俺、おまえ、鋼、はがっ
ね、おまえが、かかかかか
かかかたい、硬いはがっ
ね、俺が鋼
お願いです
どうかお願いします
回転寿司屋臨海丸
のカウンターに俺とおまえは、こしっ
かけ ....
ブリッジをする君が足元
そして腕のあたりから
徐々に橋になっていく
なぜ君はブリッジをしていたのか
なぜ本物の橋になる必要があるのか
僕らは何を間違えたのか
かつて優しい嘘で慰めの言葉 ....
校長は絶好調!俺は田舎侍、
辻斬りするの、ザウルス
すべからく太もも弾け、
今日は良き日であるの、ザウルス
あっぱれ、俺は因数を分解する、
分解し続ける、ズシン
が、因数は俺を ....
バナナの十本に一本は
キリンでした
知りませんでした
その長い首を
その角を
その身体の中にある様々な器官を
たくさん食べました
たくさん噛みました
だから郊外の動物公園に行く ....
漂流していました
右側にある、と呼んでいたものは
すべて左側で発熱しています
僕らを幸せであると
誰も定義しないでください
ひとつひとつそろえていけば
平和な家庭が作れると思った日々を ....
昇り専用のキャバレーでした
あまり感情を表に出さない女性に導かれ
私はどこまでも昇り続けました
彼女のうなじには
一匹のハエがとまっていました
その羽の見事な曲線から
昔よく下った ....
さよなら、ブラジャー
白くて
可愛い布切れでした
もう誰に着けられることもなく
誰に脱がされるわけでもない
ブラジャー
風に吹かれて
善光寺参り
車内はひんやり寒い
乗客はみな一様にうつむき
僕の呼吸だけがまた
不細工な格好で繰り返される

耳元で川が流れている
昔、綺麗な魚に見とれて
手袋の片方を落とした
それは確かにあっ ....
扉しかない部屋で
君は朝焼けを食べている
朝焼けを食べ終わっても
朝焼けはなくならない
俺が隣で朝焼けを描いているから
なくならない朝焼けを食べ続け
そして君はまた扉を排泄する ....
日めくりカレンダーをめくって
紙飛行機にする

1年間で365機の飛行機が
この部屋を飛ぶ

赤い3の字を模様にしたのが
白いテーブルに不時着する
他に行くところもなく

行く ....
人さらいは人をさらったことがない
これからもさらう予定がない
けれど人さらいは人さらい
それは何の比喩でもなく
人さらいが人さらいであるということだ
何故人さらいは人さらいなのか
生まれた ....
テーブルの上ではコンニャクが
ぷるんぷるんとダンスをしている
花束は戸籍を失効してしまった
僕のポケットには扉が無い
行きつけの店で転んだまま
起き上がれない児童相談員は綺麗な歯肉
 ....
眼、鼻、耳、口、毛穴
すべての穴に私たちは窓を取り付け続けた
窓に明りが灯ると私たちはそれを街と呼んだ
街が体中に繁茂していく傍ら
明りの消えていく窓がある
その浮力により
私たち ....
戒厳令の布かれた残暑
透きとおっていく言葉の
飛沫のように

あなたは白く皮膚の薄い手で
一すじの光を木箱に閉じ込めた

二人の椅子に
二人の卓上に
二人のナイフに

あ ....
徴兵された兵士のように
寒い目をしてあなたは通路を行く
改札を抜け再び階段を降り
あなたの目が地下鉄に乗る
と、私の目だけが置き去りにされる
壁にはたくさんの色あせたポスター
その ....
心臓の近くでセミの声がしている
冷蔵庫を開けると
大きめのロブスターが、ヤー、ヤー、と
おもちゃの銃を振り回しているのが見える
いつだって無邪気な者には罪が無い

野菜室からよく冷えた ....
トーク。暁から暁までしゃべり続ける、トーク。
トーク。君とトーク。
知っていることをトーク。
知らないことをトーク。
トーク。いつまでもトーク。

人の顔を覚えるのが苦手な僕は
君が誰か ....
食べかけのスイカがもう
夏に生きる虫のように臭っている
庭に埋めなきゃ
そう思ってサンダルを履いたのだが
シャベルが見つからない
春先に何かの花を植えた時には確かにあったはずだ
ス ....
計算機を裏返し
ドライバーでひとつひとつ
ネジをはずす
基盤が剥き出しになる
入りくんだところで
ラーメン屋は既に営業している
のれんをくぐる
いらっしゃい、とだけ言って
寡黙 ....
またね
春風から一番遠いところで
皆でそうつぶやいたら
誰かの下唇に
名前の知らない花が咲いた
なあ、せっかくだからさ
もうしばらく
楽しいおしゃべりをしよう
妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほ ....
馬鹿ターボ
全開で帰宅する俺
髭をたくわえ少しワイルドな俺に
おかえり、を言う娘は少しワイルドな俺に少し慣れ
一番星が出始めた空の下で縄跳びの練習中
綺麗でしょ、綺麗でしょ
いや、 ....
Blue Sky
僕らが愛と呼ぶもののすべてが真実でありますように
僕らの幸せが誰かの不幸のおかげでありませんように

僕らのパズルはこんがらがっていつまでも解けない
このまま解けな ....
二十歳になっても何も変らない
ただ何かを変えたくなった

今の自分を不幸だとは思わない
でも決して幸せとはいえない

キャンパスを飛び交う拡声器の声
その熱さの中で
彼らは自分 ....
雨の粒たちが描く
池の波紋を見ながら
保育園からの帰り道
娘は赤い小さな傘をさして
唇をぎゅっと結んで

最近、娘の話題といえば
明日の遠足のことばかり
弁当のおかずの注文 ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
牛乳の入ったマグカップ
右手にあるその重さとその軽さ
トースト
トマト
スクランブルエッグ
生きるということの重さは
生きるということの軽さ
そこまで考えるといつも
ねずみがえしの ....
兄はまだ小学生相撲大会の賞状を
大事にしているだろうか、と
扁桃腺の手術後
縫合を忘れられたままの婿養子は
まだ考えているだろうか
ふとバス停に波は寄せて返し
沖に流されていく砂の ....
僕は波に濡れ
波に濡れたままずぶ濡れとなり
絶え間なくそれは
断続的にそれは
いつまでもそれだった
それって
日テレ?
いえ蛋白質の軽めやや三十倍程度の喪中
ツモ
ラスハクで ....
娘が補助輪無しで
自転車に乗ることが出来るようになった
それは昨日のこと

最近左手がきかぬと
父がペットボトルの蓋を人に開けさせた
それは今朝のこと

僕は時のパズルと戯れながら ....
たもつ(1796)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩605/4/15 9:34
ブリッジ自由詩905/4/14 17:24
ザウルス自由詩605/4/13 10:01
キリンバナナ自由詩505/4/12 9:00
仮歌(siawase)自由詩305/4/11 16:40
仮歌(omoide)自由詩305/4/10 22:40
何度目のさよなら自由詩1005/4/8 20:19
車内自由詩1005/4/6 12:58
自由詩1305/4/3 11:05
4月4日の朝自由詩605/4/2 17:59
人さらい自由詩1805/3/30 22:21
優しい仕事自由詩805/3/30 8:49
自由詩1105/3/29 9:32
残暑自由詩505/3/28 8:30
失踪自由詩1505/3/26 22:18
減速自由詩1305/3/24 17:48
トーク。自由詩1105/3/22 9:21
遠泳自由詩705/3/17 17:29
後悔自由詩1005/3/16 9:03
春だから全員集合自由詩12*05/3/13 19:10
梅干自由詩32*05/3/9 12:44
団欒自由詩2505/3/1 13:50
Blue Sky自由詩1405/2/26 10:06
二十歳のころ自由詩3*05/2/24 8:32
願い自由詩1005/2/20 16:09
サイレン自由詩3605/2/16 15:37
朝食自由詩405/2/15 16:46
バスストップ自由詩405/2/9 19:18
白の終わり自由詩7*05/2/6 19:01
毎日自由詩1805/2/5 17:09

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