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何かのかたちが傍らを落ち
遅い影がそれにつづく
眠りのなかの冷たい放出
幾度も幾度も繰り返す非
直ぐの水と曲がり水
ひとつのかたちを拒みながら
蒸した原と土 ....
空気のにおいが変わり
熱と衣は円に舞う
夢を盗む夢を見たあと
共犯者を思い出せない
葉と花の足跡
街を分け つづく
はじまりを知らず ただ
はじまりから来たことだけを ....
硝子と硝子のはざまの花
花の息に
そよぐ花
花は
花ではないのかもしれない
祭の終わりに
終わりを見ぬまま離れ出て
裏の通りを歩いていた
海に並び
海に着 ....
はざまから土
降りおりる銀
曲がるたびに
冬を巻く道
緑の雨と肋骨の森
作りかけのまま棄てられた街
埋め立て地の午後
低い低い音のつらなり
熱を持たない ....
内に向かって壊れた胸から
水がわずかに滲み出している
うすい陽の声
穴の数の息
草が逆に波打つ
濡れた色になる
夜の風のなか
渇いた音のなか渇きを疑う
....
目の前に浮かぶ空気の穴に
全身を押し込むようにして消えてゆく
たくさんの鉄の踊り子たち
かすかにふるえるゆがみを残して