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山田くんから、年賀状が届く

終業式の日
みんなから 住所と、名前と、郵便番号を聞いて
国語のノートの 使っていないところに
せっせとメモをしていたんだけれど

多分 山田くんから、年賀 ....
 山田くんは手を洗わない

一学期の終わりころから急に、手を洗わなくなった

購買のやきそばパンを食べるときにも
科学の実験をやった後でも

 山田くんは手を洗わない

聞くとこ ....
うちの親父。


親父のまくらは、マイルドセブンの薫りがする
最近は、薄くなってきた

俺とおなじで、数学ができない。
ただひとつ違う点は、意欲があるかないかってこと

洗剤会社 ....
うちのクラスの山田くんは いつも
弁当をもってこない。

昨日は
ホームレスのおじちゃんが ひもじそうだったので
あげてきた、と
寂しい目で 語ってた

一昨日は
おなかがいっぱいだ ....
真っ暗な筒、ひとりズルズルと降りてくる

あぁ、靴下がないな 枕元でいいか。

大きなリボンにぶら下がる 大きなプレゼント

さて、あと何件周れば終わるかな

袋の中を覗き見る。

 ....
破裂するくらいなら

ずうぅっと漂って

ゆっくり、ゆっくりと

しぼんでいきたい

しぼんで行って
終わりには小さくなって

また、膨らましてもらって、
古臭い靴なんて、まだ履いてるのかい
嫌味っぽく言うその口には
みみずが数匹 咥えられている

歩くのに、邪魔になるだろう?
みみずを咥えたその口を
もごもごと動かしながら
あの高い木から ....
忠男が眼を覚ますと、そこは扉だらけのだだっぴろいフロアだった。
確実に、先ほどまで気持ちよく寝ていた臭い部屋ではない。
「目が覚めたようだな」髪の毛が妙にカールした男が、忠男の肩にぽん、と手を ....
彼女の眼は もうどこか遠いところを
覘いているようで
あからさまに
目の前で
道化を演じてみても

くすり、

とも 笑いません

時折、彼女は

「カルロス、もうお別れの時間 ....
昨日は {ルビ後ろ足=あし}が生えた

今日は {ルビ前足=うで}が生えた

明日には この{ルビ尾ひれ=きもち}が消えて

明後日には 本当の自分に

なれるかもしれない。
石が転がった

誰かが蹴ったわけでもないのに
空虚に住まう誰かが
大きくため息を
したからかもしれない


人が堕ちて行った

誰とも知らないまったくの赤の他人なのだが
堕ちてい ....
たしかにインスタントラーメンを
作っていたはずなのだが

気がつくと
鍋にあるそれは
脳みそになっていた


腹がへってしかたなかったので

無理矢理、口に運んだのだが

口に ....
どうしても イライラして
とにかく その減らず口をホッチキスで
閉じこんでやりたかったが
世間の目が怖かったので
ホッチキスを渡すだけで 終わってしまった

笑いたいならば 笑え


 ....
僕の肩に とまった鳩は

「死にたい」と一言だけ漏らして眠りについた

僕はどうすることもできずに

鳩の頭を撫でて、またウォッカを口にした

思いのほか、熱く、滲んだ。
もう下校時刻だと言うのに
未だに君は
鉄棒と
対峙して

地面を 蹴る 蹴る

この歳になって
逆上がりもできないのかよ、と
馬鹿にされたのが
悔しかったのかな

それとも ....
世界中を敵に回しても構わない、と
胸を張って言い張れるくらい
あなたに惚れている

世界中を敵に回したら
あたしも敵に、なってしまうんじゃない?と
君は笑って言うけれど
それは僕にとって ....
ちょっと こっちへおいで

ふすまのあいだから
まるで骨のような
青白い手を

くらり くらり と
招いて

貴方は 僕を呼ぶ


おかしを あげようね

ちり紙に包んだ
 ....
38.6度の熱で
静かにベッドで横になってたら
アトムやら
太宰治やら
はちべえなんかが

おでこの辺りで
なにやら難しい話しをしてた

その顔は
どれも真剣で

声をかけよう ....
枯葉がたくさん 地を這っているので
焚き火をしましょう、と
あなたが言うものだから

ボクは
ライターと 竹箒を
しっかりと 握るのです

この庭中の 枯葉どもを
全部集めようとすれ ....
昔はぁ よかった

これは じいちゃんの
クチグセ

昔はぁ よかった

これは ばあちゃんの
クチグセ

昔はぁ よかった

これは ボクの
憶測


100円だまを ....
友人の ポケットにはいってた
あめだまは
しりもちをついたせいで
見事に
粉々になっている

しかし
僕には関係のないこと
僕の頬にはまるまるとした
いちご味が
世界を広げている
 ....
そこのT字路を左に曲がると
思わぬ出会いが待っている

見たこともない
まだらの猫とか

不思議なにおいのする
メキシカンコーヒーだとか


八百屋でおまけを してもらって
もら ....
懐かしい、と思わず声をあげてしまったのは
きっと何かが体を突き抜けて
螺旋状に空に
消えて行ってしまったから

サビサビの
ボロボロの
どうしようもないくらいに 小汚い
きっと元は黄色 ....
まず ごめんなさい

勝手に サイフを 覘いてしまったこと

レシートは 私が預かって おきました

今夜は冷えるので この1000円で 肉まんでも。

おいしい顔が 浮かぶようです。 ....
『空虚』

 淋しいと
     上目遣いに
          霜焼け両手

『歓喜』

 甲高く
     笑うその声
           耳に響けど

『温かみ』

 ....
第1章 『世界にひとつだけのラムチョップ』

とあるところに、とてもとてもラムチョップが盛んに食されている村があった
ラムチョップ畑、ラムチョップの滝、ラムチョップショッピングモール。
とにか ....
ヨーグルトや アイスを食べるとき
フタについた ちょこっとを 舐めるのがすき

不思議と おいしく感じてしまう

寝坊したと 勘違いして
いつもより 30分もはやく起きれたときは

と ....
くすぐったいと

   言えずに{ルビ母=あなた}は

         くくくったい。
よく世の中では「人生の勝ち組・負け組み」だとか
幸せになれる数は決まっているだとか、不幸な人のほうが多いだとか
なんかよくわからない結論が飛び交っているけれど、ボクはそんなの全部全部
嘘っぱ ....
あの子はまだ 元気で暮らしているだろうか

野に咲く花のように 根をしっかり延ばし

白く 小さきつぼみを

開かせているだろうか

あの時に渡した 黄色い熊の飾りは

今もまだ  ....
千波 一也さんの仲本いすらさんおすすめリスト(67)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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