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即興——午前二時の澪
悠詩

うつつを指でなぞった先に悪夢があるというなら
夢日記をしたためよう
意識下で作り出した硬く尖ったガラスの破片は
握りつぶした血を舐めてこそ報われる
否、結晶の降り積もる夜こそ
月明かりは正四面体に時の狭間の音を奏でる
窓辺はこんなにも近いというのに
手を伸ばすことすらままならず
檻の深さを知らぬ者は
朝のコーヒーになんの疑いも持たない

溶けた破片から虹を作るすべを
とうに忘れてしまったのだろうか
燃やした夢日記の涙が
おのれを消し去ろうとするならば
悪夢なんて見る意義は
そもそも見つけられやしない

なぞった指が止まる境界線

その寓話をつかさどる語り部が燃え尽きようとも
雫は足元にたゆたい続ける
いっときの幻に吐息を漏らす身を
漣はくすぐりやまない





自由詩 即興——午前二時の澪 Copyright 悠詩 2007-09-17 02:21:49縦
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