こうえんから
おばけのこえが
きこえました

おばけじゃなくて
ぼくのこえだよ
おばけはいいました

やっぱりおばけだ
みんなは
わらっていいました

そういうみんなも
 ....
 
なにか
過剰なものが
わたしの中にあります

それは
熱帯夜であることに関係なく
わたしの中に
箇条書きされていきます

かつおの刺身を
口にほうりこんでも
かつおの味はし ....
 
これでいいのだ
なんていうと
いいことだけではなかったことも
思い出しそうだから

バカボンのパパよ
あなたは
いつも無表情なのに
端的な
その言葉の奥に揺れてる
瞳だけがあ ....
 
おとこが悪い
というほど
おんなたちも悪くなかった
そのように
時価三百十五円税込の
ノオトには記されていて
比較的それは少し高価だったが
世界の絶望に見合うほどではなかったので
 ....
 
神社の階段を登る
人を追いかけて
無意識のまま
僕も登る
人になっていた

声が聞こえる
それは
ヒグラシの声かもしれないし
その日を暮らした
僕の声かもしれなかった

 ....
 
新聞脳の父と
テレビ脳の母と
YOUTUBE脳の子供が
小さな家に住んでる

すべて借り物
いらなくなれば捨てられてしまう
情報のはかなさ
メディアのくるしさ
家族の双方向性
 ....
 
そのむこうには
休日がある
わたしたちのための

いったい何を休めばいいのだ
と男が言い
いったい何から開放されるの
と女が言う

お墓の土から生まれた蝉の幼虫が
羽化するの ....
 
 
 
部屋のしくみ


部屋の壁に
エレベーターがある

時々音をたてて
上がったり下がったりしてる

今日は僕の階で
ドアが開いた

まだ誰も乗ってなかった

 ....
 
 
 
村のしくみ


西の空に
捨てられた村がある

誰もがそこで
暮らすことができた

今日は村長さんの
誕生日だった

まだ生まれてなかった


+

 ....
 
はじめるために
終わっても
終わるために
はじめてみても
それはいつも旅だった

ひとつの解釈は
限られた扇風機の
機能のひとつに
はじまりを確信する

はたしてそれが
 ....
 
西の空に
家があった

東の空にあるのは
僕の家だった

さらに
その東の空には
田畑があった

こんなところに
家が建つなんて

祖母が言った
あの頃が懐かしい
 ....
 
アスファルトから
腕を出して
手を振ってる

信号は
いつまでも
赤のまま
渡ることができない

懐かしい人に
手を振り返すと
それは僕ではなかった

さよならを
は ....
 
ここにいても
いいですか
という
人がいるので
その人は
人なんだと思う

思うだけで
人は
人になってしまう
わけではないけれども

人の価値は
そのようにある
あ ....
 
蝋燭が
消えそうになると
まだ燃えている
知らない蝋燭がやってきて
消えてしまう前に
やさしく火を貸してくれる

白く溶ける
蝋を流しながら
傷跡のように
それは残る

 ....
 
こどもができたの
と、いうと
嘘をつけ、といわれ
生まれてきたのは正真正銘
ロボットの赤ちゃん
の、はずだったのに
人間の
あなたの赤ちゃんよ

それでも
ロボットの子供にふ ....
 
夏が
色をうしなって
いきます

羽衣を着た
あの人が
人であった頃

眩しく
消えていきました
白く輝く
光のまま

焼き尽くされて
まだ
ここにいます
 
 
汗をかいたので
洗濯して
ベランダに干す

ここは海が近いから
命の
匂いがする

書店で本を開いても
どれも白紙なので
選択は
できなかった

もう
言葉などいらな ....
幸せになるために
不幸が少し
足りませんでした

不幸になるために
少しの幸せも
いりませんでした

それなのに
幸せになりたいとは
誰ひとり
言いませんでした

幸せになる ....
 
迷うほど
その森はあらわれて
洗われる
下着の下で蠢く
植物の言葉と
虫の目覚め

それらはやさしく
息を吹きかける
僕の頬に
ときにはその存在を
確かめるように
さらに ....
日曜日の午後は
ここからはじまる
たくさんの
命の庭

話したり
話しかけられたり
平日とは違う
あんパンを
ほおばってみたりした

午前中
僕は眠っていたので
午後は
知 ....
お金を稼いで
お金を
食べている

お金以外に
食べ物を知らない
おいしさも
そうでないことも
何も知らない

増え続けては
減り続ける
それでも
生きているだけで
 ....
技術で
ものにならなかった人が
無意味な言葉を
無意味な数だけ
並べつづけている

誤解されてきた
経済とは
そのように
生き延びることだけで
ありつづけた

今夜も
きっと ....
汚れた掌に
赤いポストがあるので
たくさんの
手紙を書いた

赤いのは
恥ずかしいからだと
手紙の返事には
いつも
そう書かれていた

あの赤いポストが
今はない

窓 ....
 
どうして
ぼくは
ここにいるの

きづいたら
せかいのてっぺんで
しゃれいを
うけとっていた

こどくでも
かいかにひとの
けはいさえあれば
ここは
ここでありつづけた ....
ゆれる
ねんだいがゆれてる
かこたちが
こおるこおり
ぐらすにひとつ

とけてゆらゆら
しずむまで

ひみつ

わすれたふりして
レディオから
あの日もたしか
げつようび
 ....
とけそうと
ひとがいったので
そのとおりですねと
ひとがいったら
そのとおりになって
かたちをとどめながら
ひとはなみだがかわくまで
そうしていた

とけていく
 ....
 
とても正しくて
とても間違ってる
君はいつも正しくて
間違っていた

何かだけを目指し
何かだけに支配され
何かだけの君は
何かだけを支配して
何かだけを成し遂げた

セミ ....
スーパーに
金色の腕時計をした
パートのおばさんがいた

おばさんというには
懐かしい感じがしたので
お姉さんと呼んだ

鉛色の空
ふるさとは
雪が降っていた
人になりたかった
人に憧れて
その日を待っていた

等しく並べて
輪郭をつくると
それは人間だった

近づいては遠ざかる
消えそうな
わたしの輪郭

人は人がいなければ
人 ....
ある日家に帰ると
コインロッカーがあった
お父さんも使っていいのよ
妻が言うけれど
いったい何のために使うのか
僕にはわからなかった

それでも
次々とうまっていく
コインロッカー ....
小川 葉(1581)
タイトル カテゴリ Point 日付
みんなおばけ自由詩7*08/8/3 22:47
わたしの中のなにかたち自由詩3*08/8/3 22:11
これでいいのだ自由詩308/8/3 2:45
中世の旅自由詩308/8/2 22:12
神社自由詩4*08/8/2 20:35
Beyond自由詩4*08/8/1 21:51
ビヨンド自由詩5*08/8/1 1:53
孤独のしくみ自由詩308/8/1 0:39
世界のしくみ自由詩6*08/7/31 3:10
おんなの旅自由詩108/7/30 21:31
西の家自由詩108/7/29 23:26
アスファルト自由詩108/7/29 22:50
鏡の中のわたしたち自由詩408/7/29 0:24
蝋燭自由詩508/7/28 1:12
妊婦のロボ子さん自由詩7*08/7/26 21:26
白い夏自由詩108/7/26 3:55
言葉などいらない自由詩908/7/26 3:53
いらないもの自由詩4*08/7/23 4:45
迷い森自由詩1*08/7/22 1:03
休日自由詩708/7/21 0:33
お金自由詩108/7/20 1:12
経済自由詩108/7/19 2:52
ポスト自由詩508/7/18 0:40
ペントハウス自由詩708/7/17 1:30
ゆれる自由詩4*08/7/15 0:14
梅サワー自由詩208/7/14 23:10
セミダブルベッド自由詩3*08/7/10 0:48
腕時計自由詩108/7/9 1:56
人間の輪郭自由詩508/7/8 22:51
コインロッカー自由詩6*08/7/6 3:39

Home 戻る 最新へ 次へ
19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 
0.08sec.