
保存された記録自由詩405/3/28 1:55
激情化炎症自由詩105/3/22 13:23
赤いトナカイの影自由詩005/3/18 17:59
モーラ自由詩005/3/18 4:40
形見の絵筆自由詩005/3/13 20:19
浅い眠り自由詩005/3/10 4:06
批評05/3/9散文(批評 ...305/3/9 2:56
ささくれ立つ蔦の一振り自由詩105/3/8 0:34
自由詩005/2/25 1:18
オオル自由詩205/2/24 0:58
摩擦自由詩105/1/16 1:42
ポリ塩化ビニールの塔自由詩105/1/4 23:46
孤独の従者自由詩104/12/24 9:25
デリピカ・ノット・ピカデリー自由詩104/12/23 2:34
冒険自由詩404/12/21 2:30
ニュージーランドは存在するか自由詩304/12/11 10:03
黄色い貴婦人自由詩304/12/1 0:12

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