星の時計が雲の隙間に見える
白い光の花が
妖精の足あとのように
草の間に咲き誇る
映るの時間を止めた針
雨はいま帰ったばかり
幸せ探すのは一度別れた二人
繋いだ手のひらの中に
見つ ....
朝陽は息を吹くように
暗い部屋を満たしていく

朝陽は地球の斜面を滑って来る
惑星をノックしながら

朝陽は閉じた目蓋にも降りる
妖精の影がぼんやり映る

朝陽の命は短くて
赤 ....
ピンク色の紫陽花
大きな鉢植えを
母の日に届けたとき
帰る私を寂しげに見るから
何度も会いにいった

初夏にはラムネ瓶のように咲き
涼しげに笑っていたね

秋には紙風船のように赤 ....
いつか誰もが星に帰る時が来る
あの美しい光の中に帰る時が

わたしの魂は美しいだろうか
あの星の中に溶けても
大丈夫だろうか

あの星を汚さないだろうか
あの星に相応しい魂だろうか ....
月と目があったら
あなたならどうする
とっさに歌を詠むかしら
それともつまらない日記を読むかしら
わたしならキスをするわ
私を選んだ月だもの
積み上がった手紙の上でお昼寝
高い壁の上には細長い光窓
薄暗いポストの中は温かい

一通の葉書が妖精の頭に落ちる
あくびしながら目を覚まし
滲んだ宛名をなぞる妖精

そっと差出人の ....
落ち葉の海で溺れるカラス
魚になりたいと鳴く

妖精が黒い羽をすべて
赤い葉と取り替えるかと聞く

カラスは喜んでうなずく
鱗のように落ち葉で身を包み
赤いカラスは飛んでいった
 ....
星を指さし
星座をなぞって
ふわり歩いてゆっくりと
冷たい空気を吸って
白い息を空にかける
月の巣のように
丸い蕾が一つ開くたび

匂う夜風が迷子になる

今夜はどの子と眠ろうか

三日月にリボンを結んで

どの子に引いて降りようか
巫女が旋頭歌を月に歌う
紫の花を付けた韮が
秋風に踊り聞いている
何度足を運んだこと
少ない言葉をつなげて
あの人は過去を捨てると言う
歌い終わりに巫女は茎を折る
韮の香りが紫色の雲 ....
ずっと長いあいだ
売り切れたままの心

庭におりれば
ニシキギの実が
風の小径でささやく
歌が小舟で天に去ったと

檀紙のしわをなぞれば
懐かしい言葉が幽霊のよう

苔むした ....
好きな飴はどんなに固くても
舐めていればいつしか溶け
舌の上で消えて寂しくなる
美しい包装紙は真実を隠し
ただ甘い夢だけを運ぶ
今の恋を顕微鏡で見たら
水飴の気泡のように
眠るように ....
明日はあなたの結婚式
白い花をあげましょう
あなたが好きだと言った花
今夜だけダイヤで作ってみた
あなたは乾いた畑に水をくれた
どんなに感謝しているか
あなたに伝えたいから
たくさん ....
遠くへ行ってはいけないよ
ゆっくり行くんだよ
雲のお母さんは
小さな雲を心配そうに見送った

雲の子とカラスは
街へ出かけた

あの赤い雲は何?
あれは綿飴だよ

すごいよ口から ....
家に帰る時は言葉もなく
今は庭の紫苑を摘むばかり

忘れないでと妖精が言う
思ってあげてと妖精が言う

月光の下で私は摘む
静かな光が
背の高い紫苑を越えて
小さな風と一緒に
 ....
好きなだけ
あなたを見てるだけ
離れて声を聞いているだけ

私の心は感じさせないの
すれ違うだけで
空気を一つ共有するだけ

こんなに近くにいても
たぶん私達って
宇宙の星くら ....
赤とんぼが
たぶん今年最後の

赤い色も褪せて
落ち葉のように
ふわりと
降りてくる

もう空に戻れない
自分がどこから
やって来たのかも
忘れているだろう

空で生まれたと ....
私の花はミツバチしか知らない
黄昏は早くやって来て
夜を置いて去っていく
寂しくてたくさん花を吊るす
私と踊ってくれませんか
輪になっていつまでも
辛い涙が枯れるまで
オリオン座の足もとで
邪魔にならぬよう寄り添って
無限の空を散歩する
私は嬉しくて跳ねる
嬉しくてたまらないのだ
ただ側にいられるだけで
ただそれだけで幸せ
チグリス川に星が一つ
ユーフラテス川にも星が一つ
同時に落ちて
双子と知らずに泳ぎだす
二つの川は海で結ばれ
二匹の魚は出逢った瞬間
二人の人魚になった
アフロディーテが
リボンを ....
もう
これいじょう私を

厚化粧で
着ぶくれさせないで

そんな言葉
誰にも伝わるわけない

そんな
仮装行列で詩にしないで
空に釘を打って
クリスマスリースを掛けた
あなたはとても遠いから
早めに作ったんだ
宇宙から見えるように
クリスマスホーリーの妖精と
君の名を歌いながら
雨に湿って緑色に光る苔の絨毯
落ち葉が油絵のように重なる

木の子の妖精が
森を覆う木の下で
光に包まれた種を撒く

落ち葉の下から
木の根から
苔の中から

可愛い傘を ....
細く可憐な姿で立つ撫子

見るものすべてを

優しい心に変えて

花びらは切なく開いて

髪飾りにどうぞと誘う

細く長い茎を手にするとき

妖精の言葉が聞こえてきた
 ....
森は金魚鉢

木漏れ日のガラス越しに

紅葉がゆらゆら泳ぐ
キャメルのタバコ
窓辺に置いてみる

月明かりで歩くラクダ
お揃いで買ったジッポー

今も優しく温かい灯
だけどオイルは想い出の香り

オイルが切れたら
想い出も来れるかしら
 ....
ウエディングドレスを
あなたは作ると言った
型紙も大変そうだったね
仮縫いが終わった夜
妖精が花を持ってきた
レースに満天の星空のように
白く小さな花が咲いた
銀河を渡るように
あ ....
秋の訪れ告げる風は
口笛のように鳴く
子供が練習しているように
何かしら
未来を食べるように
宇宙から見れば
この星は小さな水滴
青い羽根の蝶が棲む

蒼い涙のような
あどけない唇の妖精
長い触覚が触れた気がした

ありがう
そう言い合ったとき
からだに水が流れた

 ....
空想語源物語 第一話

「血眼(ちまなこ)」の回

*************

★主要登場人物

○漁師
○漁師仲間
○アメリカ人レストランオーナー

*********** ....
丘白月(577)
タイトル カテゴリ Point 日付
幸福のネジを巻く自由詩319/10/14 21:05
朝陽自由詩119/10/14 18:41
フェアリーアイの妖精自由詩219/10/13 21:32
帰る場所がある自由詩219/10/13 20:08
月と自由詩119/10/13 17:22
ポストの妖精自由詩119/10/12 20:32
魚になったカラス自由詩219/10/12 17:40
夜空に棲んで自由詩419/10/12 7:28
ルクリアの妖精自由詩219/10/11 20:00
瑠璃二文字の妖精自由詩219/10/11 8:08
売り切れたままの心自由詩019/10/10 21:56
キャンディー自由詩019/10/10 19:09
ニンジンの妖精自由詩019/10/10 7:02
雲の子自由詩219/10/9 21:31
シオンの妖精自由詩019/10/9 12:00
片思い自由詩219/10/8 22:22
冬を知らずに自由詩019/10/8 21:10
ラッキョウの妖精自由詩019/10/8 8:13
うさぎ座自由詩219/10/7 21:26
魚座自由詩019/10/7 19:29
言葉が言うには自由詩219/10/7 8:09
空にリースを掛けて自由詩019/10/5 17:40
木の子の妖精自由詩019/10/4 21:57
カワラナデシコの妖精自由詩019/10/4 21:56
金魚の森自由詩019/10/4 7:43
月の砂漠ほど離れて自由詩119/10/3 7:30
ブライダルベールの妖精自由詩019/10/2 21:58
風を食す自由詩019/10/2 21:58
ブルーフェアリーの妖精自由詩119/10/1 22:11
空想語源物語 第一話「血眼(ちまなこ)」散文(批評 ...019/10/1 21:00

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