無表情の天使
宗教画によくいるあいつ
宇宙で起こるすべてが
偶然であるふりをして
....
浜辺から逃げたあの日に、あわてておとしたサンダルが一隻、いま、海にこぎだす、チベットに高跳びする ....
さくら、そのはなさくやひめ
おしごとはいつが忙しいのですか
ふわりと
月の中に大きな蛾
....
8 君は全裸で雲の中を飛んで
付着した雫でいっぱいだ
光を吸収しながら鏡になって
....
しおれ落ちかけたまま凍てついた薔薇の花弁にお前の名前を書いて跡形もなくなるま ....
私にとってエロとは画面の向こうで行なわれる各種ハレンチな行為のことであり
それ以外はない。それは画 ....
詩が、思いから生まれること、その思いがことばとしてあるところに、詩というものがあることをもう一度考 ....
自販機の過半数が「つめたい」に 昨日で冬は終わったんだね
高校時代を思い出した。
後輩とキャッチボールをしてる時に。
とても懐かしく思えた。
戻りたいな ....
赤い紅した微風吹いて
柔らかい肌した土の香りが
スギの種と一緒に
舞い踊る
君の鼻の ....
ふぅふぅふぅふぅふぅふぅふぅふぅふぅふぅ
こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい
く ....
悪いけれど硬質な言葉を紡ぐ機会は生憎持ち合わせていないので、絹にはなれず綿にもなれないレーヨンの立場 ....
振り上げた
右手で
雲を蹴散らせて
光りを掴む
あなたに
男は、レミオロメンを知らなかった。いや、そればかりかサラ・バレリスもブランディーさえ知らなかったの ....
マージャンに負けた
久しぶりにした。
疲れるだけで
何の役にも立たない。
農業の本を施設 ....
妻の笑い声で目が覚めた
夢の中でも笑いたかったのか
夢の中でしか笑えなかったのか
出会っ ....
いつの間に
砂浜は深く削られてしまっていて
いつの間に
潮溜まりは浅くなってしまっていて
何 ....
二〇一一年七月二十五日、僕は帰宅するとテレビをつけた
そこには砂嵐が吹き荒れ、或いは無音の世界だっ ....
年越し派遣村の村長、湯浅誠さんは
厚生労働省に真摯たる対応を求めていたけれど
村に設置されたハロ ....
ハートがいっぱいで
あなたへの想いが
わからなくなりました。
あなたからの想いも
わからなくなっ ....
朝、
窓を開けたら
そこに春があった。
柔らかい日差し。
爽やかな風。
甘 ....
ペットボトルの風車がきゅうきゅうと鳴った
日だまりの静寂
文化住宅の隅にさっと過ぎる影
いつま ....
春ですね。暖かい季節です。暖かいとこれでもかと、たがの外れた人たちが出てきますね。
春になり、陽気 ....
長い長い、ゆめが落下して
重さを忘れたわたしは、大きな幹の鼓動を聴いている
その音と音のリズムが ....
窓の向こうから 風の音が聞こえる
少しだけ暖かくなった 冬の午後
いつも歩いてる道端に
小 ....
例えば
絡まった糸を
丁寧にほどいていくように
例えば
築かれた壁を
....
よっこらしょ
そんなことばが口癖となった
ひとしきり身の回りの片づけを終えると
臨月の大き ....
校庭に伸びる影に背中を向けて
私の影は抜けていく
年老いた校門は歯をなくしてしまったのか
....
憧れのあの先輩の
おはなから芽が出ていたよ
悲しい事実
いままで つくった かんけいが 微妙に かたちを かえて ゆく
そんなとき ことばすくなに ....
夜明けの街
ビルの硝子は空を映して
深く青く
深海のように深淵のように
瞬きの度に光の差す時 ....
季節を生む長針は
花の踊りを軽やかに刻み
日常を運ぶ短針は
轟音の突風で
踊り子のフリルをゆ ....
欠けた皿や茶碗を
もったいないから、とそのまま使う
いっそまっぷたつに割れてしまえば
いや、こ ....
日はでても見えぬ季節と
なり タワァ排煙をのぼせ
葱嶺{ルビ=パミール}いよいよひかり
....
「いい人」とガードの堅い君が言う
(俺も守りに入ってしまう)
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