年老いたキツネは考えた
もう獲物を追いかける元気は無い
白鳥の卵を盗んで育てて
大きくなったら食べようと考えた

森の中で白鳥の巣を見つけ
親が留守のときに
一つ持ちだした

 ....
リンゴ畑は枝を残し
風の止まり木になり

木霊にように繰り返す
カラスと遊んだリンゴの笑い声

落ち葉で眠っている
赤いほっぺで眠っている
甘く匂うよ雪の下

赤い顔した妖精が ....
月を持って帰り
ガラスの花瓶に沈める
リンドウの花はランプ
妖精が囲んで見つめる
雪明りのように静かに
壁に虹が灯る
花瓶の中で夕月が
くるくる周ってる
何度目かの昨日だろうか
 ....
憶昔の茶席が
目の前に生き続け
公孫樹を二個添える
あなたの抹茶はもう
味わえないけれど
あなたが泣いている時も
お構いなしに季節は過ぎて
鳥は歌い空に舞い上がり
川の水は迷わず流れ
取り残された気分を味わう
時間の中心に咲けばいい
時間を包むのは季節だから
あなただけの ....
雨は砂時計
いつもそう思う
たまった時間が落ちる
懐かしい匂いがする
良寛の詩に涙するのは
そこに嘘が無いから

まわりくどく何でも一言
別の言葉に置き換えるような
幼稚な発想が無いから

良寛の詩に涙するのは
そこに飾り気が無いから

日常の汚 ....
小川を渡り
小径をゆけば
けもの道も無い世界
気配だけを置いていく
ただ香りだけを
愛ってなんだか知ってる?
私は知っている
だって持っていないから

愛の中に住んでいたらきっと
知らずに死んで
誰も愛さなかったかもしれない

愛の花を摘んで香りを知りたい
傷つ ....
見えるものぜんぶ
ゆるやかに塗っていく
冬が来る前に
秋が想い出になるように
温かな暖色に

聞こえる言葉ぜんぶ
刺を抜いていく
丸い実に変えていく
秋に涙が残らないよう
暖色 ....
ぬばたまの月を手に取れば

尾花に祓われて

鳥居を囲む狐さえ頭を下げる
落ち葉を並べて
冬眠のベッドを作る
テントウ虫たち

マーガレットの妖精は
枯れ葉に魔法をかける
目覚めが優しい日になるように

さあお休みなさい
冷たい風があそこで待ってるよ
 ....
雨の夜空は
ブルーベリーの
コンフィチュール
あなたのキスが入れた
甘い気泡が宝石のよう
時間という名のリボンを
想い出という名の物差しで測る

切り離された二人の時間は
どっちが長いかしら

宇宙に浮かぶリボンは
誰も拾いに行かないけれど

いつか来世でまた
一本 ....
ハーブの畑で大地に
耳をしっかり押し当てれば
聞こえてくるのは
白い花の詩
甘い葉と踊る風
琴座から音が舞う

地平線の木星に乗り
夢を見るとても甘い夢を
たっぷりのメレンゲのベ ....
澄んだ空気に月鈴子の音
雁は丸くなり夜が明ければ
雀は南へ飛んでいく
有明月が見送るだろう
妖精のカノンが響き渡る
小さな蕾が生まれ
秋の夜に息をする者
すべての胸に植えられる

 ....
太くて固い針金
曲がってしまったら
元には戻らない
無理に伸ばそうとしたら
今度はジグザグに
どんどん増える曲がり角
真っ直ぐにならないなら
割れてしまえばいい
ガラスの心のほうが ....
病院の窓から見えるのは遠い山
今頃はコスモスが綺麗ね

見に行きたい今年はもうだめね
来年は行けると先生は言うけど

私のからだは軽くなるばかり
花が見たい 私は花のこども

 ....
宝石のような冬いちご
ウサギが欲しそうに
プロポーズをするの?
大きく跳ねて
月まで跳ぶつもり
小麦色の月の粉
篩にかけて
光の生地を焼く
冬いちごを挟んで
ウサギは告白する
 ....
あなたの庭に
花を咲かせる
空の色をした花を

あなたにあげるよ
摘んでごらんよ
空色のハーブを

あなたは風の心
水のように隙間なく
満たしてくれる

あなたの苦い葉を
 ....
秋の北天に
仲良くならんでいる
三つの星座たち
ケフェウスは夫
カシオペヤは妻
娘はアンドロメダ
手を伸ばし
じっと見つめ会い
悲しい物語を消し去るため
神話のページをめくる
 ....
こっちへおいで
私に触れてごらん
魔法の言葉をあげる
あしたになれば妖精が
真っ赤な落ち葉に
変えてしまうかもしれない
心配しないでいいよ
温かくて優しい国だから
彫師に言う
如来の背に似合うわ
金色の花が手渡され
じっと見つめる
ノミを持つ手に
妖精が祈りを込める

インドの夏はゆっくり終わる
薬師草はまだ咲いたばかり
遠い過去から白檀が ....
幽霊が棲む庭に咲き
星にハシゴを架ける
ここを昇って行きなさい

泡になって消えていく
石鹸の香りを残して
夏の終わりも知らずに

魚眼レンズの雨が降る
街中で恋人を探すように
 ....
平安の赤い月
占いの香り
暦奏の笛の音
恐れの答は天に任せ
密奏のしらべの夜
月食の通り過ぎし都
ススキの群れ達

月に手を振って

もうすぐ帰るよ

もうじき行くよ

となりどうしで

指きりげんまん

光を集める尾花

野辺に聞こえる

朝露の落ちる音

 ....
古いブラインドは
折れて錆びて

破れた網戸が友達

治療はいらない
同じ痛みを知っているから

窓辺の縁側は温かいね
アムステルダムの妖精の想い出
第2話「レンブラントの家」


オイルの匂い
薄暗い灯り
キャンバスには
可愛い笑顔

神よまだです
まだ完成していません
愛する人を持って行かない ....
長い夜に溶けて
私は朧月夜の墨絵

どうして生きて行けましょう
昨日まで歌ってた虫さえ
今夜は孤独にする

窓を少し指先だけ空けて
冷たい空気を誘い入れて
毛布を包み込んで
自 ....
柳の下で雨宿り

枝が雨だれのように
頬に跳ねていく

雨音は風の音
妖精のいたずら

僕は一人なんだ
妖精さんも一人なの?

ずっと雨宿りさせてよ

話したいことが
 ....
丘白月(577)
タイトル カテゴリ Point 日付
キツネと白鳥の子散文(批評 ...019/10/1 20:40
赤いほっぺたち自由詩019/9/29 22:19
月を持ち帰った夜自由詩019/9/29 22:15
十月の菓子自由詩019/9/29 22:13
あなたは花自由詩019/9/28 22:10
雨時計自由詩119/9/28 22:09
空っぽの言霊たちへ自由詩119/9/28 22:07
妖精の森自由詩019/9/27 21:41
自由詩119/9/27 21:40
妖精のパレット自由詩019/9/27 21:39
白い夜自由詩019/9/26 21:04
妖精のマカロン自由詩019/9/26 21:03
妖精のコンフィチュール自由詩019/9/26 21:03
時のリボン自由詩119/9/25 20:53
ステビアの妖精自由詩019/9/25 20:49
星月夜自由詩019/9/25 20:48
ハリガネの心自由詩119/9/24 20:42
妖精と蜘蛛のプレゼント自由詩019/9/24 20:41
妖精のワッフル自由詩019/9/24 20:41
チコリーの妖精自由詩019/9/23 20:32
北星の家族自由詩019/9/23 20:32
赤とんぼ自由詩019/9/23 20:31
薬師草の妖精自由詩019/9/22 20:16
夏別れ草の妖精自由詩019/9/22 20:14
天文密奏自由詩019/9/22 20:14
野辺の夢自由詩119/9/21 19:28
秋の日差しの中で自由詩019/9/21 19:27
レンブラントの家自由詩019/9/21 19:25
朧月夜に幻惑されて自由詩219/9/20 18:24
柳の妖精自由詩019/9/20 18:22

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