彎曲
仲本いすら

そこのT字路を左に曲がると
思わぬ出会いが待っている

見たこともない
まだらの猫とか

不思議なにおいのする
メキシカンコーヒーだとか


八百屋でおまけを してもらって
もらったものは 飛ばない風船
針で刺したら
悪夢が あふれ出た
慌てて集め
ゴミ箱に捨てたら
まるで パンドラのリズム



そこのT字路を右へ曲がると
なにもない真っ白な新聞を拾う

ただ唯一
残ってたものが

不思議と際立つ
ありふれた毎日だったりする


飛ぶ風船と 飛ばない風船を
選べといわれたら
どちらを選ぶのが 正解なんだろう
独占欲 それとも 開放感


そこのT字路をまっすぐに進むと
壁にぶち当たる



自由詩 彎曲 Copyright 仲本いすら 2005-11-06 19:12:40
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