女子高生のルーズソックスの中には
何が入っているのだろう

はるか昔
恐竜が生きていて
まだわたしが女子高生だったころ
何度もルーズソックスを履こうと試みたが
あの絶妙なふくら ....
小学生のころ
仲が良かった友人の家の
お父さんは雨男で
お母さんは雨女だった

家に行くたびいつも羨ましかった
彼女の家の中はいつも雨で
じゅうたんにも床にもトイレにも  ....
 
たくさんの鳥

そして少しの懐かしい人を乗せ
他に何も無いような空港から
飛行機は飛び去って行った

覚えていることと
忘れていないことは
常に等量ではない

夏の敷石の上で ....
午前6時まだ昨日、サンシャイン滑り込む部屋も瞼の先は夜。換気扇がぬるい空気を吸って吐いてを同時に行っている。冷蔵庫の存在はとどまるところを知らない。電球はエジソンが発明した。ぼくのバランスは崩れまいの .... ぼくのココロとかいう愚がプラスチックでできているらしい、とのことを知った夜だった。冷蔵庫は突然ブイーンとか鳴って、唐突な哀愁の、青色を特集した雑誌がぼくらをブルーに攻め立てる。明日いつどこだか知らない .... {引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}




きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
春風よわたしは山に籠もります春の匂いを極めてきます


砂塵舞ふ 濡れし視界をみぎひだり桜ぞ桜のままに毀るる


月面を宙返りせしあの影は二月生まれのナルシストなり


 ....
さよならは青い背もたれ始発にて四月の夢を温めにいく



アンニュイな晴間が秘める春雷に片目をとじて君を待つ午後



ないしょです。星くず燃える屋根裏で子猫と愛し合った日々など

 ....
花束を車内いっぱい敷き詰めて水没してゆく春の陽とひと



野の花や少年少女の髪揺れる風泥棒が口笛吹けば



集まればいつしかはなれてしまう春むかしどうきゅうせいと来た海
 ....
水を、欲している
のどの ずっと奥のほうで
さかなが泳いでいる



季節が融けはじめていることに
気づいたときには もう
わたしのなかの海は 浄化され
沈殿していた過去があふれ出て ....
※いちにちめ

朝起きたら
靴から花が咲いていた
綺麗な花ではなかったが
あんまり堂々と咲いていたので
迷った揚句に仕方なく
会社へは裸足で行くことにした

※ふつかめ

朝起き ....
{引用=
【悪魔の証明】あくまのしょうめい
「ない」ことを証明するというだけのとても簡単で難しいこと}


空白く(あれ)僕がいるはずだった夏のブラジルゆきのひこうき


ビートルズゴ ....
{引用=始めませふ 安易な位置づけ
       
               椎名林檎『真夜中は純潔』}








{引用=デイストオシオン}


うねりゆく夕空 ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月

雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
{ルビ微睡=まどろ}んで、乗り過ごすうちに
春まで来てしまった

0番線から広がる風景は
いつかの記憶と曖昧につながっていて
舞いあがる風のぬくもりが
薄紅の小路や
石造りの橋や
覗き ....
僕は男だから
産む痛みを知らない
同じくらいに
産まない痛みを知らない
痛みなんて知らない
ここは戦地ではないから
僕はあなたではないから

幸せになる方法を知らない
幸せにする ....
夕暮れに街灯の間を渡りゆく涙を隠す帰り道、雨




濡れたこぶしをほありと包むきみの手よ「ぐうとぱーではあたしの勝ちよ」




包まれて犬の気持ちを知る夕 西窓からは突然の ....
とりたちが入場ゲートを飛び去って動物園に歌の雨が降る




もの言わぬ悠々としたたたずまい有象無象も鼻がながーい


生まれつきおしりの赤いきみにでも青い春などあったのだろう ....
「いいの、わたし、ここで暮らすの。」

おんなのこの言い分って、すごくわからない。
こんな真っ暗でなんにもないせかいで
放っておいて、と言うように。

ぼくは、
耐えきれずきみの
葉脈 ....
雪原の風たぐり舞う銀髪にあるはずもない笑みを見ていた




くりかえし光の行方追いつづけ雪の背骨を駆けてゆく子ら




道に棲む{ルビ静寂=しじま}に映る水の笑 ....
{引用=
伝えたいことがないけど帰らない 歌う自由が僕にあるから}


ギロチンが雨の代わりに降る夜に野外ライブは実施されない


陽の当たる時間短いこの国はかいわれ大根生えたス ....

夕暮れの遠くに霞む
四台のクレーン車は
輪を描くように向かい合って
なんだか
太古の昔に滅んだ恐竜の
弔いをしているように見える


朝に洗濯物を干す母親は
太陽に両腕を広げ ....
たまねぎを刻むと涙が出る
それにかこつけて
少し本気で泣いてみる
そうして
矢張りわたしは
要らない子かも知れないと思う
だけど午前の台所は
悲劇ごっこをするには明るすぎるし
誰かを想 ....
左手しかポッケットに入れられないのは
右手で傘を持っているためで
少し泣きそうな顔をしているのは
暗くなると君を思い出すからである

急ぎ足なのにけして駆け出さないのは
帰り道の途中に墓場 ....

友人に
擬態する癖のある女がいる

よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で

十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
・cigar(葉巻)とsugar(砂糖)

あ、
煙草をやめようかな
と思った
手を伸ばしたとき
箱の中に一本しか残っていなくて
でも寒くて
買いにゆくのが面倒だったから
五分間
 ....

どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
 ....
霜葉ふむ皮のブーツの小気味よさこのままいつか見知らぬ冬に


窓ガラスくもる吐息にだまりこむ人のしぐさのその残酷さ


冬{ルビ薔薇=そうび}あかい棘さす指先の血のにじむ{ルビ孤悲=こい} ....
 


はりつめて切れそうだから目を閉じてあんまり空気を吸わないでいる



ひとりごと、白くかたまれ歌になれ風に飛ばずにここに留まれ


鍵盤にひとつぶ落ちる(きん、たたーん)か ....
{引用=ピッピだっけ?窓の隙間に北風がこぼれるような素敵な名前だ}


なんで今日は羽根が開かないって、ああ、マイナスだらけの最低気温

君の目で体透かせば黒い部分のたくさん出来る季節がきた ....
ソマリさんのおすすめリスト(592)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雑記- 吉田ぐん ...自由詩2307-6-26
雨男と雨女- 吉田ぐん ...自由詩2007-6-26
綴じ代- たもつ自由詩2607-6-21
ピース・ピース・ピース・ピース・ピース- nm6自由詩607-6-11
プラスチック・メイド- nm6自由詩607-6-6
そんなふうにして過ぎていく- 望月 ゆ ...自由詩56*07-5-25
【短歌祭参加作品】えいえんに春は- たたたろ ...短歌607-5-17
さくらさくら- まほし短歌17*07-5-17
春形見- 本木はじ ...短歌1407-4-7
回遊、わたしのなかの、- 望月 ゆ ...自由詩58*07-4-4
朝起きたら- 吉田ぐん ...自由詩2207-3-15
悪魔の証明- ピッピ短歌1207-3-8
NOISE_FLOOR- 本木はじ ...短歌1107-3-7
桜、わすれていく- たりぽん ...自由詩25*07-3-3
春のホログラム- 佐野権太自由詩34*07-2-28
花束- たもつ自由詩3507-2-28
早春に雨- たたたろ ...短歌5*07-2-25
動物園に歌の雨が降る- たたたろ ...短歌9*07-2-23
光がもどってこない- みい自由詩707-2-8
冬業- 木立 悟短歌1907-1-23
- ピッピ短歌17*07-1-18
祈りに関する情景- 吉田ぐん ...自由詩19+07-1-16
午前十時のクリームシチュー- 吉田ぐん ...自由詩2907-1-11
種々の理由- 吉田ぐん ...自由詩2107-1-6
癖のある男女- 吉田ぐん ...自由詩2107-1-2
似ているもの- 吉田ぐん ...自由詩1206-12-25
恋人とのわかれ- 吉田ぐん ...自由詩2706-12-19
【短歌祭】見知らぬ冬- 石瀬琳々短歌19*06-12-18
【短歌祭】きん、たたーん- たたたろ ...短歌11*06-12-17
【短歌祭】シンビジウム・ホワイト・ラバー- ピッピ短歌1206-12-17

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20