美学があるなら
飴玉を舐めよ

ゆっくりと
優しい坂道を
転がる味が

舌の中で
溶けながら

綺麗な透明に
色の付いた
ノスタルジーを
抱えて消えていく

瞳の大きさと ....
漠然とした痛みが夜を襲い
ミシンを踏んで絆を作った

上糸と下糸が手を結ぶと
縫い目を増やす足跡のように

0.1ミリの隙間が怖い
どうしてゼロにはならないのかな

追いかけて止まっ ....
スカートを履くと
股間が震える

解放された
器官を放り出し

投げ売りにする
みたいな軽さを

乾燥した空気が
読み取った

スカートの下に
ジャージを着ると

生々し ....
落ち葉が舞ってる君を追いかけて
スニーカーの底で中敷になる

君を支えているんだと思える心強さを
震える身体で伝えようとしたのに

眠りに落ちて低くなる体温
君を冷たいまま放置していた
 ....
靴の中で
転がる小さな石を

親指の先で
ゴールに決める

僕の足にだけ
ボールが集まる

不思議だなぁと
思いながら
シュートを外しても

狭いピッチで
回ってくるパスを ....
ボールペンの先で泡立てている
思いを言葉に変えられたなら

メレンゲのような柔らかい気持ち
心に挟んで飛んで行きたいよ

頭と背中を洗ってみたくて
側に行っても良いですかなんて

言 ....
スポットライトに
目が疲れると

瞬きの回数が
増えていく

それを誰かが
ウインクと間違え

夜のギターケースの中で
待ち合わせるような
約束をする

赤いビロードが
レ ....
パジャマ姿で病室に眠る
その腕を繋ぐ点滴のリズム
どこかで落とした涙のように
揺れるカーテンを眺めて思う

向こうの世界へ飛び出す身体に
大きな羽根を与えてくれないか

お弁当箱にしま ....
宝石が輝く未来を映す
約束をしてる指輪のように

細かい傷さえ命の鼓動を
刻んだ証に選ばれた音

エレベーターの最上階で見る
夜景と同じ眩しさを知っても

転がる釣銭を追い求めてる
 ....
あなたはどうして
広げた腕に
光と闇を
交互に見せるの

優しい顔で
厳しいことを言う

大縄跳びの
ジャンプに飛び込む
タイミングがまるで
解らないように

私たちずっと
 ....
線路の隣で揺れるコスモスが
うなだれた首を守りきれずに
飛ばされていく自分のように

シャツのアイロンを忘れたくらいで
家に戻るのが面倒になって

朝は行列に並ぶことなく
好きな映画を ....
あなたはもう
帰る場所を決めて

私が乗り込む事の
できない飛行機の
偉い座席に座り

遠い国から国へと
渡って

記憶の中に
新しい砂を撒いて

私の姿を消して
いくでし ....
懐かしい言葉で会話するには
心の壁に反響させながら
自分の声を拾うための装置

駆け出しのリズムを叩くスティック
誰かが割り込む思い出を捨てて

人というものから離れてる
生き方をして ....
靴下の日焼け跡が残る足
それを隠すために選ぶ長さが
メスシリンダーの目盛りを上げて
短い夏に終わりを告げるよ

新しい靴下が止まる場所に
黒いサテンのリボンが似合うから
翼を広げてどこへ ....
部屋に飾る写真が
色褪せないような
角度を探す

大切にするよ
景色も匂いも

分け合う前の
勝利みたいに
誰かと一緒に
抱き合えるかな

将来の夢は
写真への思い

ソ ....
叶わない恋ばかりをして
安全地帯に置いた自分の
抜け殻を抱いて落としたマスカラ

涙に濡れて旗を揚げた今
遮断機を超えて会いに行きたい

募らせる想い果てなく続く
地震が起きて沈んでく ....
クロワッサンの
生地を丸める時

過去と未来を
決めなきゃならない

左に置き忘れた
約束は
右へ向かってく
希望の尻尾と

同じ味なのに
心が違う

クロワッサンの
生 ....
空を横切るシャボン玉に映る
街は水槽の墓場みたいな
プランクトンを浮かべた光だ

高層ビルが歪んで見えるから
手が届いたらタイムカードを押して
ブランコを漕ぐ時間が欲しいな

腕時計の ....
制服のふたりがイヤフォンを分けて
同じ音楽の風に乗ったまま

片耳を横切るかすれた予鈴
真ん中でぶつかる裏声の歌

美しいものに触れるとみんな
お腹がいっぱいになりませんか

鞄の中 ....
こっくりとした
黄色の満月が

ぽっかりと浮かぶ
十月の夜

すっかりと冷えた
心を温める

まっすぐな光に
酔いしれて

うっすらと重くなる
瞼を閉じれば

しっかりと ....
滑り台を逆走するような
登り坂の多い道を辿れば
遥か向こうで石を積み重ねた
表彰台が見える気がしてた

頂上までの距離が分かっている
山よりも人生は高い場所を
目指しながら鎖を打っていく ....
圧縮された恋心を
解凍できる人は
ひとりしかいなくて

私はずっと
この人を待っていた

確信に近い裏声で
お邪魔した耳元が
震えるから安心できた

足の指でティッシュを
掴む ....
落ちる雨が洗い流すものは
インディゴのデニムと軽い約束

目尻に溜まった雨粒のうちの
幾つかは涙でできていたけど

指先の温度計が感じる冷たさを
手袋みたいに白い息で包む

夜の繁華 ....
絞り出すように
言葉を紡ぐ

賞味期限のない
ケチャップみたいに

延々と垂れ流し
血液と合流する

赤い眼差しが
落とした

樹形図が伸ばしていく
枝の数だけ
生まれる言 ....
ガラスの泡が
喉で割れる痛みを
声帯に置いたまま

350mlの缶で
山登りするような
飲み方を知った

途中で引き返す
ことのないルート

底が見えるまで
角度を変えて

 ....
ロウソクを吹く
何回かに分けて

煙が目に入り
涙を連れて行く

空っぽになった
誰も訪ねてくる
予定のないスリッパは
値札を切るまでが前夜祭だ

暖めた部屋の壁が
白い生クリ ....
遠い約束が僕たちを分ける
右側と左側に並んで
触れたら引っ込める指先の会話
ニットの毛玉を掬って投げた

白い扉で隔てながらも僕たちは
うまく距離を置いたね

思いが溢れてることを
 ....
夕陽が頭に
作る髪飾り

彼岸花みたいな
放射状に
光を向ける
赤い集まりが

顔をぼかして
くれるから好きだ

乾く前の
水彩画で描かれた
筆を使って

美しくなるなら ....
マーブルチョコなら
ピンクのクッション

青みがかった鮮やかな色を
身体に並べた棺の中で
ウインクするような恋の埋葬

ピンクのはずだった棺の色が
影を連れて来て黒に変わると

瞼 ....
目立たないように
言葉を包んだ
ガムの銀紙で
生温かく

あの爆弾は
破裂する前に
風船を作り
香りが抜けた

味のなくなった
人間がいたら
渇いた喉を
何で濡らそうか

 ....
ミナト 螢(985)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩3*18/10/25 18:21
ステッチ自由詩1*18/10/25 8:25
制服自由詩1*18/10/24 16:42
帰り道の詩自由詩2*18/10/24 8:58
ハットトリック自由詩2*18/10/23 18:11
メレンゲ自由詩218/10/23 9:44
自由詩118/10/22 19:54
ピクニック自由詩3*18/10/22 8:25
少年の夜自由詩218/10/21 9:26
自由詩418/10/20 17:14
偶然自由詩318/10/20 9:26
異国自由詩118/10/19 15:13
褐色の空自由詩118/10/19 10:17
15センチメンタル自由詩118/10/18 10:17
少年自由詩118/10/17 17:02
断層自由詩118/10/17 10:03
自由詩318/10/16 13:22
破裂自由詩2*18/10/16 10:41
聴診器自由詩618/10/15 9:12
神の椅子自由詩418/10/14 17:51
ケルン自由詩118/10/14 10:49
連結自由詩218/10/13 17:13
クレッシェンド自由詩318/10/13 11:01
無限の樹形図自由詩118/10/12 18:42
炭酸自由詩118/10/11 17:13
誕生日自由詩318/10/10 16:30
毛玉自由詩118/10/10 10:06
自由詩018/10/8 17:53
埋葬自由詩118/10/8 11:36
秘密自由詩018/10/7 17:27

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