国道を挟んだ向こう側
その彼女はすれ違いざま
デジカメで私の方を
撮った気がした
私がそ ....
田舎まちに転居して別々の日だが 初めてわたしは見た
大通りのど真ん中で 車のいけにえとな ....
殺風景な待合室で順番待ちをしている
席を二つ離して神経質のチヨさんが座っている
ある一定な距離を ....
息を張り詰めて高まる鼓動を押さえ付けて刃先で少しだけ小指を切る感触。
頭上には遙かな空と星 ....
なにもない。なにもないということは、なにかとなにかの間であり続けること、間を巡り続けること、遊行す ....
部屋の片隅で
ぼくらを見回して
夏を切り刻んでいくマシン
どこまでも薄くスライスして
やがて ....
――Sに
すべての結果に原因があり
物事は (心の中の事象でさえも)
....
はたらけど
はたらけどと言う
ほど働いてないし
僕が天文学者だったら
と
その星帯の向こうの
カロンを指差しながら
あたしを見た
....
朝から風鈴が鳴るも
どこか寂しげなその音は
いつもよりも小さく
張りがなく聞こえる
昼に ....
空を眺めてると
涙が出そう
って君は嘘をつく
ときどき
そういう意味のない嘘が
心地よく ....
金色のマテリアと乳白色の幼体群を格納した、
寓話の種「蜂」の巣を模したかのようなジュンク堂書店で
....
蛾に生まれたかったものが紙に生まれて
灯りのそばにじっとしている
葉の波が
聞 ....
夜になると風が出て
{ルビ毬栗=いがぐり}は落ちてゐた
次々と
加速されて
硬 ....
昆布の匂いがする、と
おんなの言うままに
おとこはそっと確かめてみる
漁師町で ....
今日の夕日は
今にも落ちそうな
線香花火のよう
ポッテリふくふく
ジラジラ燃えて
せみ ....
瞬間に
こみあげて
にじんでく
つぎつぎと
(ドキドキと)
君 ....
幼い記憶の空色は、濁りの水色になり
広がる青の頭上は、電柱を伝う線と線に狭められ
僕らの居た場所 ....
完全無欠に死んでいく
鮮血の輪舞
自傷行為をしているの
誰かを傷つけないように
絶対零度 ....
体内に血が流れている
認識はない
だが複数の血が流れている
認識はある
血を採られ
....
{引用=
岬の外れの
少しはなれた樹の陰から
長い髪に揺れながら
無防備な天使の仕草で
....
空間が歪んでいる
時間が熔けて耳から流れ出る
血と肉片の雨に刻 ....
いつの間にか聞こえなくなってた
あなたの歌声
いつの間にか見えなくなってた
あなたの笑顔
....
陽炎の立つアスファルト
あなたの飲みかけのコーラ
受け取りためらい無く口をつけるペットボ ....
夜中、それは終電直前のことでした。
彼女は
電話しました
彼 ....
涙を流した分
人はそれだけ大きくなれるから
泣きたい時は素直に
泣けばいい
でも
涙を ....
春夏秋冬の地下へ戻っていく 盲人たちの楽団。
揺れる地面。マンホールの蓋が吹っ飛ぶんじゃないかと ....
振りかざす
そうして 人は
繰り返す
攻守で 塗り変える歴史
その槍をもって
全てを貫 ....
足がぴょこんと、出てるよ?
気付かないのかな。
うん、それくらい暑くてくらくらなんかな。
夏 ....
夢に、夢に向かう背景には
軽く弾んだ音楽が流れていくので
踊ります君が、君として充分になるまで
....
地下道を歩く
僕の器官と
地下街の構造の 共鳴
................. ....
コンクリートの森で
遊ぶ子供は
四角い空をみて育つ
贅沢な大人は
退屈をお金で買って
美し ....
中学の担任(A先生)が話した話が一つある。 それを紹介したいと思います。
夏休みに入る前に担任 ....
夏休みも、
もう
終わりだね。
....
そう
という言葉の中にいくらか予感してほしい言葉
プール内プール
アフリカの中のレソトのように ....
金魚のいなくなった水槽
水だけが循環している
もともと
おしゃべりな生き物ではなかったけど ....
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