緋色の帯を解く君は頬を赤く染め
何だか恥ずかしげな風情だね
帯止めの色目は玉虫だから
綴られた思いも刻々とその表情を変え


真新しい紙とインクのほのかな香り
読みかけの頁に挟んだ栞のよ ....
彼女は街の一番高い場所にあるカフェで
眺めは先をゆく教会の尖塔に係留させて
クランベリーケーキを焼いている

その白い腕
夜、二人は黙ったまま、二の腕を削った
蝋燭のカスが ベットに散らか ....
もしもの話だけど
もしぼくがしんだら
骨くらいは拾ってくれるかい
と訊いたら
小指の先っちょくらいなら
拾ってあげてもいいわ
と云うので
ぼくはしぬ前に
小指の骨は粉々にしておこうと思 ....
言葉のひとつひとつに歓声があがり
思い思いに笑い転げ
級友たちの恋の話は
昼休みの教室で佳境をむかえていた

数年も経てば
誰もが通る道である
ということを知るのだろうが
その前に ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた


「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
深夜の洗面所に
たちっ、たちっ、
冷たい音がしている

さっき
閉めたはずなのに
音は止まない

たちっ、たちっ、
寂しそうなひびきで
それはずっと続く

どうにもならないね
 ....
夕やけは待ってくれない ももいろのしゃぼんだまさえ待ってくれない

夜のため太陽を消す しんとする ろうそくの火ももうすぐ消える



モンゴルのむこうのむこうの太陽が地平線に恋をしている ....
コタツで寝て、何が悪いの。

「風邪ひくじゃん」って言うけど、
ぁたぃバカだから風邪なんかひかないもんねーだ。

コタツあったかくてキモチいーじゃん!

ベッドなんて寒いじゃん。

 ....
剣と盾

アナタはどっちを選ぶ

破壊を繰り返し殺戮の

レクイエムを流す剣と

心を守り自分を守り

自分を否定し何事にも

否定を繰り返す盾か

剣と盾どっちとも

 ....
玄関のドアを開くと
右手の壁に一枚の絵が{ルビ掛=か}かっていた

六十年前
I さんが新婚の頃に過ごした
緑の山に囲まれた海辺の村

二十年前
定年まであと一年を残して
急病で世を ....
わたしの背中と
あなたの背中のあいだに
まいにち
いっさつずつの
本をならべてゆきたい

楽しいおもいでも
悲しいおもいでも
みんなみんなすてきな表紙の
本にしたてあげるの
本がな ....
手すり
よく冷えているので
天からの雪
形のままに

地面
よく冷えているので
やがては雪
透き通った氷の柱に

どこに
人語を介する
なにが
人語を解する

中谷ダイア ....
ケータイを「マナーモード」にしたまま寝たら、
自己嫌悪。

寝坊したら、
自己嫌悪。

講義をサボったら、
自己嫌悪。

「もう、どうでもいいや」と思っている自分に、
自己嫌悪。
 ....
素敵だと思う音楽に触れてるとき、僕は興奮と同時に“懐かしい”って気持ちになるんだ。


あ、あ、あーーー僕は知ってる気がする。
これは、いつも心のどこかで求めていた音だ。


でも実 ....
君が詩人だったらいいなと
一瞬思って
掻き消す

君は人の気持ちを読めるのかもと
振り返ったら
苦笑してる

私は妄想
ありえない
あんなことやこんなこと

目の前のふうせんが ....
ふわふわのシャボン玉の中では
ふわふわの魚が泳いでいる

しゅわんとはじけると
魚は空にかえっていく

私もかえりたい
空じゃなくていいから
ふわふわじゃなくてもいいから

 ....
ステレオと モノラルでいえば

モノラルのほうが好きなのは

言うまでもない。

ドルビーデジタルなんて

もってのほかだ。

そんなに多くの副音で

大事なことがきちんと
 ....
あの人の
名前を呼びたくなったなら
音にはせずに
水に書くよ

岩に刻まず
砂に描かず
水に書くよ

すぐに流れて
この世から

思いは水底に
叫びは水面に

波紋は ....
天界の曙光が降り注ぐ
神と呼ばれた禁断の領域を目指して

どこまでも高く積み上げた
万物を知り尽くした賢者の瞳
現世には存在しない輝かしい英知
運命と呼ばれる糸を操る人形遣いの横顔

 ....
ポリスの名曲に、『見つめていたい』という邦題の曲がある。“好き”という感情はまさしくこの“見つめていたい”という気持ちなのではないだろうか。
好きなものは、どれだけ眺めていても飽きないものだ。恋愛な ....
 
 冬の太陽
 ありがたく

 祈るように
 あの人の無事を
 願う


 漂い
 打たれ弱し我
 微かな雫にさえ
 怯えてる

 
 凍えしこの身を
 暖めておくれ ....
本屋ですれ違ったひと

電車でとなりに座ったひと

走って目の前を通り過ぎて行ったひと

トイレで手を洗うとき横に居たひと

目の前で階段を上っているひと

自動販売機の横で立って ....
あんしん したい
ボクは もっと あんしん したい

やさしい おんなのこと いっしょに
おふとんで まるくなるのも いいし

いつでも なんでも
おかわり じゆう ってのも いいし
 ....
大人だってたまには
思いっきりお菓子を買いまくりたい
大人のお菓子屋さんには
ちゃんとグリコのキャラメルだってある

大人のグリコのキャラメルには
おまけに
ひとつだけ詩がついてくる
 ....
子供たちを食い物にして、
利益をかせぐ、大人たち

未来は、どこに向かっているのか

大人たちにそんなことをされた子供たち
その子供たちを頼って生きる日が
大人たちにやってくる

 ....
ひょろっこい身体で、ジャカジャーンとエレキギターをかき鳴らせ!

とびきり素直な言葉を素敵なメロディーに乗せてさ。
聴かせる相手が今はいなくても、それでいいんだ。

今は、この世でたった ....
真夜中の僕の独り言に、
誰かからの返事なんていらない。
優しいセリフなんていらない。欲しくない。


ただ、視線をおくれよ

君がそこにいるっていう視線をおくれ。
お願いだよ、それ ....
今日はね
いいつけを守って
砂糖もクリームも入れてないよ
クリーム3個入れたりしてないよ
だから
カップのなかは深い色だ
円形の蛍光灯が映り込んで
ゆらぐオレンジの球体
そか
クリー ....
みかん食う

チャンネル変える

in こたつ
抱きしめたいンだ
今 君を
言葉では伝えられない
私の気持ちすっかり
伝えてしまいたいから
抱きしめたいンだ
今 君を
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