少し泣いたように微笑むのは
幸せが消えるのが怖いから
ユキと呼んで振り返る人が
今日は君だけだと良いな
空から降るものはどうして
無くなってしまうのか教えてよ
いつか君と同時に溶けそうな
 ....
挟んだ栞を抜いた時に
鍵を回すような
音を立てて物語が始まる
決まった台詞じゃ
足りないくらい
人の心は本よりも厚く
だからこそ読み続けていられる
僕等は借りてきたように
生きる言葉を ....
飛び込める場所もないけど
誰かのホイッスルに反応して
パンにジャムはもう塗らないよ
変わっていく自分の心が
傘を広げるように弧を描くと
もう二度と会わない人になるけど
間違えたらそれでも良 ....
紙テープが切られないように
どこか遠くまで行きたいな
最終電車が去った後で
輪っかを作ったその中には
星を追い駆ける線路もなくて
カルピスの甘さが舌に残る
銀河の時間は永遠に夜を
氷に変 ....
幸せを訪ねて歩く道が良い
君の背中が振り返る瞬間
落とし物を見つけた気持ちになる
最初から決まっている物語
読む人はひとりだけど続いてく
この胸を鳴らす花の香りが
瞳を潰すほど新しい声に
 ....
赤にならなかった感情だけが
恋と呼ばれるのを知っている
誰かを許したり守ったり
淡く伸びていく春の影は
花びらよりも重なる思いが
クローゼットの扉を開けるから
人の心は明るくなるんだ
赤 ....
始まりのような終わりを迎えに 
五線譜をはみ出してどこへ行くの
音程の取れない歌みたいな
急ぎ足で試された運命に
本当は抗う力を信じてる
嘘のまま優しく傷つけても
遠くへ行けば小さくなるか ....
君はいつも太陽を握りしめ
僕の顔を見て出発すると
夏色の風を半分にして
横一列の自転車で走る
立ち読みの漫画が紐で縛られ
不自由だったから
僕等の方がきっと
世界を創りやすいだろうね
 ....
夜を溶かす飴玉みたいに
透明な包み紙の中にいる
自分の声に気づけないから
きっとこの先に続く言葉が
枕を湿らせる夢を見ても
先頭を走ることは難しい
日常に解き放たれたように
たった一度の ....
君に会う前は知らなかった
淡いパステルが重なる場所で
透ける心に手を伸ばそうとする
光と体温が仲良くなる
春は脱ぐものがないから
そのままの姿で笑っていて
僕に色を与えた人の声を
かすれ ....
塩水を一緒に舐めたりして
舌がピリピリするような味は
いつまで経っても残るものだった
マンモスの足跡が踏んだ
地層のミルフィーユを崩すから
同じ石に躓いて泣けば
砂時計の中みたいだね
ふ ....
明日は風よ吹かないで
彼方から灯火を探しに
来る人のために
どんな言葉が出口を迷うの
苦しくても辛くても
終わりがあれば少しは楽なんだ
続いていく哀しみと歩いて
途中で帰れなくなる道が怖 ....
唇が変形していくように
愛する人と折り紙をしたい
捻れた輪の中で掴む手首は
時計の針と反対に動いて
僕等は迷いを振り切って来た
恋に未来を背負わせるくらい
愚かに汚れた灰を被っても
一緒 ....
光の輪の中で天使になった
鼓動の音がトラックに轢かれて
そのたびに分裂する心臓は
耳の穴を塞いでしまうから
音を立てるように絵を描いた
底の割れたコップが空になって
遥かな距離を近くに思わ ....
夜に穴を掘るように走る
バイクの音が主役になるから
親密な青い空が震えた
テールランプと並んだ螢は
どっちも似たような光だけど
半袖と腕の隙間を作った
その部屋で遊ぶ短い命は
逃れながら ....
点と点を結ぶための線が
輪郭をはみ出していくような
新しい星を描いた夜は
手裏剣よりも遠くへ飛びたい
金平糖みたいな甘い星が
好きと嫌いとどうでも良いという
わがままなエゴリズムを作って
 ....
目線の高さにあなたが来た時
私は少女なんだと気がついた
遮断機の降りた踏み切りの外に
連れ出されるような熱い視線が
降り注ぐだけで幸せだった
有無を言わせない優しさなんて
矛盾するけれどあ ....
泣き顔を映すものじゃないと
そう願っていたのに
胸が熱くなるだけで
崩れた輪郭に涙は
白い鱗を広げて
飛べるフリをした
呼吸も足りなかった癖に
頑張る姿を見せるのはいつも
ひとりでいる ....
痩せ細って来るこの町で
生活の音がそのまま聞こえる
人の気配と安心を握った
両手はもう何も持てないから
鮭の皮を残さずに食べるまで
帰れないような気がしていた
無駄なものなど何ひとつなくて ....
柔らかい肌に触れる声は
心でカーテンを揺らして来て
余った風で話すような指が
ファスナーの位置を探そうとする
それはどこかで折れた翼を
支え切れない背中のワンピース
前にも後ろにも進めなく ....
雪が降り積もりそっと握った
白いマイクと丈夫な本音で
チューリップの唇が裂けたから
もう一緒に春を待つことはない
垢抜けた色の口紅を捨てて
サンドイッチの具を少なくする
誰かのためにと動い ....
瞳を閉じる時に
そっと回してくれた腕がある
暗闇に目隠しをしたから
そこはきっと明るい場所なんだ
君の姿を浮かべてる間に
消えてしまっても信じているよ
僕の歪な瞼に重ねた
白い花びらが守 ....
光と影の色で編んだ
窓際のブランコに乗って
強くも弱くもない体を
運んでいくまで空は続いた
通り過ぎるたびに何かを捨てて
寄り掛かるたびに背中を見せた
ミントの風に吹かれて白くなる
頭の ....
雲が解けたら雨が降り
水溜りに映る逆さまの街は
さよならを出会いに変えて染まり
追い駆けても追い駆けても
きっと太陽は沈まないだろう
秒針が動く隙間を狙って
私の心はあなたを想い
夕立が ....
大切な人を抱きしめたい
愛しい人に口づけをしたい
僕達はきっと恥ずかしいから
日本語の隠れ家を探してる
もっと軽くて証拠の残らない
気体みたいに乗りやすいもの
ハグやキスという面積が狭い
 ....
哀しみを連れた静脈の足が
絡まないように最初で解れた
細胞に涙を埋め込んでから
分裂するまでに人を許すの
その度に感情がこびりついた
メスシリンダーを数えて
汚れた色の血管は
消毒の後で ....
猫は夏と冬に毛が生え変わり
それを繰り返し快適に過ごす
僕はこれから声を変えていき
社会に信用されてしまうの
窮屈なのは制服だけにして
大切な通過儀礼に向かって
新しい声で恰好つけるなら
 ....
転んだ時に
膝を擦り剥いて
地球が凸凹だと知った
あの日の痛みが
固まってできた
ゆで卵の黄身を
青くするまで
時間が掛かっても
崩れない方が良い
地球の未来も
同じだったから
 ....
かんじきの四隅を緩めた後で
歩くのをやめて土に返すと
花が咲く時はもう春なんだ
背が低いのを悩んでいたから
地面に寝転ぶバーベルみたいに
持ち上げた空で誰かに会いたい
名前のせいで仲間外れ ....
もう遅いのかも知れない
こんな時間にベッドに潜り
捻れた布団で足がもつれた
人魚みたいに毛先を分けてる
昼はまだ遠くなどなかったから
見つめるものは空じゃなくても良い
心と同じ天気が続けば ....
ミナト 螢(990)
タイトル カテゴリ Point 日付
微笑みは雪のように自由詩120/3/17 19:15
自由詩220/3/17 8:41
方向音痴自由詩120/3/16 13:17
ミルキーウェイ自由詩220/3/15 13:41
花花(メメ)自由詩120/3/15 9:53
人間開花自由詩120/3/14 13:03
遥か自由詩120/3/14 10:03
million years friend自由詩120/3/13 16:58
ねごと自由詩120/3/13 9:45
水彩の日々に自由詩120/3/12 9:16
ファーストラヴ自由詩220/3/11 12:24
祈り自由詩220/3/11 8:15
メビウスの恋自由詩120/3/10 9:50
真葬世界自由詩220/3/9 10:31
安全地帯自由詩220/3/8 22:11
三角定規自由詩4*20/3/8 9:30
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チルドレンアース自由詩020/2/28 22:00
雪割草自由詩020/2/28 7:33
半日分のシナリオ自由詩120/2/27 8:33

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