握りしめたい
愛されなかった命を
あなたが刺さないから
棘に寄せた気持ちで
握り潰したい
緩むな心よ
和むな春よ
気高い香りのスカーフを
何枚も巻き付けて
傷跡を隠す花びら
棘より ....
和音の順番で開く身体が
ほつれた傷口を差し出す時は
ウサギの林檎が心臓になる
抑えきれない声が震えるほど
耳を揃えて蘇る気持ちを
足したり引いたりしながら育ち
出口へと導いてくれた
夜明 ....
叶わなかった人を呼ぶ名前に
瞼を腫らす涙が
膨らんだ蕾のような思いを
逆さまにしたままぶら下がってる
まつ毛の上の蜃気楼に
擦り抜けてしまう人の身体を
いつかは触れて覚えていたいよ
永遠 ....
何かが終わる人も始まる人も
無条件に襲われた風を結んで
肩から掛ける鞄を持っている
初めて身体が側にあることを
ひとりになって分かるまでは
花の形が匂いを近付けて
だるまさんのように転んで ....
レコードが回り続けて
針の先で掻き混ぜている
コーヒーの湯気と一緒に
誰かを愛した記憶が旅立つ
もう随分と昔の話を
ずっと覚えて来たんだな
フライパンに落とす卵が
ひとつになっても崩れな ....
行きの道ばかり考えて来た
あなたが帰る時を知らないまま
白い手紙に色を混ぜる朝
私の気持ちが青空になる 
会えないのに手を振って
目を合わせたような光は
先のことなんて照らさなかった
あ ....
雨のコンパスで描いた唄が
手の甲に乗せた鎖のように
水溜りを増やしていく
半径をどのくらいに広げても
踵に当たるメロディが好きだから
優しい言葉でなぞる世界に
いつの間に追い付けたのかな
 ....
柔らかい肌に触れる手は
心でカーテンを揺らして来て
余った風で話すような声が
誰かのファスナーを探そうとする
それはどこかで折れた翼を
支え切れない背中のワンピース
傷口を塞ぐことで消えて ....
私が初めて付けた口紅
まだ子供の頃だったのに
あれから少しも減っていなくて
お母さんどこへも連れて行って
貰えなかったのかな
確かお父さんが空港の免税店で
買って来てくれたもの
きっと大 ....
脱いだサンダルが戻って来る
さっき蹴飛ばした光のように
潮の道連れをピンクに照らし 
夏の端っこを避けて歩いても
トングが切れて指が挟めずに
サンダルの分かれ道で止まると
初恋みたいな伝票 ....
今まで貰って来た温もりが
冷めた頃に返事は出来るもの
手袋の上を握ったあの日
僕等の背中にふたつの時計が
見えたからもうやり直せくて 
洗濯バサミで摘まれたような
指先で関節を思い出すと
 ....
指先にフォークを握った僕を
君は優しく受け止めてくれた
酷く血を流し涙を堪えて
ダンスを踊ろうと笑い掛ける
人の手に触れて分かった温もり
こんな気持ちは青空に似ている
何かを交換したくなる ....
冷たい円柱を抱えている
これ以上は何を避けても
足を付く場所へ辿り着けずに
浮いたり沈んだりしながら
表面を撫でるシャボン玉が
割れてもまだ残る煌きを
誰かに見せるために傷付いた
寂しさ ....
どこかに欲しいものがある気がした
名前も答えも無記名のまま
テストに書いたら0点だった
夢や進路を決めなきゃならなくても
コンビニのレジには並べずにいて
どこにも欲しいものが無い気がした
 ....
喉にやまびこが届かなくなって
トンネルの前を近道するよ
錠剤みたいな苦さも持たずに
ミントのトローチ優しく積もり
熱で溶けたのか舌で溶けたのか
喉が帽子を脱ぐまで舐めていた
挨拶ができるよ ....
耳を重ねると本になるから
どのページを開いても忘れない
夕焼けを閉じ込めたあの海で
貝殻よりも柔らかい関節が
光を貰って耳たぶを落とし
抱きしめるたびに噛み付いたね
瞬間接着剤みたいな夜が ....
空には嘘を付けない気がする
ネックレスの鎖が切れても
また繋ぐような水色の風に
出会ったことがあるから
人の間に生まれる絆も
ずっと信じて良いのかな
雲の切れ間に鏡を持っていて
互いを照 ....
内気な感情で曇らせた窓を
開けてくれた君の指相撲
蓋をしたら二度と出て来ない気がして
魔法のランプを擦ってばかり
負けたフリをしようとするまで
恋に深さがあると知らなくて
金魚のように口を ....
鎧を着る人の音がうるさい
好きなのは裸のメロディなのに
君はずっと戦って来たから 
汚れなくても分かるよ
急がないように走って
転ばないように笑って
優しい分だけ冷たくなれない
才能は少 ....
線香花火のように跡が残りそうな
恋をしてる人は終わり方を知らずに
運命線が赤く見えるから
あなたとまた会える気がする
そのために壁を作らなかった
低温火傷をした日は泣かない
遠い空へ投げる ....
さよならをした次の日に歩く
理由や目的を置いたままで
いつの季節も薄着でいい
心臓の距離を確かめるために
生きている人に近づくよ
シャボン玉の帽子を被ると
お揃いの家族みたいで
割れたら ....
飴が溶けたら宇宙へ還ろう
手の中で握って離さない
歌のように忘れなかった
人のように潰れなかった
だから今日は晴れてもいいよ
いつもより耳が良く聞こえて
終わったはずの物語をまた
手の中 ....
テトリスのブロックが増え続ける
それを恋と呼びたいのに
ゲームをしたら負けてしまう
消すことのできない思いを
光らせるほど恥ずかしくなっても
イルミネーションの間に置くよ
眩しさの中にいる ....
四角い秩序が本屋に並ぶ
物語の重さを乗せて

夜空の表紙を見ると
星に隠れてしまいたくなる

この世界で光を放てるほど
誰かの指に触れたわけじゃない
本だけを愛して来たから

青い ....
汚れた街を洗い流すような
雨、そして、歌
傘の中で開くコンサートが
信号機のライトに照らされて
レントゲンを撮っているみたい
真っ黒な肺に混ざる傘の骨
私はまだ本当に咲いてはいない
濡れ ....
YESとNOの間に生まれた
ふたりの気持ちに栞を挟んで
折れることのない角を祈った

あなたと私が出会わなくなり
月も星も飾りみたいで
道は誰にでも優しくするの

曖昧でいることで強く ....
ベルトの穴のように落ちても
地下へ潜って繋がる通路が

ゲーセンの出口みたいに広がり
景品になった気分で歩く

あちこち見ながら指差されるまで
誰かのために動いて来たから

包装紙で ....
木漏れ日よりも冷たいから
慣れるのも早い都会の暮らしで

瞼の重さに振り回されて
夜の長さが一人で歩いた

さよならは何故
終わってしまうのか

もしもこの雨が痛みを
強くするもの ....
今この場所から離れていく
飛行機や新幹線のように
全てを持っていけないから
思い出に変えて胸にしまうんだ

時が経てばあの日の涙も
私を飾ったリボンみたいに
滑り台を作り未来へと進む
 ....
空き缶や地面は冷たくなるから
もう蹴るものがなくなって来たよ

足の裏を合わせて飛び出せる
ふたりのロケットがゆらゆらと

熱を重ねた新しい軌道に
幸せを乗せて不安になるほど

薄い ....
ミナト 螢(986)
タイトル カテゴリ Point 日付
ばらの花自由詩220/1/24 11:04
Intro自由詩320/1/23 8:10
明日の行方自由詩120/1/22 8:11
春の歌自由詩2*20/1/21 8:22
グッドモーニング自由詩220/1/20 8:15
片道書簡自由詩2*20/1/19 8:14
雨のコンパス自由詩220/1/18 8:19
beautiful glider自由詩220/1/17 8:11
遺品自由詩220/1/16 8:19
潮騒自由詩420/1/15 8:14
コンタクト自由詩120/1/14 20:30
異星人自由詩120/1/13 20:11
深海自由詩120/1/13 8:09
青春の公式自由詩020/1/12 9:13
工事中自由詩220/1/11 8:33
ハートステーション自由詩2*20/1/10 14:59
フェイクファー自由詩320/1/10 14:44
恋の惑星自由詩1*20/1/9 17:17
キミノオト自由詩120/1/8 8:27
線香花火自由詩220/1/7 8:29
ヒカリエ自由詩120/1/6 7:30
飴玉の詩自由詩120/1/5 7:31
モンスター自由詩120/1/4 7:55
表紙自由詩220/1/3 11:17
アンブレラストーリー自由詩420/1/2 9:57
自由詩2*20/1/1 13:32
新宿自由詩220/1/1 7:53
ホームシック銀河自由詩119/12/31 16:52
リボン自由詩219/12/31 8:49
螺旋自由詩019/12/30 12:27

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