私の瞳は濁った緑
    私の指は三本しかなく
    私の髪は闇の捨て子だ
    私へ向かうすべての心は
    空の貝のようにねじくれている
    本当の心は ....
水のなかの空に溺れ
かがやきの輪をひろげる
黄金の鳥
午後の鳥
おまえの帰りを待つものはない
星はのぼる
雨の傷は残る
高く深い
雲の色に漂う



泳ぐよう ....
    教会の屋根裏部屋に
    無理矢理押し込められて泣き叫ぶ巨人のキリスト
    空はほおずき色の仮面
    閉じかけた口が地に近づく


    くずれかけた家 ....
岩の内にとどく音
弾かれる赤が作る渦
目を閉じたけだものの口もとから
わずかに見える牙の連なり
白と緑を断ち切るひかり



さざめくものをおさえきれず
夜を ....
    卵を産んでいる親蜘蛛を
    卵と一緒に握りつぶして
    やさしい少女の顔をした少年
    そのままの手で夏の樹を抱く
鏡の花
木々の旗
水の上の
棄てられた駅への
道をしめす



羽のにおい
羽の重さ
羽の苦しさ
言葉が流れ落ちる音
ひとつの者が
ひとつの者に手わたす
や ....
まとわりつく寒さと湿り気に
からだの花は目を覚ます
欠けた明るさ
まばらに降り
起伏の上にうすくひろがる


曲がり角に集まる闇へ
消えてゆくひとりの背の影を
あなたは海 ....
空が
屋根の近くまで来て
おめでとう と言う

握手しようとしたら
消えてしまった

みんな
消えてしまった
おひさまは 遠く
おひさまは 居る


どんなにたくさんの子の絵のなかで
ぐるぐるまるに描かれても


誰も見つめることも
近づくこともできずに


おひさまは ひ ....
そらとみずうみだけがつながって
あとは離れていってしまう
灰色の瞳に見つめられて
こんなにも微笑んでいられるのは
雨が独りで発ってゆくから
独りの訳を知っているから

 ....
どこまでも誰もいない
ぬれた灰色の道に
どこまでも空が落ちてくる
凛とした声が触れにくる
雨を歩むものの頬に
触れにくる


夜がひらく
さらに奥の夜をひらく ....
夜多き午後に生まれて
水に逆らい 森になり
少しだけ埋もれた地の月を見る
暗い光の束を見る
血のにじむ手のひらの先
雲に重なる雲を見る


空が示すものに応えつづけて
ひ ....
空から下りくる
花のつぼみに目を閉じる
花を戴き 花をいだいて
花にいだかれて
花のなかに咲く蜘蛛に
目を閉じる


昼の雨
夜の雨
濡れた緑に影を落として
朝の光 ....
思うことなく
信じることなく
ただ願いながら歩きます
わたしたちは無く
あなたたちは無く
ひとり


目をひらくものがいなければ
目をつむるものがわからない
そんなこと ....
空の影
雨の輪の下
土に立つ火の槍
みずうみを照らす


雨の瞳が
水のまわりをまわり
ゆっくりと中心へ近づいてゆく
沈むより先に浮かび
浮かぶより先に沈む
 ....
家のそばに浮かんでいる
家と同じかたちのふちどり
それがなにかわかりません


晴れた日にも曇りの日にも
空に無数にきらめく粒子
それがなにかわかりません


まじわり ....
蝶紋
蝶紋
低い雷雲
まわされる手にまたたく背


水たまりを避けつづけ
硬い海にたどりつき
水平線の筆跡を追う
沈むもののための雨季を追う


錐揉む視線と滲みの ....
突然 短いうたが訪れるとき
ずっと長くつづくように感じ
いつもいつもひらかれてしまう


重く しっとりとした鉄が
手のひらの熱に戸惑うとき
いつのまにか撒き散らされた
石 ....
水辺に落ちる星
熱が流れを変えてゆく
土がくずれ 沈む
砂が砂の上をゆく
積もりつづける見えないものが
音になってゆく


目の奥にある水と鏡が
ひとつの影を ....
巨大な多翼の鳥に守られ
坂はひとつの音をたてる
雨雲のような遠さから
草と水をかき分けながら
祝福も祝祭もない羊が近づいてくる


水を閉じた森で育つ
あらゆる ....
偽らない星
とても近くに
まばゆく在る星
光はとどまらない
音は退かない


いくつかの小さな泉を残し
雨の天使の足あとは消える
水と葉は静かに向かい合い
舟 ....
雨に目を閉じ
まぶしさを聴く
雲の下にひしめく花
斜面にひろがる野を
冷気が降りてくる


石の城が燃えている
雨の声が焼けている
煙が風に鎖がれていく
丘の ....

なにもかもが
羽のようにわかり
涙する
遠くの火が
空を揺らす


ねむりつづける花
ねむりつづける草
不夜を誇るものたちに
とどかない原の火

 ....
囚われの鳥が
水をほしがる
何羽もほしがり
雨になる



木守りのひとつ実
夜を見る
すそから濡れる
夜を見る



一瞬のつながりのかたちから
道の灯りの ....
罪は飛び
向こう岸にとどく
目に触れる雪と
流れに鎖がれた女たちに涙する
川と海は光にまみれ
浪に応えるけだものから
地に降りることのない鳥が生まれる



かがやく氷 ....
望まれない者にも
見放された者にも
めぐりはめぐり来て
伝えることも
受け取ることもない季節に
雲の刃はやわらかく起き上がり
道の記憶を射るように照らす


空は ....
むらさき
火の景
とどろく光
風に鉄が現れるとき
雨のなかで縮む太陽


野を撫でる指
冬を揺らす輪
降りつづける淡い糸


止まらぬものの行きつく果てを
低い冷 ....
またひとつ午後の行方が指し示され
風は不確かなまばたきをする
草の迷いと疑いのなかから
等しくねじれた枝が現われ
石のまぶたに呼びかける


空の一点から来る声に
地が応え ....
何かを描こうとした手のひらが
冷たい膝の上にひろがる
消えてゆく言葉に涙するとき
ふいに指先に触れてくるもの


遠い雷
遠い花火が
水の笛のなかにあり
ゆうるりとゆうる ....
つぐないの花に
光が降る 雨が降る
半透明の蜘蛛が
空を見る
何もかもが破けてしまいそうな
たくさんの鈴の音がする


名前の無いもの
にくしみを
とどまりすぎ ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
ノート(25Y・11.7)[group]未詩・独白305/8/20 17:06
三華遠  水迷銀[group]自由詩105/8/20 17:00
ノート(25Y・10.16)[group]未詩・独白205/8/19 16:42
三華遠  冬の刃[group]自由詩105/8/19 16:38
ノート(25Y・9.19)[group]未詩・独白505/8/18 14:09
三華遠  夜照[group]自由詩205/8/18 14:06
手のひらの日自由詩405/8/17 21:35
ノート(空)[group]未詩・独白305/8/17 16:57
ノート(おひさま)[group]未詩・独白305/8/17 16:53
そら Ⅱ自由詩005/8/17 16:45
そら Ⅰ自由詩305/8/16 22:43
うみ Ⅲ自由詩505/8/15 17:03
うみ Ⅱ自由詩605/8/15 8:38
ノート(Hollow)[group]未詩・独白005/8/14 23:37
うみ Ⅰ自由詩105/8/14 13:02
ノート(それがなにかわかりません)[group]未詩・独白805/8/13 16:21
ゆらぎ まひる自由詩205/8/13 8:23
とき(うた)未詩・独白305/8/12 21:47
音  終章自由詩105/8/12 17:59
音 Ⅳ自由詩205/8/12 6:40
音 Ⅲ自由詩105/8/11 17:28
音 Ⅱ自由詩205/8/11 6:36
音 Ⅰ自由詩405/8/10 17:31
木守り自由詩205/8/9 23:03
Luciferised One自由詩105/8/9 13:12
ゆらぎ(よるむらさき)自由詩305/8/8 16:51
波を纏いて自由詩005/8/8 7:34
過ぎるものへ自由詩505/8/7 13:52
水笛自由詩605/8/6 20:22
灰 Ⅲ自由詩505/8/6 6:38

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