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空の割れた日は
なんでもない午後の水面が
微風にそっとゆらいだくらいの
静かな頃で
お気に入りの帽子を
どこかに置き忘れてしまった
隙間から、パリンと
音を聞いたのは私だけかもしれない
 ....
さらり、さらり
さら
さら
さら

もう少しで越えられそうな
海辺の砂の城が
指を折る度に
遠ざかっていく

懐かしい人の声で
ここから離れることのない
耳の奥で鳴り続ける乾い ....
現れては、消える
どこか遠い宇宙で
星がはじけるように、生まれるように
現れては、消える
深い
深いとだけ言える心の水面の縁に腰掛けて
切るようにしてつま先を遠くへと投げ込めば
それは確 ....
静かな朝には開いていく
手のひら
両手で作った部屋に
吐き出せるだけの息を詰め込んで
冷たい朝を胸一杯に仕舞う
これ以上ないというほどの儀式
つま先が浮くほどに


ここから一日にな ....
その名残はもう届かない位置で
懸命に手を振りながら明日に挟まれていく
折り重なり、押し寄せる毎日の隙間
風化する
足跡はもうどこにも残っていないから
辿ることも
手を伸ばすこと、も

 ....
春を装ってあなたの溶けていく先は自由落下する崖のような場所
僕らはそこへ向けて、手を振る
気の済むまで落ちてから
何事も無かったかのように泳ぎ出すあなたを
僕らはただ、手を振るだけ


 ....
いつからか
いつだって

夕暮れにはどうしたって寒さを感じてしまうので
羽織るものを探して
溶けるようにして逃げ込む家並み
指先の冷たさで、触れると
いつだって君は飛び上がって
降りて ....
名もない川のほとりで僕らは何も知らずに生きている


いつかの雨で水かさの増えたその川の
どこかで誰かが流されたらしい
虫取り網を持った人たちが
すくって助けてあげるんだと
張り切った手 ....
おはよう
で、今日も誰かが溶けていく
それでも、空を見上げることを止められなくて
いつの間にか、あちこち穴だらけになっている


使い古しの気持ちを手紙に残して
あなたもすっかりと溶けて ....
さわれそうなほどの青、空
心音の近くで
水の流れる音がしている

少し、痛い


大気圏の底辺で沸騰している僕ら
水を注いでみると、遮断機が下りて
通過していく何かがある
夕暮れに ....
さようなら、晴れる人

暮れ際の暖かさ、名残、手のひらの名前を
呼んでいる、聞いている、思い出している
花びらの震える下で潜り抜けた門を
指先で触れるくらいの気配で通り過ぎる
一度過ぎた言 ....
空を

どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている

今、この辺りで



いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
どこにでも
約束は無いとして
真夜中で
月の沈む場所
緩やかな寝息で
どこへ落ちていく私にも
約束できる
ものは無いとして


少し
はぐれる


月の端を狙撃して
落ち ....
そうして
僕らのこれまでの順路を
紙の上に書き出してみる
その上に雲なんか浮かべたりして
無駄に力を入れて笑ってみたり




過ぎ去ったあとで
自然に昔話ができれば
それはそれ ....
たとえば、庭に米粒を撒くこと
集まる鳥たちの名前をよく知らない
色、とりどりに、鳥
天空から降ってくる音
羽ばたく、空
それさえ分かれば、自分のどこかで
満足している誰かが在る

遠い ....
我家は回転している

円く伸びた廊下
振り返っても、そうでなくても
伸びていく先は同じこと
春夏秋冬
西側の窓からは
明るさが注がれます

真ん中では居間が
ごうんごうんと音を立て ....
人の少ない下り電車で
少しずつあの日へ帰っていく
遠いことへ、遠いものへ
車窓の景色は少しずつ背丈が小さくなって
昼の下る頃に
誰もいない
四角い空間は
ただ、がたがたと響いた
それだ ....
いつか来た道を


なぞる度に消えてしまう
机の上のあの地図は
濡れたままでいる
一番と名前のついている街には
今もあなたが
住んでいることになっている

い、ろ、は、で振り分けら ....
夜の真ん中の
縁をなぞりながら
影だけの月の
少しだけ零れる明かりを
晴れることの出来ない日
ここでも
傘だけは、ある

夜に、越えられずに
息の詰まる深みを
ゆっくりと
息を入 ....
一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう


ぼくらは、たまに
どうしよう ....
僕のお気に入りのフレーズは
もう届かないとこにある

青くて、青い
静かな朝を
飛行機が筋を引いていく

ゆっくりと吸って
吐く
そんなリズムだ
忘れることも出来ないくらい数え続 ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
深緑の
深くなる光を
鉄筋コンクリートの箱の中から
眺めています

時計の針は
ここを刻むと
それ以上は動かなくなるのです
取り残されるように
私と空間は


どこか
こころ ....
草原の秘密基地
今はもう影だけで

虫取り網を振り下ろす
残像が目に焼きついた
夕暮れの蝉時雨を
いつまでもそこで聞いていたっけ


通りすがりの車窓から指差した
この草原は僕なん ....
窓枠から漏れている気持ちを
ガムテープで目張りする
それで安心かというと
そうでもないらしい

困ったな
僕はそれ以上のすべを知らない


進みようのないことを
あれこれと堂堂巡り ....
僕の隣を35度線が貫いていて

本線から外れたところで
あなたがうつむいていた
ような気がして
振り向いてみると
変わらずに
距離は隠してしまう


あなたの隣を36度線が貫いてい ....
雨の日に
長靴履いて
出掛けると
街は水没していた

どこへ行っても
ざぶざぶと
音がついてくるので
大好きな傘を叩く雨音が
いつまでも聞こえてこない


大通り
だった場所 ....
その路線の終着駅は海沿いで
寂しい駅舎には
潮風が染み付いていた

流れている景色が
ゆっくりと落ち着いて
溶けていた車窓の奥で
海が空にゆれている

向かい側の席から
ゆっくりと ....
雨に煙る国道は
遠く空との境が曖昧で
その上を僕等は はぐれないように
線を引きながら

雨に迷うのはここでもあなたで
いつのまにか迷っているのは僕だったりして
ここまで迷ってしまうのは ....
からころと音のする
そんな欠片が散らばっていて
拾い上げると色とりどり
思い思いに光を反射している

広い砂浜
両手を広げても足りない
誰もいない静けさは
ただ波音を響かせる


 ....
望月 ゆきさんの霜天さんおすすめリスト(100)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空の割れた日- 霜天自由詩1405-5-17
少しだけ寂しい音に- 霜天自由詩705-5-15
日々のゆらぎ- 霜天自由詩1105-5-10
冷静な時間- 霜天自由詩305-5-5
僕らが消えてしまったころに- 霜天自由詩1305-5-2
装うあなたの- 霜天自由詩205-4-21
連なる青- 霜天自由詩805-4-14
ほとりにて- 霜天自由詩505-4-3
水溶性の、誰かの- 霜天自由詩2905-3-29
浮上未遂- 霜天自由詩1005-3-27
さようなら、晴れる人- 霜天自由詩1305-2-20
いつか、忘れるという日のことを- 霜天自由詩1605-2-13
真夜中の隅- 霜天自由詩1205-2-8
通り雨が過ぎても- 霜天自由詩1505-1-30
鳥の音、遠い声- 霜天自由詩605-1-8
マイ・メリーゴーラウンド- 霜天自由詩304-12-23
大きなケヤキのある公園へ- 霜天自由詩1204-11-26
地図に描く空- 霜天自由詩604-11-13
月曜の夜の晴れない日- 霜天自由詩1004-10-13
故郷日和- 霜天自由詩1804-9-30
ブルースカイ・ブルー- 霜天自由詩604-8-26
凪いだ8月- 霜天自由詩2504-8-5
どこかの折り目を- 霜天自由詩1404-7-5
夏の引力- 霜天自由詩1004-6-29
流れ_零れ_落ちる- 霜天自由詩1004-6-25
35度線- 霜天自由詩1104-6-23
世の中- 霜天自由詩404-6-7
終点- 霜天自由詩604-6-4
雨の国道- 霜天自由詩804-5-24
からころ- 霜天自由詩2104-5-20

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