いたずら好きな妖精
売れ残りのケーキ
苺をラディッシュに
美味しいねとねずみ達
口にクリームたっぷり
サンタクロースになる
白いあしあと朝には雪に
ラディッシュは火星に
あなたの指紋が点いた物
一緒に選んだ物
すべて捨てたけれど
生まれ変わるまでは
保管されるのだろう
歩道の波打ち際に
落ち葉のお墓が並ぶ

街路樹の岸辺に
越冬と書かれた列車が着く

妖精のペンキ屋は
一晩で全て赤く塗りつぶす
遠い空から辿り着くまで
濾過され磨かれて
六花はダイヤのように輝き
千切れた雲の遺言が透ける
明るく優しく降るようにと
街路樹にセーターのように
街を往く恋人にはもっと
寄り添うよう ....
雪の精に抱かれて
時間を凍らせる
綺麗なまま眠り
誰か来るのを待つ
温かい指先が触れるまで
私を連れて行く勇気がある?
雪の精に誓える?
刺の意味を記した辞書を
雪の下に探せる?
 ....
枝の手がほどけ落ち
葉は種を守るように
幾重にも重なり冬を越す

冬ざれの向こう岸には
もう雪の精が待っている
みんな眠るのを待っている

朝になれば木霊が六華を生むでしょう

 ....
明日という未来に行けるから 現代詩は詩なのか 雪の森にロウソクが燃える
ゆらゆら揺れる妖精の灯

一人ぼっちの蜘蛛が
針に糸を通して
ふわりと舞う雪を集める
一粒づつ糸にたまっていく
六花のビーズが王冠になる
最後に蜘蛛は糸を ....
神様が与えた唯一の愛の形
愛に逢いたくて花を見て
愛を摘んでは心に生ける
止めないで歌い終わるまで
ネジがすべて逆回転するまで
ほんの少しだけだから
黄色いクラゲ
夜空に飛んで

ひとつ
ふたつ

月の真似して

みっつ
よっつ

しぼんだ心に
手あてしてくれる
綿菓子屋が月夜に開く
小枝に星を吊るして並べ
ザラメ雪を運ぶ妖精
白い綿菓子がゆっくりと
そしてだんだん速く
一本の命で絡め取られていく
甘いけれど溶けるのも早い
雪の森の綿菓子屋に ....
別れの落ち葉を噛んだ秋は遠く
森に落ちる琴の調べは
雪の精の水紋にも似た鼓動

遠く離れた大好きな人は
同じ空の違う色を見てる
雪の船の航路を見てる

雲のすき間にある港で
乗り ....
神様は心が無いくらい広い

いつでも生れたばかりのように

空っぽで未来しかない
記憶の雫は
葉脈を流れる
妖精の命

笑顔と泣き顔
熱くて懐かしく

後悔は割れながら
万華鏡から落ちていく

美しい物ばかり愛し
忘却の淵にいる
大事なものを
思い出そ ....
夏の陽が透ける
柳の梢を見ると
春の桜も紅梅も
心の梢に消えず
秋の時雨を飲み
葛の眺めに風畑
冬の雪雀は凍え
霰の豆を追掛る
寒い冬は好き
街中のドアも窓もすべて
隙間風を少し残して
閉め切ってしまうから
私は誰にも気づかれず
妖精とピアノを弾く
漏れ溢れる音は庭に流れ
雪に小さな笑窪を残していく
妖精の ....
あなたが雪なら
離れていよう
解かしてしまうから

わたしが雪なら
そばにいたい
温もりで解けたいから

ふたりが雪なら
結びついて
ひとつの氷になりたい

雪が生まれたら ....
雪の下で眠る私を
氷を解かす光がくすぐる
春の時間を切り取り
ひとつまたひとつ
未来から運んで蕾をひらく
足もとに金色の指輪が咲く
見つけたら心につけて
冬の道を照らしてほしい
私 ....
占い師がことわざを並べる
不安と喜びを並べる
砂漠に足を取られ
森の落ち葉を踏み
気が付くと稲荷神社
夢を見ていた
忙しく孤独な夢を
すすきの穂に誘われ
欠伸のその先に
狐が跳ね ....
月夜の庭は何処も
ボールルームになって
妖精のドレスは赤く温かい
いつか触れてみたらいい
今夜の舞台はシクラメンの妖精
ふわふわとみんな嬉しそう
永遠の命の中で花はとても短く
忘れな ....
まるく白い
夜空の星のような
あられが降る

いったいどれくらい
落ちてくるのだろう
星の数だろうか

アスファルトを
白く塗っていく妖精だろうか

手のひらで溶ける星たちは ....
涙で喉に詰まる音が落ちて
無限の宇宙に転がっていく
笛吹水仙の妖精は
いつでも後ろで聞いている
胸に入り込んで聞いてくれる
ストローのような花が
ぜんぶ吸い取ってくれる
妖精がこっち ....
ゆっくりしてって
もうじき隣の椿も咲くよ
この冬も綺麗なのは
あなたが来てくれるから
金色に化粧したミツバチに
妖精は嬉しそう
雪が降るように無数の愛が降る

語らず求めず大きな愛が降る

妖精は樅の木で待ち合わせ

花びらが降るように飛んでいく

バラの香りは小さな蝋燭に咲く

赤い炎が揺れる夜にあじ ....
瞬きの瞬間に名前覚え
会うたびに癖を覚え
好きになった時の
あの心地よさと興奮は消えず

どうして忘れられようか
一度でも本気で愛したら
言葉の一文字さえ捕まえたい

嫌いになる ....
赤いキャンドルが
半分溶けて流れて
涙のように固まって
固まったまま泣いている

焦げた芯が
あの晩のまま
時間を止めている

二人で灯して
二人で息を吹いた
赤いキャンドルが
 ....
星が私を見ている
なぐさめてくれる

今日の終わりの中で
空耳のように
幾度と無く
宇宙から星の囁きが
降ってくる

宇宙が悲しみの
ため息を集めて
遠ざかってゆく

深 ....
覆盆子の歌が聞こえる

あれは遠い昔に覚えた和歌

単衣の袖は美しく赤く染みて

月夜の長塀に妖精の影が踊る
丘白月(577)
タイトル カテゴリ Point 日付
ラディッシュの妖精自由詩019/12/9 21:34
捨てきれない自由詩019/12/9 21:29
小春日和に自由詩019/12/9 21:23
六花自由詩1*19/12/4 10:26
冬のバラ自由詩119/12/4 10:25
冬ざれの向こう岸自由詩019/12/1 20:19
生きているだけでいい自由詩019/12/1 20:11
現代詩自由詩219/12/1 17:44
クリスマスパレードの妖精自由詩019/11/29 8:26
妖精のコンセプト自由詩019/11/29 8:26
目覚まし時計の妖精自由詩119/11/29 8:25
巾着草の妖精自由詩119/11/26 21:51
雪の森の綿菓子屋自由詩119/11/26 21:51
雪の船自由詩119/11/26 21:50
神様自由詩119/11/25 21:25
記憶の雫自由詩019/11/25 21:23
真仮名に腰を下ろして自由詩219/11/25 21:22
妖精の足跡自由詩119/11/24 20:20
自由詩3*19/11/24 20:19
ウィンターリングの妖精自由詩119/11/24 20:19
晩秋の幻想自由詩219/11/20 20:43
妖精の舞踏会自由詩019/11/20 20:42
雪のたね自由詩219/11/20 20:40
フエフキスイセンの妖精自由詩119/11/19 20:27
サザンカの妖精自由詩019/11/19 20:26
クリスマスローズの妖精自由詩119/11/19 20:25
冬のセレナーデ自由詩219/11/18 19:59
赤いキャンドル自由詩319/11/18 19:58
あなたを感じた夜自由詩219/11/18 19:56
いちごの妖精自由詩119/11/17 8:02

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