背中を向けると
トンネルになる
黒づくめの夏服が
消えるまで

面影を見てた
数秒間に流れた記憶が
今を感じる

渡っていくのは
青信号でも
赤信号なら
止まってくれる

 ....
綺麗なものが見たくなった時
忘れたはずのスキップで進む
心は純白の雲を追いかけ
フェイクファーの鼓動を感じていた

指先でちぎる心臓の形
外側に付けて歩いてみると

どんな攻撃でさえも ....
空や海や
群像劇の主役は

絵の具では
出せずに
組み合わせた色が

青と呼ばれて
感じる切なさに
もっと近付いて
明日を迎えたい

空は変化する
海は荒れ狂う
人は思い出 ....
キリッとした
秋の空気に溶ける
甘い香りが
鼻を抜けていく

黄色信号のように
足を止めても

子供の頃から
知っている名前
惑星のような
不思議な響きが

美しいものを
 ....
台風の夜はビニール傘が
裸になるように
透明な皮膚を脱ぎ捨てるから

全身を覆う宇宙服みたいに
纏わり付いて離れない鎧が
姿勢を崩して歩こうとする

マンホールの蓋が持ち上がるなら
 ....
死ぬまでずっと
哀しみを持ち越さなきゃ
生きられない気がして
亡き人の写真を持ち歩く

髪の毛が黒くて
派手な口紅を塗った
若い頃のお母さん

どことなく私もそこへ
向かっているん ....
木々のざわめきが身体を撫でるよ
肩に置かれた手の温かさを奪った

雨なのか風なのか時間なのか
そのどれもが正しいようで
傘を差さない私を責めた

ブラウスの襟が重たくなって
羽ばたけず ....
君は視力が悪かったとしても
人よりたくさんの星を見て来た

ショルダーバッグの
マタニティマークが目に映るから
席を譲ったりできるのだろう

優しさは心に余裕がないと
分けられずに千切 ....
眠ることが
難しい夜に
錠剤を飲んで
心で溶かす

落ち着くようにと
処方された時間を

私のために
使ってくれる人

先に夜の歯車に
挟まれて
君を置いて行く
かも知れな ....
開かなくなった引き出しの数だけ
未来が閉ざされるような恐怖を
抱えたままの冬の陽だまりで
溶かしてしまおう逆立てた髪を

言いたいことがひとつずつ消えても
私はただの人に戻りたくはない
 ....
波長が合わない音楽に
置いていかれた気がして

落とした涙が
トンボの羽根の
動きを止めていると
思ったのに

ちっとも動かずに
死体だと
気付いたせいで
そこには触れずに

 ....
血や肉に変わる
栄養がメロディだった

肩で捉えた朧げな
始まりと終わりを
狭いアパートで
録音をした

仕事や買い物も
忘れがちで
それでも何ひとつ
奪われたくなくて

時 ....
片道切符で揺れる電車に
もう引き返せないと決めた心の
熱い塊がトンネルの中で
燃料となって明日を照らす

言いたいことなら溢れ出していく
後から先へと繋ぐ虹のよう

黒く光る長靴に詰め ....
黒板に書かれたチョークの傘を
否定もできずに粉を浴びた日

君と僕の名前を消しながら
ためらう心は嘘じゃなかった

楽園だと思って飛び込んだ胸には
とっくに誰かが住み着いていて
これが ....
自転車で二人乗り
映画みたいには
うまくいかなくて

悔しそうに降りた
男の子の肩を
女の子が押さえる
数秒間の

無造作な仕草が
優しく見えて

きっと人は
寄りかかりたく ....
暮れかけた空に
光る星の名を
あなたに教えて貰った

それは生きるのに
役に立たなくても
心に花咲く同じ記憶よ

図鑑と懐中電灯の
隙間を越えて
指差す方角に
位置を求めた

 ....
頭の中の
折り紙が一枚

翼を広げて
羽ばたいていく

飛行機雲の
交わる中心に
何かがありそうな
期待を乗せて

水溜りに映る
青空へ触れて

ガラスの表面を
砕くよう ....
透明な箱が
横たわっていて

埋めることも
奏でることも
触れることも

できない宇宙に
立ち向かうけれど

思い出や
CDの曲や
未来の夢さえも

空白の時間を
必要と ....
少しだけ
冷たくなった風が
両腕の周りで
遊べるように

選んだ半袖を
迷うのもあと
どのくらいかな

素肌を感じる
心地よさを知った
僕の体温は
低いのだけれど

夏の太 ....
枯れ果てながら
忘れられる花は
一年後に咲けば
思い出して貰えるのに

頭の中で回る
ダイヤのような
君の記憶は
何を照らすだろう

新しい道を
歩く人がいて
振り返ることが
 ....
ベッドの上で
もがいてるだけの
スイマーだって

100メートル先に
目標があれば
進むことができる
気がするんだよ

自販機の点滅する光や
鈴虫の鳴き声の響きだとか

青の方 ....
風をよけながら
歩く空の下

誰かに守られるような
両腕のゆとりが愛しくて

袖を引っ張って
確かめる生地が
暖かさで伸びませんように

おろし立ての
秋のプレゼントを

か ....
今日も一日
横になっていた

詩を書く時だけ
縦になっている

思考が止まっても
時計の音が
メトロノーム
みたいに聞こえて

あと数分で
眠気が襲ってくる

明日は少し
 ....
君ならいつかは
耳を澄まして

遥か遠くに
置き忘れた夢を
取り戻すために
歩き出すでしょう

走馬灯のような
景色を煽り

ノンアルコールで
覚醒した未来は
喉が渇くほど
 ....
君に会えると
言った後で
君に会えないと
嘘付く花びら

たんぽぽの
輪郭が消える頃
夜はスカートの
下に潜り込み

君に会えるまで
数えた黄色の
長い爪を集めた
花占いが
 ....
背の高い人が
腰をかがめると
近付いてくる
唇のラインは

口に咥えた
タバコの煙を
手紙のように
渡された気がして

君の目を見たから
動けなくなる

互いの姿を浮かべて
 ....
いま全てを投げ出したなら
どんなに身軽で孤独でしょうね

しがみ付いている
この一瞬も横切る風は
冷たくなっていくのに

温かい言葉を探しながら
差し出す相手が
見つからないまま
 ....
壊れない社会のジップロックで
閉ざされた心が温められて

喜びの沸点を分かち合うような
家族がいれば幸せなんだろう

目の前の線路をコピーしても
繋ぐことがうまくいかずに置いた

動 ....
漠然とした欲求の中で
表現という橋を渡っている

右手に持ったペンの感触が
やっぱりここだと思わせるほど
ノートの上で走り回りたがる

消しゴムの体が小さくなる度に
良い作品が書ける気 ....
熱を含んだ雨が空を刻み
冷たい窓に水滴を残し
レシートの角で当てると痛がり
愛に例えるとそれは君だった

ハンバーグの肉汁みたいに
汚れたものしか出てこない体を

擦り合わせてパスポー ....
ミナト 螢(983)
タイトル カテゴリ Point 日付
逆光自由詩218/10/5 18:39
外側の心臓自由詩218/10/5 10:44
カルマ自由詩118/10/4 19:58
金木犀自由詩318/10/3 17:21
UFO自由詩118/10/2 11:07
劣化コピー自由詩118/9/30 17:24
空席自由詩118/9/30 10:01
自由詩218/9/28 10:33
睡眠時間自由詩318/9/27 15:10
大掃除の詩自由詩118/9/27 10:02
拘束自由詩118/9/26 15:38
覚醒自由詩218/9/25 15:39
雪解けの詩自由詩318/9/24 9:55
僕たちの失敗自由詩218/9/22 10:30
優しい温度自由詩318/9/21 19:25
家族自由詩218/9/18 18:28
自由詩218/9/17 19:06
空白自由詩118/9/15 14:51
半袖自由詩218/9/14 17:14
最後の詩自由詩118/9/14 14:54
青の方角自由詩318/9/13 16:06
長袖自由詩2*18/9/10 19:15
寝る前の詩自由詩118/9/9 22:42
働く人自由詩218/9/7 16:23
輪郭自由詩218/9/5 17:12
約束自由詩018/9/4 19:19
独り言自由詩118/9/2 19:38
生活自由詩218/8/30 19:28
グロリア自由詩118/8/29 13:56
自営業自由詩218/8/28 11:13

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