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もう1人の自分を
親指で創りだし
自由に遊ばせてみる
どん底に落としたり
夢を与えたり
凡人のクセに
ありふれた毎日を嫌う
もう1人の自分が
手に入れたのは自由
遊ば ....
窓枠の内側に、かすかに、雲が映っていた
薄い生地で出来たカーテンで
僕は太陽の光を避けている
あの雲は、どれほど遠くまで行くのだろう
どんな風で?
カーテンの隙間から漏れる光は、 ....
暗い茂み
あんぐりあいた夜の口
静かに入れば夜の国へとつながっている
夜の国はほんとうの国
隠していたことがはだける
恋人たちは夜の前に身体をさらけ出し
闇の色に溶ける
寂しい者 ....
目を覚ました時には
世界は満ちていた
あなたのあいが溢れだして流れ出して
私は土にしがみついていた
あいの量を覚えてあなたは
それを注いだ 朝に夜に
私は垣根をめぐりながら咲き方を考え ....
悲しい音は置いてゆこう
きっと二人で歩めるから
君が痛みの壁にぶつかって
泣きたい夜がきたなら
私が傍に居るから大丈夫
樹木の葉が茂る季節も
大地が白く塗られる季節も
私は傍に居 ....
夜の揺らぎの隙間を埋めるように
単調な音楽が鳴り響く
傷ついたレコード盤
あ行の旋律
は行の音階
誰にも聞こえていない
誰も聞いていない
真昼の顔を脱ぎ棄て
裸の肉体を擦り合う ....
13歳冬休み
石油ストーブの温もりで
まどろんでいた
こらから何が始まる?
いつから始まったんだろう
気付けば恋や仕事にのめりこみ
混線した人・世の弦に
張 ....
言葉ではない仕草
景色を眺めた貴方は
その判別を迫られ
男と女とが別れた
それを見た私は
白紙の上に呼び戻し
無理矢理に舞わせ
飽きるに任せた
別れとは終わり
永久に心中は
....
よるのそこにはやわらかなひかりがしづんでいる。
ひかりのまわりのよるはあさをはらんでにごる。
わたしのめはひるのひかりににごり、よるのやみにせをむける。
ほつほつとひろがってた ....
君と丸いテーブルで食事をとる。
周りを子供がくるくる回る。
君と丸いテーブルで食事をとる。
子供たちの服がゆらゆら揺れた。
ひらひらひらめいた。
昔はこうやって遊んだ。
口に含 ....
いつもよりはやい積雪に
枝ごと晒された 紅葉
雪と呼ばれるものが
灯る頃までには
枯れているはずだったのに
白くあつい力が強くかかる
やさしく包まれても 落ちるのは
雪と呼ばれる ....
秋の朝
濃い黄いろい道を
ゴルフ場へと向かう
きょうは暑くなりそうだ
秋の夕
青くて灰いろの道
ゴルフ場を後にする
つった足でアクセル踏む
僕は ....
先人の魔法はもう解けてしまう。
耳を塞ぐことも部屋に籠ることもせずに
銀河系で唯一僕でありたい。
割れてしまった心の片割れは
少しばかり軽くなって
今も僕を乗せる準備をしている。
*
....
新しい日
未来は浮かんでこない
過去はまた遠ざかって
一人戸惑っている
悪い予感
いつもより夜が濃くて
ぎこちなさが肌に触れる
半分の月
変わることはない
変わらないもの 変 ....
獣のように吠えられたら
どんなに素敵だろう
誰もいない夜の森の中で
空気を荒く切り裂き
全てなぎ倒したい
どこにもいけない
なにもわからない
さみしい
たすけて
そん ....
「観」
部屋の片隅に置かれたポトスのように
見落とすことも出来たはずなのに
僕はうっかり君と正対してしまった
君のいとおしい傷跡を観てしまった
「葉」 ....
夏の夕風が さやかに
吹きぬけるような
誰にも優しい きみだから
生きる重さを手に さげて
心をいためて ばかりいる
会えないときは、なおさらに
名もない星のような 孤独や寂 ....
私は夜が好き
静かで
虫の声が聞こえて
眠れないときは
月明かりの中で
散らばる星座を
ひとつひとつ
確認するように数えていた
私は夜が好き
星の光が薄れる程
月の明かりが強い ....
あまくなった
熟れた私は
のばしかけの髪を
洗う。
したたる
雫をなめてみて。
りんごの
香りがするよ。
モーツァルトを聴いて育ったりんご
のように
あまい
からだ。
....
090904
如雨露の穴を
塞ぎ
声の漏れるのを
止めたのは
昔のことで今は
穴も無くなり
クシ形のスリットになってい ....
季節外れの神社に
十歳の僕と親父が歩いてゆく
親父は何もしゃべらない
僕も黙ってついて行く
参道の階段には銀杏の葉
黄色い黄色い石の道
段々を上って一息入れる
親父の肺は一つしかない。
....
夏の終わりを惜しむ人がいる
勝手にエアコンをつけて
夏を拒絶していたくせに
夏の終わりの
さみしさは感じているようだ
夏は夏らしくしていたかっただろうに
異常気象とやらの
まわりの勝 ....
どこにもいけないわたしがいて
どこにもいけないきもちがあるの
なんにもならないことは知っているけど
なんともならないわたしがはがゆい
うまくことばにできなくて
うまくつたえられなくて ....
無知な人たち、と
父の生家に唾を吐き
母が消えた
時の区分は夏、そして
秋にも依然、消えていた
秋の再来
消えている母
九月は母の誕生月
父はきちんと知っていた
本日、九月の二十 ....
夢のいた場所に僕は行くよ
幻想だとしても僕は行くよ
愛する人を忘れはしないよ
また会えると信じているよ
風に吹かれて どこまでも行こう
誰かが笑っても かまわずに行こう
大切な ....
正式に眠った事がなくて、寝転がって朝まで目をつむる行為を
「寝る」だと思ってる人がいるかもしれない
ただ他の人の見よう見まねで「昨日よく寝れなくてさ」とか
言ってるかもしれない
まっすぐ流れる川の向こうに
大きな病院はある
窓の灯りはみな消えて
無言のままそびえたつ
月あかりがわずかにもれてくる病室で
眠れない乳がん患者が
隣のベッドの寝息を数えてい ....
橙色に照らされた木造二階建てのアパート
蹴飛ばせば簡単に壊れてしまいそうな垣根から
紅色の白粉花がその艶やかな顔を出す
やがて来る闇に飲み込まれてしまう前に
黒くて固い種子をてのひらに ....
過ぎていくだけの
愚かな日々
憂うだけの感情で
私は何を
掴むというの
求める人の温もりが
私の心を刺す
俯いた背中に
涙した心は
不器用故に
素直になれず
自分を押し殺した ....
光来の海に
想うまま 焼けた砂を飛ばせば
来歴は誘われ
まばゆい白波が綾なす 潮騒の天覧模様
小さな島の
漁師の若者と海女の娘の
恋物語
しのつく雨がたたく嵐の午后は、導きの
....
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