すべてのおすすめ
千本 の 針を
つないだ 蒔絵
朝焼け に溶け出す
真っ暗 な朝
骨 の 隙間に宿る
鈴 の 声
つながれて
つながって
心 に まみれた
火傷 のよう ....
まつげ の隙間
に からから
閉じた 指
そっと 痛いくらい ひろげて
輝く どんな 言葉 よりも
たゆとう どんな 海よりも
この 指 の谷間 に吹く 風よ
....
手が届きそうな低い空を
逆光に輝く雲が流れる
私は何か恐ろしかった
歩く犬の眼が不吉だった
堤防の道を愛想笑いで
私は歩いていたと思う
濁った ....
あ
つきゆびは
いたい
流水になかゆびをひたして
いたみを
あらいながす
つきつきしびれ
あかくはれる
命のいろはなかゆびにあつまり
みずにひえる
ひじの
てくびの
そ ....
ふうわり 心地よい うたは
ふと めをつむり 眠くなり
つらぬくような つらい詩は
ぼろぼろ 泣けて 目が霞む
胸のあたり に くすくすと
笑える詩 には 逆らえない
....
木々から 溶けていく
生命線 の から傘
涼しげ な 場所で
やけている 氷は
春 のすべてを 呪い
遙 だけに 往きたくて
のばされた風に 溶けて
みつめる ....
踏み にじられた
柔らかい 道の草
白線 から 下がらず
垂れた こうべ 晒す
助けて 下さい と
死にたくありません と
誰も 聞きたくないのだ
誰も 幸せに ....
窓枠から遠く、鴉の発音から
鴉の翼が発生して
西の方角、地平線に降ってゆく
黒い花火があったとしたら
こんな風に
ゆっくり悲しいのだろう
この手の中の窓枠を忘れず
この手 ....
あのね もう
いけないと おもったの
だって どろだらけで
おひざ も いたいの
こんな きたなくなったら
あそんでくれないと おもったの
でもね どうしたのって
....
もう 遠くに 届いて
行ってしまいました
誰の後を追って
なだめても
すましても
輝けない かぐわしさ
ぽつ ぽつ ぽつり
とおく とおく まもなく
いっ ....
ふんじゃった
でも
みれない
かたい ような
ちいさいような
うごいてるような
どうして
うごけないの
ねえ
にげないの
結婚式で 打ち上げた祝砲
幸せを祈り
永遠を誓い
襲撃と 思った米の飛行機
爆撃そして
みなごろし
ニュース番組の中
子供も女の人も男の人も
棺に しがみ ....
とじかけた そら
あなた は いく
どこか へ ながれ て
だれ も いなく なり
どこ も
いつ も
さかせ て いつか
あなた は
ゆく
つぶやくように
こみあげて
ながれて は
いかない
さからいなさい と
て をにぎりしめる
つけっぱなし の
けいこうとう
うすい かげり
たたまれ ....
電線に止まって
人を見下ろす鴉
でさえ貴女の
髪の黒さに憧れる
夜空のように
貴女の黒髪は深く
そして遠い川のように
流れている
無邪気な子供達が
笑いながら
貴女の黒髪を ....
ほそい みどり の
うすい あし
こそり すみ に
より あって
どなた でしょうか
で きっと ね
つと つと そうっ と
すき に いく
だけど かた ....
鋭角の午後をよびとめて
僕らは街をあるきまわる
一杯のコーヒーをもとめた店で
冷えすぎた空気にふるえて笑う
すきだとおもうんだ。
土曜日から月曜日までの数直線上に
いくつ君が立ってるか ....
正気なうちに 帰ろう
まっかな顔で 父さんが
にこにこ と ひそっと 言う
あはは と 笑いながら
母さん に よっぽど 言われたな
私は 濃いめの お茶を入れる
....
底面の アスファルトまでも
濡らす五月の緑を
どれほど丁寧に踏みしめても
足音は奇妙に乾くのでした
その足音に含まれた 一連の私は
ぱらぱら 小さくほどけ散るところで ....
多すぎる荷物から
ぼくに届け物があって
そこに宛名はない
マンゴーの月が、
高度をさげる
失速した被造物のあつまりが
またたくような夜に
吐き気をおぼえたりする
きみの虚像を打破す ....
桜前線 が来て
花見客
そして
砂漠
ぎっしり 携帯した
迷彩服
の 中に 人
ほおばる 春
つづく 虐殺
信じてなんか いられない
みじめな 幸福 ....
一.永劫回帰
今日の星空はとってもきれい
おまえのところも晴れていたら見上げてみろよ
カシオペアやプレアデスが頭上でふるふる震えている
白鳥座の十字架は西の空に沈んで行こうとしている
も ....
ほ がでた
ぞろり 列をなし
あまりの眩しさに
皆 皮膚を震わせた
いくつかの球がころがり
海が無気力な日がやってくると
僅かなひとときを選び
ほ がさいた
玄関か ....
ひとけの無いがらんとした灰色の
ただ広がっているだけのアスファルト
何故か工事がストップしたままの
どこにも繋がっていない道ではない道
わざわざここまで来たのは
あまり悲しくならないため ....
風の強い夜だ
下弦の月のまわりに
虹色の光の輪を作っていた薄雲が通り過ぎる
窓辺に焼きついた油色の日々が
ガラス板から流れ落ちる
星々がさわさわ震えている
明滅する交通誘導棒を持ち ....
鳥は自由に飛ぶ
一本の線によってへだてられた空間を
風つかいのグライダーのように滑空し
大気をはらんだ凧のように静止し
熊蜂のように羽ばたいて流れの外に飛跡を残したりして
そして時には それ ....
突然の雨に
掌で傘を作ってみたけれど
隙間が多くて
無抵抗に濡れていく私です
傾きかけた夕暮れに
落ちてくる雨は暖かい
いつのまにか
大切なことを忘れてしまったようで
メモ ....
昨日のコーヒーカップと
今日のコーヒーカップと
うわ のそら
明るい 色に染めた髪
みせられない から
束ねた
地図 を書いて ゆく
春 の 息吹
....
浮かばない灰皿と程近い場所に 浮かぶ私がいる
沈まない煙を見上げた反動で 沈む私がいる
ここです ここです
私
ずっと
私のありかを伝えるために
耳のありかが知りたくて 知 ....
たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます
午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとで ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18