子供の頃は
色んなものになりたかった
マジシャンとか
ミュージシャンとか
シャがつく ....
暗い窓枠の隅で
夏虫が遠慮がちに
ヂィリヂィリと鳴いていて
OA機器の明かりは
てんでば ....
もう感じない夕陽の綺麗さ
もう感じない蝉のはかなさ
もう感じない川のせせらぎ
もう ....
空気を吸い込むのでさえ
精一杯に力を込めなくては
ここでは何も掴めそうにない
五反田の駅を ....
僕は水滴の海の中にいるらしい
あれからずいぶんと辺りに溜まりだして
毎朝、水没していく海岸線を眺 ....
あと2時間半後、僕は天使になる
デフラグの手続きを済ましたら
戸棚に入れてあるスナック菓子から「 ....
1、
ある朝起きたら母さんが
顔を剥がしていた。
止めようとしたけど怖かったから、柱の ....
ぼくは詩人
無は存在し
それは有の存在と
連続している
今日もまた
夜の散歩を ....
海で眠る
大きい貝は見えない
貝は大きいから見えない
貝は大きいから見えない貝だから
....
死んだら楽になるのなら
精一杯生きた人だけが
死んでいいんだ
がんばって
がんばって
....
犬の耳がわたしを駄目にする
駄目になったわたしは
大きな桃になって歩く
途中遠回りして
家族 ....
みずうみ、の真ん中にたち、わたしはいっぽんの樹になる。
ふいていく風、わたしの身体をつきぬけ、 ....
遠く 向こうの空を追いかけて
時折見せる少年っぽい優しい笑顔
欠けた歯がチラっと見えてい ....
空中に浮かぶ銀の紐
綱渡りする道化師が一人
バランス棒を忘れたと
誰に言わずもなが泣き目のアー ....
シソの茎は四角い
スミレには出っ張りがあります。
ナデシコは二つの葉が一緒に出ています。
モミ ....
フライングベッドが再度あらわれて深い眠りを焦がしてしまう
4ゆびをテーブル上で交差するあな ....
いつかの冬に、どこだか遠いところへいった。
帰りは夜行バスで
何度目かのサービスエリア
昨日知 ....
サンドイッチマンがはさまっていた
紫外線とアスファルトのあいだに
商店の右通りと左通りのあいだに ....
空は虹色に溶け
得体の知れない甘さが
いちめんに薫り立つ夏のゆうぐれだ
長い夏のゆうぐれだ
....
満月ぽっかり
いや
ぽっかりじゃないな なんだか
もっと
おろーん
満月おろーん
い ....
突然、閉所恐怖症ですか、
と聞かれ
慌ててそうじゃありませんと
笑顔を見せる
笑顔を見せたっ ....
いつも通り
夜のなかに手をつっ込み旋回
ぐりぐるぐるり ぐるん、
感触は鈍い温さを保っ ....
気になる
気にする
木になる
木にする
おなじ「キ」なのに、「木にする」はお ....
彼はその瞳に少しだけ
太陽をば持っている
病んで止まない人たちを
....
ぼくは詩を書きたい
つながりというものに
明確さは必要ない
今日もまた
朝の散歩 ....
曇りの幌につつまれ
ふたたび生まれ ふたたびねむる
陰に刺さり
縦にかがやき
....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり
小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ ....
南へ行こう 星が生まれる場所に
誰にも知らずに たった1人で
地図も お金もいらない
....
私が信仰している運命の女神について。
別に彼女を敬っているわけじゃないし、他人に信じろと強要す ....
銀糸雨が空に
幾度も、線を弾き
鉛をかじった蜘蛛が
身体を溶かして
あの青い蝶を待っている
....
つまりは現在、街灯が必要な時間
月は夜露に濡れ
よりいっそう鈍く輝くのに
ぼくの周りは ....
公園にロケットがあったから
娘と乗った
ぼくの足は地面についたままだが
娘はすで ....
かたく閉じた両耳が震えた
ぐらつくほど景色は紅く燃え
わたし舟、かすかに揺れた気がして
しばら ....
想像が織り成す有限の優先席
わだかまりに組み込んだ数々の感情と
何か言いたげな己の細い口元と
....
陽射しはとても強くて
カーテンなどやすやすととおり抜けて
部屋を照らしだしている
テー ....
風に揺れるは夜
よせてはかえす 幽霊船
もうどこへも行きたくない
惑星帰りの顔色で
....
夜は世界の焼け野原
焦げついた空の
薄靄を漂う光
巨人の左目は瞬き
夜は断続的に失われゆく時 ....
斜めに射し込む陽
赤と青が溶け合う
海 漂う船
暗闇の中
生まれ落ちた光
焼き消された ....
月は
硝子に描かれた設計図なのです
半透明に、透明に
あるいは暦のように
時は
暦の影 ....
4年と言う間待ちに待った夢の舞台に
我等が代表が望んだ
数年前まで弱小の国との対戦
....
時空が虚構であることを
何故
僕たちが知らなければならなかったか
知らぬことが
一つの特権で ....
今晩も私のご主人様がお話してくれます。
会社で何があったとか、友達がどうだったとか。
私 ....
矢継ぎ早に
新月は降り注ぎ
縫い針がまたひとつ
遠雷に濡れている
吟醸の名を濁さ ....
遊ぼう?
ふわふわのなかで
もっと。もっと。
守れなくなる日まで
離れないで ....
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