昼のしじまに沈んでいく街に
雨はいつしか降りだして
遠退く人の足音が
カランコロンと木霊する
俺の胸のうちで鳴る空虚さが
脱力して街を覆うようだ
昼のしじまに沈んでいく街は
いつ ....
網戸越し、夜風
ひんやり肌を撫で
奥まる意識、懐かしい
終わりのない夜の訪れ
底知れぬ謎を投げ掛けて
今日という日が去っていく
無限の歳月を追い越して
また未知から明日が到来 ....
どよめく夜に
意識持つ
風がちりちり
肌を刺す
ざわめく、さざめく
わたしのこころ
今夜はこんなに孤独に耽り
己の在ることを感じている
(遠い遥かな思い出は
廻る銀河の旋回音 ....
ひとりの夜に
闇は広がり来て
静かさは増し
差しのべた手の先が触れるもの
あたたかな、やわらかな、ほのかな
溢れるたましいを浸し
ずっと、ずっと
寄り添って
無限のうねりに身を任せ ....
よる
あふれる
かなしい
ゆめだけ
あさ
こぼれる
かわいそう
ことばだけ
ひる
みちる
うれしい
ひかりだけ
壊れ物を抱くように
そっとその旋律を運ぶ
引き裂くような白んだ空
幼子の不協和音
私たちは未完成のまま生まれ
未完成のまま躍り
未完成のまま去る
翼の下に鳥が憩うとき
私たちは ....
キラキラしているね
キラキラしているね
大地を歩む人々が
降り注ぐ陽光を浴び
笑いを弾けさせている
キラキラしているね
キラキラしているね
喜び溢れ陶然と
初夏の光 ....
人が
歩いている
曇天の街を
霊性がそこいらを
飛び交っている
初夏の清々しさだ
たましいは求めている
この辺境の街角から
自由に飛翔する
その時を
時はや ....
舞い降りて来る
舞い上がり
舞い降りて来る
喜びの翼が
明るい陽射しに照り映え
二重三重に輪郭を揺らしながら
救いの天使よ、
今日こそ歓喜に打ち震え
私たちの日々の無力を
吐 ....
晴れている
ぽかんぽかんと
晴れている
飛行機雲が伸びていく
遥かな航跡が光っている
沈黙に世界は覆われて
青い青い沈黙に
今世界は覆われて
わたしにできることはな ....
抜けるような
美しさが
花開き
時が経過する
微かに
彼女の息遣い
ふるまわれる
原色の舞い
高揚し
忘却して
上昇する
下降する
もう一つの朝
もう一つの夜
もう一つの可 ....
降り続いていた雨が止み
今日は薄日が射している
おまけにうっすらあったかい
おれは胸いっぱいの共感に
包まれ街に入っていく
街では陽気なコーラスが
もうひっきりなしに響いていて
老婆 ....
揺れ動く
脳髄が
夜通し降る雨に
暗鬱と
たましいを濡らし
いくら
手を伸ばしても
あなたには届かない
雨は夜通し降り続け
魂の隙間を埋めていく
もどかしい思いがもつれ
あな ....
薄日の白い道が伸びている
わたしはひたすら歩いている
薄日の白い道が伸びていく
わたしはひたすら歩いていく
到達点は何処にもない
ただ懐かしい道のりがあるばかり
ただ憧れに充ちた道のりがあ ....
壁がある
どうしようもない限界だ
その先に広がる青々とした海原を
私たちは見ることができない
視界は閉ざされ
四月の気層の底に留まる
夜な夜な宇宙の突端に座り
爆発する星たちを見てい ....
憂鬱な地平線を目指し
私たちは恐怖から手を繋ぐ
此処には居ない誰かのために
遠く響き渡る砲弾の陰で
如何に完全に消えるかを考え
冷え冷えと目醒めていく
居着く場所は何処にも無い
ただ ....
立ち現れ
躍りやがて消えてゆく
寄せては返す波に呑まれ
無限の彼方へと旅立つ
あなたはあまりに美しく
あなたはあまりに未完成のまま
別れは突然やってくる
郷愁と憧れを木霊させ
別 ....
消えていくんだ
消えていくんだ
この壮麗な世界を
この残酷な世界を
後にして
荒涼とした廃墟へ
絶対のゼロへ
消えていくんだ
消えていくんだ
屈辱的なこの認識を受け入れ
私たち ....
今日も冷たい雨が降る
お庭で坊主が雨に濡れ
ひとりぽつんと笑っている
過ぎ行く時の哀しみは
麻痺した記憶の仄かな揺らぎ
孤独な個体を遠去けて
薄手の膜で包み込む
悲しみに満ちた逃避行 ....
今日はお寒いようで
霧雨も降っているようで
こんな日は
寂寥と懐かしさがない交ぜになった
深い哀しみの感情にとらわれます
立ち現れては踊り
躍り続け
何処からか、何処かへ
未完 ....
遠く瞬きする君の瞳が
流れ行く彗星の尾に触れて
ますます輝きを増すから
僕は遥か雪嶺から駆けおり
渦巻く思いを君に伝えよう
小さな子供が身体いっぱいに弾け
ぐるぐる野原を駆け回る
命 ....
この夜陰、
独り在ることに寛いで
宇宙の時流に乗っていく
すっと孤独に留まりながら
この隙間だらけのあばら家に
雷鳴が轟くのを待っている
境界の門が開く、その時に
意識は異界の木霊に ....
雨に濡れ
雨に立ち尽くす
あなたはあまりに未完成
過ぎた日々を取り戻すように
遠い記憶にすがりながら
神々の不在に安堵する
(もう記憶は麻痺してしまい
過去は鮮やかな像を結ばない
....
暗い地平から
せりあがって来る
あなたのたましいを吹き抜ける風
夜風には匂いがある
夜風には匂いがある
それは静かな心の諦め
誰かを愛した心の残り火
最愛の人には届かなかった
....
時は静かに遡行する
魂の源頭へ
懐かしさに貫かれ
直進する時を凌駕して
揺れるカーテン、丸まる猫
大地がカッと割れていき
遥か銀河が渦を巻く
明るく白んだ道をいく
我、たましい ....
時は春の暖かみ
散乱するノイズ
辺り一面の死体
殺戮は不断に隠蔽され
花吹雪が街に舞う
涙が溢れて
光が散乱して
此処は業火の世界
善悪の区別なく
焼き尽くされ
すべてが
灰塵 ....
ひとり見つめる青空を
透かし通した大宇宙を
あゝとてもクリアだ
わたしはひとりだ
充ちる春の街を行く
どこもかしこも光の散弾
弾ける人々の笑いは満ちて
いのちが優しく芽吹いている
....
暗鬱としたコード進行が
延々ループしながら続く
僕らは没頭しながら従う
次々開ける光景は白昼夢
明るんだり暗んだり
いずれもそこは極北の地
いずれもそこは極楽浄土
君は泳ぎだし
僕を導 ....
光を透かし彫りするような
この薄明かるい曇天に
人々は天への青いきざはしを昇る
果てに哀しい絶望を見て
果てに輝く希望を見て
一段一段踏みしめて
天への青いきざはしは
すべてを受け容 ....
ふるさとを後にして
私たちはやって来た
この足場を切断された
途方もない寂寥
ふってはわき、ふってはわき
緑の芝生にいつしか立って
思い思いに踊っている
私たちはさみしいのだ
....
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