われわれが絆創膏の王様に
流水であらう2月のカレンダー
素潜りの資格を海に返すのよ
生い立ちの代わりに脱脂綿がある
やさしさに無手勝流に触れている
地図記号みたいに大人し ....
その結露がわたしのバス停だった
生きていることは光を伴った
ちょっとした空洞にいる目をとじる
足裏にいつかの雲が乗っている
どの教室も人格に縛られる
九月のトラックが詩を運んでいく
青空が夕陽に染まるまで混ぜる
小さな鳥 痛みに触れるアスファルト
そしてまたいつか優しい夢をみる
暗闇で無音に鳴った星の影
暗闇の時間 目と言葉の間
音と音 その間にいた暗闇
時間の暗闇 永遠の夜の底
くらやみにいつも見ていた星の背中
バランスがバラバラになり薔薇になる
目を瞑るようにカーテンをしめる空
自分では分からない自らのこと
言葉の裏側に眠る虫の声
蜘蛛の糸で結ばれている壁と壁
あまりにも多くを語らない余白
なんの意味もなくて涼しかった日々
理科室の水道 メダカのうたかた
日かげでは私が白く祈っていた
手から一瞬で零れていく瞬き
教科書にない感情と立ち竦む
きみの空洞に夜空が降っている
夏のひかりで優しさを透かしてた
次元を超えて夢をみる枕元
ものがたり ともに暮らした者があり
指先に入道雲を浮かべてる
パラダイムシフトが起きたパラダイス
その星はなくなっていく 繰り返す
お話は遠くはなれて詩になって
無数の数字が詰まった無に夢中
原風景は鮮明になっていく
地頭が良さそうな地鶏の地声
きみの手の遠くにある夏 連れていく
庶民とは娯楽の嘘で踊らせて
王のみが虚無知りてなお耐えるのだ
君いつぞ王になりましたでしょうか
そう違う、だからやってはおれません
アニメイヤ。元ネタ僕と見受けられ
短歌 ....
無季自由律書くムキムキな腕で
俺の冷蔵庫魂が火を吹くぜ
タ仏という時間を司る仏
血のついでに心も盗んでいく蚊
アホになることで時空を歪めたい
宇宙人でも楽しめる恐竜展
....
あのときの瞳と見てる鐘の音
あざやかな後悔の色 好きだった
きみの飛ばした靴に落ちていく空
知らない本の中に知らない夏がある
窓の形で幸せを切り取った
眩しくて静かな庭に眠る雨
人格が曖昧なまま見送った
空が完璧じゃないこと知っている
目が覚めるまで牛を数える
あなたではない夕焼けの犬
果物たちの輝きの果て
最終回の最後に回る
考えているふりをする脳
あっけなく開くフタの静けさ
物語が終わって ....
思考の片隅でパンを食べる朝
{ルビ無意味=ないあじ}であることに{ルビ意味=いあじ}があった
窓の音 いつか冷たくなれるかな
耳鳴りみたいに、きみは宇宙を漂って
....
段落に無数の恋が落ちている
ぬるま湯に解答用紙が浮かんでる
悲しみの雨に塗り絵が濡れている
日常を綺麗と思う 思っている
おだやかな田をたおやかに耕した
綿菓子でまやかしみたいに甘やかし
降っている小雨に触れた傘を振る
生き残ったわたしが星を燃やしてる
優しい場所にひとり取り残され ....
何食わぬ顔で何かを食っていた
葉が落ちる 羽化して浮かんでいく 光
消えていく 生きていく記憶を描いて
小説を超絶饒舌に語る
たましいが日焼けしなくて悲しい
うまれる前に誤植があった
幾星霜の長さが足りない
フィクションに暮らすあの子が空想する
物心つく前に聴いていた歌
いつまでもよくわからない水の色
頬を伝う伝言ゲーム遺伝子の
文を書くのに必要な物語
存 ....
新宿がおまけのシールなのだろう
せどりを描く絵の具が必要
光ったら健康ランドにいれちゃうぞ
空が何色でも悲しい手をひらく
あの朝は何を託されたんだろう
あなたの断片が刺さりながら暮らす
存在しないから完璧なつばさ
空想を見ているきみの{ルビ瞳=め}のひ ....
きみのおなかでお金をなくす
貧打だといわれた方が幸せだ
名犬の心はどこにあるのかな
川柳を富士山頂で書いている
川柳をジャングルジムで書いている
川柳を校長室で書いている
川柳を頭の中で書いている
川柳をお昼休みに書いている
ひやむぎをたよりに地図を描いていく
箱根湯本をちぎっては投げ
左手をきそって掠う子供たち
半濁音みたいに澄んだシャボン玉
おとめ座のおとめが座り座談会
読書感想文だけを送り合う
直線に囲われ木々は困り顔
きらきらな直射日光と出掛けてる
ひさびさに見る両親はみかん色
雛形を土管の中で作れるか
迷子ペットに星を噛ませて
本物の鵺にはどだいかなわない
青色を静かに想う水蒸気
{ルビ静寂=しじま}のなかでしじみ見る しみじみと
「ふ」と「心」 少し似てるとふと思う
幸せな思い出たちと今日の雨
舵手のこと仲間はずれにしたままで
ゴールデンタイムの角にぶつけたの
ひとりごと以前と以後にわけられる
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【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
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