2003年4月に今の形の現代詩フォーラムが稼働し始めてから、後3か月ちょっとで11年になります。
自分は2005年頃から参加させてもらっているのですが、
思わず「え?」と声に出してしまいそうになる月日の経つ早さ。
ちょっと信じられないところです。
厳密に言うと、パソコン通信のニフティサーブ上で、
現代詩フォーラム(片野さんシスオペ)が生まれたのは、1997年ということなので、
それを含めると、さらに長い長い歴史がここにはあるということになります。
そんなわけで、フォーラムにはせっかく古い作品も残っているのだから、
埋もれさせることなく多くの人に読んでもらいたい…
ということで、自分なりに印象に残っている作品を11選んでみました。
だいたいが5年以上前の作品です。
10年経った時やれば良かったとか、あと3か月待てよとか、
脳内であれこれ声が聞こえますが、今このタイミングで
レコメンド欲が湧いてきたのだから仕方ないということで。
一応感想みたいなものをつけてますが、
そんなのは放っておいて、まずは詩を読んでもらえれば幸いです。
きっと心に残る作品があるはず。
(何人かの方は、作品発表時とはハンドルネームが変わっていますが、
ここでは今の登録名で紹介させていただきます。)
それでは。
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「おはなし 1〜50」 / MONKさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=10872
短い短い文章の中に生まれる物語の数々。
思わず吹き出してしまうようなものから、しんみりとした余韻の残るものまで、
どれも吸引力が半端ではなく、50篇一気に読めてしまいます。
その力強さを引き出す発想力と語りのうまさに感服するばかり。
MONKさんが生み出すアイデアの洪水、という点でいうと、
「君に充てて」もおすすめ↓。未読の方は是非2作合わせてどうぞ。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=47350
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「スチュワーデス・ケイコ」 / たもつさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=18269
たもつさんの作品は自分の中で候補が多すぎて悩みましたが、印象の強さでこれを。
中盤からラストにかけて、頭をわしづかみにされたまま飛んでいるような感覚。
ともすれば破綻しそうな危うさがあるのに、最後は胸の中にすとんと落ちてくる、そんな心地よさがあります。
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「花を植えたい」 / 霜天さん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=66110
霜天さんの詩を読むと、いつも目の前に特別な風景が浮かび上がるのを感じます。
この作品は特にその色が鮮やかでした。鮮やか、といっても白なのですが。
いつまでも眺めていたい景色がここにあります。
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「せかいをいきる」 / 吉田ぐんじょうさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=167266
日常を描かせたら右に出る者はいない、と勝手に思っている吉田さんの作品。
誰もが頭の片隅に抱えているような心情が、思いもよらない視点から浮かび上がってきます。
ゆっくりとカーブを描いて到達する、その着地点がたまらなく好きです。
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「上海された」 / 石畑由紀子さん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=11699
冒頭から一気に持っていかれます。
「上海された」のフレーズを強烈に印象付けながらも、
周りの言葉たちが決して死んでおらず、むしろ生き生きしているのが凄いところ。
特に最終連は胸に残ります。
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「腕」 / アンテさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=30157
好きすぎるとかえって語りづらい…
ありきたりな表現で申し訳ないですが、ひどく優しくてひどく残酷な童話のよう。
これが気に入った方は、是非アンテさんの他の作品も目を通して、
その物語の世界に浸っていってほしいと思います。
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「チカテツの日」 / ---さん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=61853
タイトルからは想像がつかない言葉の広がりに、
緩急つけたスピード感が相まって、
はっとするようなエネルギーを生み出しています。
おいで!からの怒涛の流れが圧巻。もっと読まれてほしい。
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「黒い海」 / 真山義一郎さん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=248717
かなり個人的な理由もあるのですが、自分には強烈に刺さりました。
同じように感じる方も少なくはないはず。
「零れ落ちていった」ものと、「いつか」のことが、頭の中で揺れ動きます。
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「神保町にゆきたい」 / ZUZUさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=65917
神保町に行ったことがあろうとなかろうと、
この詩を読めばもうそこへゆきたくなってしまう、そんな熱量。
ラストの「神保町なら」がいい味出してます。
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「砂原に」 / リーフレインさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=115313
語ることが無いということが物語っているもの、その大きさを感じます。
じっくり噛みしめるようにして、何度でも読み返したい作品。
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「食べてきたものたちへ」 / k o u j i * i k e n a g a さん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=3286
単純な言葉の羅列が、どうしてこうも雄弁なのか。
心地よいリズムの中で、
食べてきたものたちへの想いが積み重なっていきます。
消化したものもしきれなかったものも、この中にある。
そんなことを感じます。
*
以上です。
一つでも、良いと思える作品に出会っていただけたなら幸い。
ついでに、各作者さんのページやポイント順リスト、レコポエ、ランダム機能なんかを使って、
自分で過去詩を漁るきっかけにしてもらえればさらに喜ばしいです。
宝の山↓(ランキングが月間制だったころのものは、良くも悪くも上位が目立ってます)(右上で年度切り替え)
http://po-m.com/forum/menu_p2003.htm
レコメンドの山↓
http://po-m.com/forum/threadshow.php?did=87976
http://po-m.com/forum/threadshow.php?did=15390
ランダムの海↓ (ブラウザリロードしたら次の詩に飛べるので、けっこう使い勝手良いです。)
http://po-m.com/forum/randdoc.php