すべてのおすすめ
目印になる場所まで引き返そう
そういって 舅は背中を向け 急ぐ
たけのこを ぐちゃぐちゃ 踏み潰していく
私達は 夜明けと共に 山に入れるように
早く起きて
家族で食べるくらいの たけの ....
天気予報の通りに 雨
今の季節は しょうがない
手首と 喉元に 水が
少しでも 沁み込まないように
タオルと 手差しを 巻き
雨合羽を 着込む
六尺のはしごが 私には 調度いい
....
毎日 違う朝なのに
ありきたりと
つづられる
こいこがれて うごかない
待つだけの 人は さておいて
違うことを みつけるめは
たやすくないようで
単純で
今 生まれた
....
てのひらで つつみこみ
くきに 指を一本そえて
ぽきっと ひねる
赤味のついた林檎を
肩から下げた
{注こだし=肩から下げて使う袋}に 入れる
小学生の時 父に教えられて以来
....
太陽の溶けた樹液が
母星を 取り込み
枝の上に 果実を成す
宇宙飛行機には 乗れないけど
かじりついたら
行っていない星はない
この実すべてになるために
巡りきた
宇 ....
「そういえば・・・」
あの頃の思い出は すべて煙のように消えていった
いまから思い出そうとしても 何も思い出せなくて
頭を地面につけてみても 何も出てこなくて
確かにあの頃 ....
ぼうたかとび の
しなった 影に
のる
リュックには
ゆで卵と
つまみだされた時の ための
パラレル シュート
たかい たかい
ほら 棒のてっぺんに 両足をつけて
....
みず色の空に 浮かんだ
白い月
明けたばかりの朝
洗濯物を 干す
厚着をして でた外は
首もとから 冷えていく
夜を終えた 世界に
濡れた 竿から 雫が 落ちる
寒 ....
ちぐはぐなまま
外より
ガラスばかりみて
自分の眼すら
写ってないんだ
だらしないと
陰で言われるよりも
だらり としている
時間が いらつく
なのに
しかけに ....
ビニールの中
息で
つっぱらせた
よつ足
窒息する前
吹き込んだものに
騙されて
かわされて
プシュー って
謎が とけても
ふくらんだ ほっぺに
....
でんき星 せがむ 木綿の
笑われて 愛 苦しい
曲がれぬ カーブ
目で すべらせて
地上 ゼロ階から
見下ろす 花束
囲いこまれた
ぴかぴか の星座
雨
降れ
....
マーガレット・ハウエルの ブーツを履く
これでも 汚い道を避けて 歩いてきた つもり だ
たとえば 神宮の森に沈む
真っ赤な 夕陽を 見ていると
窮屈な あたしが 泣けてくる
....
知らされないなら
知らずにいたいのに
ちくりと さわる
さらさら あけて
とじこもった息が
風になって ぬけていくけど
逆らって
しゃがんで
丸くなった
影 の中
....
いきている
じょうねんの
むきだしの
よる
みどりごがないている
いきなかったきみのために
さらけだされている
かたくみをしずめている
どちらだ
どちらでもある
あんまりこころ ....
ついっと 顔をあげ
仰ぎみている
病室の 窓は薄暗く
パジャマ姿の そのひとは
ベットを 脱け出し 立ち あがって いた
「いまねえ そらを かこうと おもって」
少しとまどい ....
私の大好きな二人が
木蓮の詩を書いていたので
私も書こうと思って
毎日 家にある木蓮を見に行った
山の日陰にある木蓮は
つぼみはつけても
なかなか咲かず
そこだけいつまでも
く ....
海辺に
打ち捨てられた羽衣
水底に たぐりとられ
心 なくすばかりの 果て
指が 訪れる
風に 似た とろむ甘さで
ふれる やさしく
どうして そんなこと してくれるの
どうし ....
時の住まう所は どこですか
チクタクと
なぜ 音がするのですか
暗くなれない地の中で
目覚めていない
ただ ひたすらなもの
天を知らなくても
地上を知らなくても
風を知らな ....
はまに まわした よめいの かりごま
なげる てのなみ くるわす つきやみ
ささぬ あかりに さしつぐ いっこん
らがん ちりうつ こぐだて わるむね
のどに はしゃぐ みめいの
つきの すずか つむぐ かるた
まわる やまの はるか さます
かやの ねむり まどう むごん
みちぬ おもい ゆきて きえる
かえぬ こころ ぬぐう ....
ことん つみあきた 背中 の
羽
しらば っくれて
更けゆき ゆく
斜面 水球 の こごり
しずく 罪もなく 踊り
たわむれた 中指には 触れず
逆らった 声 みなも ....
月が 舟を ナクシタ
木陰 に 零れた
ピラミッド の ベール
濃い青 の 淵
触れさせぬ まなざし
ただれた 地殻
うぬぼれた マルイ肩
キィィィ きぃぃぃぃ ....
枝に ぶら下がってる
偽者の太陽
発火を夢みて
まどろむ 花弁
かかってくる
濃い 夜の 暗い闇
閉じない 瞳
はずれない 翼
あたたかいのは 私だけ
じっと 冷えた ....
彼女は
朝の遠いこのまちの
ちいさな刷毛で色をさしてゆく、群青
そらをぬりこくって笑う
その背中に
にじんでゆく夕焼け空を想起しました
けれどもうぜんぶ しずんでしまったから
....
ビブラートする白
は、流れ落ちて目覚め
あとは黒い眠り
指先は
猫毛のように鍵盤を滑り
響きは深閑に温度をもたらす
私の背にかむさるその暖かい音色は
恍惚に揮え光冠を放ち
空中 ....
流しのはじっこで
トマトにかぶりつく
切って 盛り付ける前
誰もみてない 朝
どっからくるんだろう
この 破りたい
悲しみは
形よく そろえて
行儀よく いただいて
終わ ....
さび ついた そろい のそら
ぬげはじめた め
かかわらぬ
こえ
ふみこむ
ひざし
の
いってらっしゃい
いってしまって
さからえ
とべない
の なら ....
この世が終わっても
私は 終わらなくて
途方に暮れて
あなたを みたら
眼に涙を滲ませ
終わり と言えないでいる
どうして 他人のあなたが
私達のために 泣くの
言えば 言 ....
ひらいた おやまの
むこうの おそらに
ちいさく てをふる
おにのこ つちのこ
とんとん とんのに
とうせん はなおに
とんから とんから
とうそう はなおに
ひらいた ....
かち とろう
ゆき ゆこう
ふくみ ささぐ
きはくな ほし
こい こごう
ゆめ とばそ
ぴりぴり とした
ひりひり ときた
なげく なじる
ぬいでしまえよ
こ ....
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