雨の国道
霜天
雨に煙る国道は
遠く空との境が曖昧で
その上を僕等は はぐれないように
線を引きながら
雨に迷うのはここでもあなたで
いつのまにか迷っているのは僕だったりして
ここまで迷ってしまうのは
雨のせいとも言い切れなくて
手をつなぐ
雨の国道はすべてが曖昧で
空も並木も連なる家も
そこにあるはずのカーブも見えない
確かだと思ってたのは僕だけなのかもね
不思議と車のない静けさに浸る
傘の下の包まれた空間は確かに僕等のもので
迷うあなたを導きながら導かれて
つないだ手で線を引きながら続いていく