のまど
Tsu-Yo


いくつもの停留場が
いっせいに
羽を広げ
南の方へ渡って行った
停まるべき場所を
失ったバスは
大人たちの口から口へと
走り続けている
高層ビルが突き刺さった
地平線の向こう側
人々はもう
何処にも行けない
気の早いタンポポが
春を待たずに
綿毛を飛ばす
少年が新しい角度へと
旅立っていく





自由詩 のまど Copyright Tsu-Yo 2007-08-07 15:44:32
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