海 空 無
ゆっくりと夜のなかを
大きな鳥が通りすぎる
雨が空をかけのぼる
光が空にこだまする
夜に隠れた者の影が
木々の間を埋めてゆく



半身だけの囚 ....
長い時をかけて
風が風になってゆく
しげみから飛び立つもの
水の上をゆく光
壊れかけた庭に引き寄せられる
残された数本の木々に引き寄せられる


闇がさくさくと
冷 ....
高い夜
低い夜
地が空へ向かう夜
遠すぎる火をあおぎながら
あまりにも廃墟に近づきすぎていた
雨が緑を照らしていた
小さな葉が群がり
石と石をつなぐ力にしがみ ....
夜の柱に伝わるもの
にじみたなびく煙の端々
昼の友の鼓動
原を走る火の行方
冬のはじまりを映して川は流れる
遠く静かな道のりをゆく


幻日の虹のまわりから
 ....
窓を閉め忘れ
緑のにおいに
眠れずにいる
空腹の夜


ひとかけらずつ
崩れる街を登りつづけ
眠れずにいる
空腹の夜


触れることさえないままに
気づいたときに ....
背を追いたてる響きがある
歪みを映す光がある
遠い道から見つめるものの目
暗く乾いた熱のような目



異なる滴は異なるまま
鏡を流れ落ちてゆく
やわらかくはならない
 ....
自分が自分かもしれないことを
思い出すのに時間がかかり
鏡の前で
裸のまま立っていた

自分は
どこにもいないのかもしれなかった



    わんこ ほえる
    ....
    銀の魚

    剣になり
    杖になり
    機械のように ひらいては閉じ
    闇のなかで
    笑いかがやく



 ....
わたしは咲いていた
わたしは咲く
わたしが咲くとき
わたしが咲けば
わたしよ 咲け


あなたが咲くうたの
聞こえるところ ....
    手の上の蜘蛛が去ったあとで

    いつ付いたのかわからない傷を

    ふたつ 見つける
轡の火
午後をめぐり
片翼の会話
道にまたたき
よみがえる


窓をあけ
両腕をひらくかたちの影が
飛び立とうとする鳥に重なる
はばたきはかがやく鉱を持ち
にじむ ....
    衣擦れの音は
    人の声のようにやさしく
    草の声のようにきびしく
    夜を過ぎる者の足元にからみつく
    あたたかく 目を閉じ
 ....
わたしは居ない者
わたしは居ない者
過去の法が生き返るのを見ている
死ぬものはないが
生きるものもない
あやつるものが あやつられても
止める法などありはしない
求めるものは ....
    一枚の地図が置かれた

    薄暗い部屋のなかで

    手のひらに生えた双葉を

    見つめていた
夜のむすめ
生まれては
光を指して
おとうさん
火の花です


線の川です
おとうさん
夜から夜へ
伝わります
おとうさん


めざめます
ふちどりが
 ....
    午後と夜の間の光の

    素描の街を

    行き止まりに至る道を求めて

    さまよっていた
雨のなかのふたつの星が見つめあい
ちぎられたもの 離されたものを結んでゆく
音の生きもの
風の音の生きものが
白い木々のはざまに響き
銀に濡れた視線を向ける


建てら ....
    車道に向かい 身を傾けた

    コンクリートの猫

    雨あがりの光を狩る
    
    壁のほうに入口を向けた
    朽ちた小さな犬小屋


    墓標のように
    玄関の脇にある
目を閉じてもつづく光のかたち
夜を甘く噛むかたち
傷が傷を呼ぶかたち
ふたつの音がすれちがい
ひとつの声になるかたち


蒼にそよぐ蒼のしじま
ざらざらとつづく明るい道 ....
    どんどん晴れろ
    どんどん晴れろ
    中庭の水を持っていけ

   
    空の向こうのもうひとつの窓
    外の見えないガラスだけが
     ....
    雨ふらす空が
    大きな水に映り
    空ふらす雨が
    大きな水にふる


    おちるのは雨
    おちるのは空
    おちるのは午後

 ....
    ただひとり ここに立って
    ほしいもの じっと待って



    陽と星が見たい
    雨と晴が見たい
    星を全部つないでできる
    ただひとつ ....
傾きに鳴る傾きに沿い
鏡は鏡の名を告げる
はざまは全と無にかがやいて
重なりと輪のうたをくりかえす


背後から照らされ
影は躍る
足踏みの姿に揺れながら
より速い夜 ....
車と車のあいだに
紙袋が泳いでいる
青信号が
すべてを引き裂いてゆく


地鳴りの夜と
静けさの夜のあいだに
やがて売られてゆく木々が
育っている


もう動くこと ....
えほん や 
ずかん や
えいが や 
うた や
いろ や しゃしん を 
かきうつすだけの
ずるい ことば は 
いりません



あたまのなかも
あたまのそ ....
 




    子供たちが
    暗い建物のなかを
    走りまわっていた


    氷の根  淡い目の宝石


    つながらないふたつのものをつなげようと
 ....
    互いの姿を見ることもない

    闇のなかのふたつのかけら

    月の光を待っている
回るものの影が
回るものに映り
たくさんの満ち欠け
たくさんの季節をつくりだす


水たまりの空を歩むもの
変わりつづけ 歩むもの
ここに在るだけの世界の上に
足跡は ....
鏡台につもる
見えない髪の毛
ふさふさとこぼれ
足指に触れる


鏡のふところにあなたはいる
鏡の声に応えるあなたと
ほころぶような微笑みと
映ることのないわたしを見 ....
木立 悟(2335)
タイトル カテゴリ Point 日付
ふるえ Ⅳ自由詩405/9/29 7:11
ふるえ Ⅲ自由詩405/9/28 17:48
ふるえ Ⅱ自由詩705/9/28 10:06
ふるえ Ⅰ自由詩205/9/27 20:42
ノート(42Y.9・25)[group]未詩・独白405/9/27 20:36
午後と鏡自由詩805/9/26 18:11
観察報告未詩・独白405/9/26 18:09
ノート(38Y・11.1〜6)[group]未詩・独白105/9/26 7:13
ノート(咲く)[group]未詩・独白405/9/24 16:36
ノート(35Y・11.7)[group]未詩・独白205/9/24 7:21
午後と黄金自由詩405/9/23 14:17
ノート(38Y・2.11)[group]未詩・独白305/9/23 10:35
ノート(38Y.2・28)[group]未詩・独白105/9/22 17:55
ノート(36Y・11.21)[group]未詩・独白705/9/21 20:20
夜のむすめ自由詩505/9/20 18:32
ノート(36Y・12.10)[group]未詩・独白505/9/20 9:33
ひとつ まばゆく自由詩705/9/19 21:20
ノート(37Y・9.24)[group]未詩・独白405/9/19 7:07
ノート(35Y・12.5)[group]未詩・独白605/9/18 13:43
夜とまぶしさ自由詩805/9/17 20:32
ノート(38Y・9.22)[group]未詩・独白205/9/17 7:14
ノート(37Y・12.6)[group]未詩・独白805/9/17 7:12
ノート(38Y・10.5)[group]未詩・独白305/9/16 7:13
夜とはばたき自由詩505/9/15 13:57
ノート(夜のあいだ)自由詩605/9/14 22:19
ノート(そのまま)[group]未詩・独白4*05/9/14 22:15
ノート(37Y・3.6)[group]未詩・独白505/9/14 7:01
ノート(38Y・3〜5.某日)[group]未詩・独白205/9/14 6:58
ノート(歩む)[group]未詩・独白605/9/13 7:05
ノート(鏡)[group]未詩・独白705/9/12 14:20

Home 戻る 最新へ 次へ
40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 
0.34sec.