大きな通りをひとつ東に越え、いくつかの角を曲がったところにその店はある。
 狭い階段をあがり、ガラスをはめ込んだ扉を押すと、ドアベルが小さく鳴って客たちを迎え入れる。決して広くはなく、また建物の二 ....
わたしの眼は旅をする
わたしの心は部屋にとどまる
都市から原野までのあいだで
眼はあらゆるものを見て記憶し
それだけで帰ってくる
心は記憶を平面に読み
何ひとつ解釈しない
過去から未来ま ....
おれのことを尋ねられれば、
つまらぬもの、
ただの詩人と答える。


どれほどの特別なたたずまいも持ち合わせない、
ただの詩人。
ただ書くだけ。


詩は矛盾だ、
言葉が矛盾を語 ....
おれたちは
美しいとさえ言えるほどの偶然の果てに出会って
互いが失ってきたものを取り戻そうとしている
時には痛みをおぼえるほどの激しさで


おれたちは震えていた
互いの眼を覗きこみなが ....
http://www.skop.com/brucelee/index.htm

#Don't think,feel.
#ブルース・リー好きの諸兄、まあやってみてくださいな
午前三時、音楽は鳴り止み――
無人の街が点滅している


冷えた空気、星も隠れ――
乾いたタイヤの音が通り過ぎる


絶えず掘り返され埋め立てられる交差点で
電光掲示板がリズムを刻ん ....
われわれのうちの多くは、自分の脚でいろいろなことを行う。
走り、跳び、ボールを蹴り、時には自分の頭より高く脚を振りあげたりもする。
だがこれらの動作はまず、「歩く」ということが出来なければどうにも ....
明け方 鉛色 海と空 境界もなく――流れる

震動 路面を噛む 風が切れる 海沿いの道


直線の彼方に消える道
白い塔
プロペラ――回る――誰もいない丘の上


枯草 ホワイトノ ....
雨が降る、
眼に見えないほどの雨が、
音もなく、赤い橋を濡らし、
ゆるやかに流れる川面をやさしく打つ
雨は街灯を濡らし、アスファルトを濡らし、
橋の上をゆく人々の姿を、
灰色の影で覆い隠す ....
ある朝、
よく晴れた寒い朝、
私は駅に降り立った、
はるか東から、夜行列車に乗って
この街にたどり着いた


私は探していた、
かつて置き去りにしたものを、
もう何年も前から見ていな ....
http://hem.passagen.se/replikant/

古今の文学、映画その他の「ディストピア物」を網羅するウェブサイト。
全文英語だけどなんとなく内容がわかります。
Ingso ....
彼の眼は遠くの風景を見る
地平に沈む夕陽の色
冬に砕ける灰色の海
湿地を覆う冷たい霧


彼の耳は遠くの音を聞く
森に降る激しい雨
向こう岸の教会の鐘
鉄橋を越える貨車の響き

 ....
わたしがなにかを破壊するのは
これが最初ではない
路地裏に落ちて砕けたガラス
影のささない正午の広場
舗道をめぐる人間の群れ
音楽は次第に雑音となり
女王が不吉な命令を下す
彼女の声は叫 ....
時刻は夕暮れ、そう、日没から最初の星が瞬くまでのひそかな境界の時、
ぼくらがあてもなく通りへとさまよい出るころ、
夕陽の最後の光がひと筋の余韻とともに消えていくその時に、
ぼくらは聴くだろう、そ ....
夜明けまえ、
廃止された鉄道分岐点で
ぼくは枯れ枝を燃やした。
低空によどむ雲、その裂け目に
うすい煙の筋が消えていった。


正午まえから雨。
うす暗い昼のあいまにぼくはウィスキーを ....
八月、
太陽が終わりのない明るさで街を照らす八月、
影のない者は日陰をたどって歩く
わずかなあいだなら
太陽を見据えることもできるが
かれには影がない
影のない者は太陽の下を歩くことはでき ....
叫びが聞きたい
地上のどの声にも似ていない
見えない波長の叫びを

午前零時
どこかで叫びがあがった
均された街の
よく似た通りと通りのあいだのどこかで
どこかで叫びがあがった

 ....

眠り足りないまま起き出す
冷蔵庫まで8歩
時間にして約2秒のあいだに
おれの欲望は確かに沸きあがってくる


冷えた水を飲み
シャワーを浴び
髭を剃り
コーヒーミルのハンドルを ....
真昼、
通りの向こうで叫びがあがったが
どうしても人間の声にはきこえない

おれは対角線上を通りすぎ
日陰から振りむくが
すでに何も見えない



何が叫んだのか
何を叫んだのか ....
僕等は話した――
いつでもない時のことを


音声が行き交った、焦点は結ばれなかった。
それは戯れだった、
語の群れの、
午後の戯れ。


僕は既に複数形だった、いくつもの相反する ....
まだ時間はある、
燃え尽きるまでには。


おれは長いあいだ炎ではなかった、
静かに灰になっていこうとしていた。


おれは夜に黒く燃える太陽を見た、
重力の暗さを持ったフレアがのた ....
揺れている――
火が、無人の家に続く砂利道のそこここで、
揺れている、原野の風の行き来にあわせて
揺れている、枯れかけた草の群れが、
火が跳びはねて渦巻く、
日没前の世界に


揺れて ....
手を洗え
その身じろぎする小さい肉を
きみの野蛮な口に運ぶのならば
何よりも先にまず手を洗え


汚れた手で肉に触れてはならない、
汚れた手で肉に触れることは
その新鮮をそこなうことだ ....
指は捩れた釘、その錆びた切先で裂く、僕らは、
宙を、
僕の頬を、
きみの鎖骨の下を、
すると膚と肉がみにくく割れて
黒い血が落ちる


横たわる僕らの眼に青色の空が映る。
完全な空の ....
下る――
ある昼と夜に、ありふれた昼と夜に、
長く古い階段を、地下の駅へと、


下る――
ひび割れた鏡の壁、踊り場の剥がれた床、
片方だけ壊れた照明、唸る空調のなかを


送風管 ....
おれは見たい、
赤錆びた鉄塔の頂きに
鳥のように爪先立って
人影のなくなった都市を見たい
きみとだ


おれは見たい、
太陽のとなりに炸裂するもうひとつの太陽の誕生を
塵からつくられ ....
街路図には
方位が記されていないので
正しい道順はもうわからない


人影のないアーケイドを逆順に進めば
三番街と一番街のあいだに
二番街がない


封鎖された地下通路から
川底 ....
安部行人(27)
タイトル カテゴリ Point 日付
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