姥桜永遠でない愛と知る
眼帯の女の膝や散る桜
花散らす雨聞きながら書く手紙
渋滞続く白い車ばかり
恋文に桜ひとひら貼られおり
花吹雪逢瀬の前のハイボール
運命を変える桜となりにけり
打ち出の小槌から米しか出ない
恋ぐらいひらがなにしてはつざくら
だんだらの羽織脱ぎ捨て花の中
姥桜人目避けたる逢瀬かな
海に向かって叫ぶことではなかった
初桜恋の病の処方箋
口紅をつけられた襟花朧
白無垢の姉の姿や花吹雪
眠剤飲んでからエンジンかかる
花の中反発しあう磁石かな
初桜自転車をこぐミスポリス
木のまたに眠る老猫初桜
軽い玉に指が入らない
からっぽの引き出しがとびだしてきた
桜散る口の動きはアリガトウ
頭痛薬一錠枝垂れ桜かな
吠える犬吠えられる人夕桜
見上げて月のない星に生まれる
花の中ボブとマイクと巻く歌仙
花曇りドライアイスのけむりかな
夕桜抱っこした子が重くなる
あなたを呼んだ声で誰も振り向かなかった
花だけが見送るバンドワゴンかな
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