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仰向けのまま諦めた体に単なる皮膚が降るとき
左斜め上で俯くランプシェイドから、おまえに
音も無く、水も無く、光が泣いて下さる
ひとりの皮膚がひとつのリズムで
気体以上に形のないものを再確認しよ ....
あ、


ああ、
陽光が、
陽光が、
私を、
する、


陽光で、
飽和してゆく、
ひとつのわたしの肺胞、
ひとつひとつのわたしの肺胞が、
春を、
春を、吹き ....
風上に立つ冬が
耳に届くすべての海を
耳鳴りに
します


遠く
遠くに
此処には無い海が
あるとして
それは遠くの
ずっと遠くに
此処には無い海が
あるとしても ....
砂塵に覆われたコンクリート
目を凝らせば
ほつれ落ちた枯れ枝、その向こう
目を凝らせば
灰皿代わりだった冷たい赤い一斗缶、その向こう
公園を閉じ込め続ける鉄条網、その向こう
澄 ....
古い倉庫、砂埃に覆われたコンクリートの床は
汚れた床とは二度と呼ばれることはなく
砂埃ごと床として在って
鉄パイプの配置もダンボールの配置も
いつしか放置に変わって


私は ....
最後の人が飛び降りたまま
裏返ったブランコの鎖が歪に静止している
翌日になれば元に戻される、それだけのこと
わたしは、もうずっと公園にいない
だから知らない


ブランコ ....
窓枠から遠く、鴉の発音から
鴉の翼が発生して
西の方角、地平線に降ってゆく
黒い花火があったとしたら
こんな風に
ゆっくり悲しいのだろう


この手の中の窓枠を忘れず
この手 ....
底面の アスファルトまでも
濡らす五月の緑を
どれほど丁寧に踏みしめても
足音は奇妙に乾くのでした


その足音に含まれた 一連の私は
ぱらぱら 小さくほどけ散るところで ....
浮かばない灰皿と程近い場所に 浮かぶ私がいる
沈まない煙を見上げた反動で 沈む私がいる
ここです ここです



ずっと
私のありかを伝えるために
耳のありかが知りたくて 知 ....
木立 悟さんのA道化さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ハーモニー- A道化自由詩408-10-31
春浴- A道化自由詩805-4-18
滅びる海- A道化自由詩905-2-8
その吐息のほどき方- A道化自由詩1004-11-25
愛称倉庫- A道化自由詩704-9-10
公園にいない- A道化自由詩1804-7-16
鴉火- A道化自由詩804-6-24
五月の枯渇音- A道化自由詩1004-5-3
耳のありか- A道化自由詩804-3-18

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