感覚が鳴っている
ナイトー
素敵だと思う音楽に触れてるとき、僕は興奮と同時に“懐かしい”って気持ちになるんだ。
あ、あ、あーーー僕は知ってる気がする。
これは、いつも心のどこかで求めていた音だ。
でも実際のところ、音楽と僕はその瞬間初めて出会ってる。
ね、ね、ねぇ?
きっとその音楽は昔、子供の頃聴いた曲(たとえばN○K教育テレビの歌番組とか童謡とかアニソンだとか)にどこかしら似ていて、ついそう感じてしまうんじゃないの?
違う、違う、そうじゃない。そんなんじゃないよ。
根拠のない言い訳。
でも、ホント、そんなんじゃないと思ってる。
きっとそこには言葉に出来ない類の理由があるんだよ。
そう、そう、そうだなぁ…
この感覚を敢えて言葉にするならば、
もしかしたらその“懐かしさを感じてしまう音楽”は、
幼少の頃、僕が日々の暮らしから感じ取っていた“孤独”の感覚に似ているのかもしれないね。
僕は、毎日を見ていた。
ただ、見ていた。
当時は言葉を知らなかった。
それが孤独という名を持つ感情だということ、僕は知らなかった。
あ、あ、あ、あーーーーー
いま、音が降ってくる。
僕の心が震えてる。