感覚が鳴っている
ナイトー


素敵だと思う音楽に触れてるとき、僕は興奮と同時に“懐かしい”って気持ちになるんだ。


あ、あ、あーーー僕は知ってる気がする。
これは、いつも心のどこかで求めていた音だ。


でも実際のところ、音楽と僕はその瞬間初めて出会ってる。

ね、ね、ねぇ?

きっとその音楽は昔、子供の頃聴いた曲(たとえばN○K教育テレビの歌番組とか童謡とかアニソンだとか)にどこかしら似ていて、ついそう感じてしまうんじゃないの?

違う、違う、そうじゃない。そんなんじゃないよ。

根拠のない言い訳。

でも、ホント、そんなんじゃないと思ってる。
きっとそこには言葉に出来ない類の理由があるんだよ。


そう、そう、そうだなぁ…

この感覚を敢えて言葉にするならば、

もしかしたらその“懐かしさを感じてしまう音楽”は、

幼少の頃、僕が日々の暮らしから感じ取っていた“孤独”の感覚に似ているのかもしれないね。


僕は、毎日を見ていた。

ただ、見ていた。

当時は言葉を知らなかった。

それが孤独という名を持つ感情だということ、僕は知らなかった。






あ、あ、あ、あーーーーー



いま、音が降ってくる。
僕の心が震えてる。



自由詩 感覚が鳴っている Copyright ナイトー 2006-01-18 23:42:25
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