十四歳
青空のすぐ裏側に閃光する星の声があった
焦がされた満ち足りぬ想いが小さな明かりに導かれて
私の体に落ちてくる
いや星は螺旋の雲の道をつづら折り
それはもう銀河から放たれた存在なのに
 ....
目覚まし時計より早く起きた朝
君は台所で食器を洗っている
テーブルの上にはトーストとサラダ
シーザードレッシングとマーマレード

カーテンの隙間から太陽が呼んでいる
零れ落ちる光の粒をすく ....
泣いた。小さなサリナは口足らず

言葉足りないと
ねぇ、何も伝わらないね


そう言って流す涙
君の全てを物語っている様に感じた

僕は君の全部を知ってるよ


意地っ ....
曇り空のしたを歩いている

電車に乗っている

お客様に挨拶している

仲間にメールしている

六月の闇は深くなる

雨に濡れた髪はひじきになる

宇宙のからくりをふたつ考える ....
うすい水の膜を通して
いちにちの過ぎるのを待つ
泳ぐに泳げない、
不器用な蜥蜴の成れの果ては
にんげんに良く似ているらしい


わたしは髪を切る
意地の悪い快感をもって
不運の絡 ....
分かち合うことが

人と人との繋がりならば

いずれにせよその繋がりは

細い糸の様な物であろう

ヒステリックな世界の背景は

いつしかアメーバによって

浸食されていく
 ....
愛ってなんだろ
ぽつりと吐かれた言葉がフローリングの床に落ちて
それは真っ黒な染みになった



白いワンピース
春色の爪
茶色のフローリング
漆黒の染み
ピエ ....
夕暮れの
韓国料理店の
店先に
出された
長椅子
の上に
地球儀が
鎮座する

海の色は
リアルに
青く
塗られている
くせに
陸は
ピンクだの
レモンイエローだの
 ....
アスファルトの照り返しは穏やかではない
24号線沿いのひび割れた歩道を蹴って
いつまでも変わらない信号を見上げる
太陽がもうひとつ増えた気がした

雨と晴れの境目を見つけた少年時代の君を
 ....
ねぇ、知ってる?
あの空も
この言葉も
本当は何もかもパプリカなのよ
私の創り出した世界

(レプリカ、と言いたい?
な、なに言ってんのよっ
パプリカよ
決まってるぢゃないっ

 ....
無数の雨粒に包囲された
とある休日の午後
僕は僕の形をした部屋を
ひきずっての遊歩道

何度も傘をノックするのは
とあるお節介な日常
僕はミエミエの居留守を使って
知らんぷりの遊歩 ....
喧騒のなか
細い雨のメロディ
梢にしがみついて
姿を変えてみる

みんな
どこへ向かうのだろう
遠い、稜線をこえて
あしたも、あさっても
きゅうに
手をつなぎたくなって
あなたの ....
わたしはちっとも朽ちない
咲いているあの赤い花のように
なぜわたしはいつまでたっても
朽ちていかないのだろう

食パンに生えたカビをまとっても
古くなるだけ
わたしは朽ちない ....
              090616



素敵な顔した
船乗りシンドバッドに憧れた
七つの海に乗り出して
大金持ちになりたいと
おとぎ話に夢中になった
地道な稼業に精を出せと
 ....
ノックをしても返事は帰ってこない

薄暗い井戸に落ちていくのは

諦めた人達

安心したくていつも命綱を

硬く身に付けていた

辛うじて意識があるうちに

君に会いに行こうと ....
イメージで泳ぐ僕の夢と
かつての神々の残像



ファッショナブルの開放

ラッシュアワーの独唱




イヴの訳解とアダムの髪

トラディショナルの革新





おもいは ....
大切かどうかわからない記憶は
抱えていた膝小僧のかさぶたにある

転んだのは最近のことだったか
それとも遠い過去のことか
鉄さびのようなすすけた色は
かつて赤い液体であっただろうことを
 ....
花束をもらったのは
もう随分前のことだ
大きくて赤い
松明のような花そのあかりが
次第に痩せて暗くなっていくのが
寂しかった

怪我をして入院中
病室まで訪ねて
炎のような花束をくれ ....
昨日と同じ色の朝の
昨日と同じ匂いの時間に
気紛れに買ってしまった
オリーブグリーンの傘を開く
慣れきった慌しさのほとりに
淡い緑色の翳が落ちて
治りきらないささくれの端を ....
扉が
壁になった
観音開きの合わせ目には一ミリの窪みもなく
錠前も、蝶番もなく
光も、ざわめきも、向こう側の気配はなく
ひた駆けてきたあなたの
汗と、一千万秒が
消散した その静寂で
 ....
日常の底辺を二つに割って
その間を流れる河で泳ぐこと
海に出ること 叫ぶこと
朝も夜もない北へ向かって傷む
幾つもの舟は
弾性限界を突破して
大破した

塵となり
風に巻かれた星屑
 ....
雨音に見張られて
夢に溶けることも
ままならなかった夜も
いつの間にか明けて

乳白色に霞んだ
意識の繋ぎ目に
濃い目のコーヒーを
注意深く注ぎ込んだ

雨の残り香のする
雨戸を ....
 
 
花が咲いている
花の中に海が広がっている
散歩途中の
人と犬とが溺れている
救助艇がかけつける
降り注ぐ夏の陽射し
最後の打者の打った白球が
外野を転々とする
ボールを追っ ....
世界には



寂しい男の数だけ
寂しい女がいて




哀しみを抱く人の数だけ
それを解する人がいる



誰も信じられぬ
人の数だけ
信ずるに値する人がいて


探している人の数だけ
幸福 ....
母は
美しい
緋色の指輪を持っていた


『緋恋の指輪』


14の時のことだ

母の化粧箱の中には
翡翠のブローチに
銀のイヤリング
真珠の髪飾りや
琥珀のネックレス
 ....
旅人は{ルビ叢=くさむら}に埋れて 
横たわり  
いちめんの空に 
浮雲の群を見ていた 

それぞれに{ルビ流離=さすら}う雲は 
違った形の膨らみで 
西から東へ流れゆく 

自 ....
行進するよ、おもちゃの兵隊は。
フェルトの軍服、爪楊枝のバヨネット。
木製のからだに口はないけれど、
スパンコールの勲章を求めて、行進するよ。

ファンファーレを吹くよ、フィーフィーと。
 ....
美しい赤紫色の旋律弾けて
夕日が沈んでいく
幕が下り
紅潮した顔も
明日になれば澄んだ瞳で朝を迎えるのだろう


   *


終わりなき道程も
休息を交えながら進むように
 ....
あんさん、覚えておきなはれ
京都のおんな、みんながみんな
はんなりしてるおもたらあきません
御着物似合うおもたらあきません

夜の先斗町はえらいにぎやか
酔っ払った兄さんたちがふらふらと
 ....
そこそこの底にはいつも君がいて
そこそこの底ではいつも雨
そこそこの底の君が濡れないように
そこそこの底までおおう傘をひろげる

闇にも鮮やかな黄色い傘に
金の糸で縫いつけた心星が

そこ ....
ベンジャミンさんのおすすめリスト(1262)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「星誕」(せいたん)- 月乃助自由詩3*09-6-26
ピクニック- 1486 106自由詩4*09-6-25
小さな小さな女の子- 蓮沼 栞自由詩509-6-24
曇り空が好きな心- 吉岡ペペ ...自由詩1009-6-22
とかげ- 銀猫自由詩13*09-6-22
道化師になりたいです。- こめ自由詩1109-6-21
祝福- ロリータ ...自由詩1009-6-20
地球儀- kauz ...自由詩11*09-6-19
24号線/快晴アオゾラ- Rin.自由詩28*09-6-19
ぱぷりか/ぱぷりこ- 佐野権太自由詩12*09-6-19
雨の日と日曜日は- nonya自由詩6*09-6-18
さよなら、鳩- 佐野権太自由詩17*09-6-17
不朽の私- 百瀬朝子自由詩9*09-6-16
ほんとうのパンツ- あおば自由詩5*09-6-16
変わっていく- こめ自由詩1809-6-15
イカフライと泳ぐ日- オリーヴ携帯写真+ ...1409-6-12
かさぶたの記憶- あ。自由詩20*09-6-12
赤い花束- ふるる自由詩14*09-6-11
雨曜日- nonya自由詩11*09-6-9
春の終わり- 伊月りさ自由詩16*09-6-9
防衛線- 佐藤真夏自由詩5*09-6-9
六月七日- nonya自由詩12*09-6-7
深夜放送- たもつ自由詩1309-6-7
幸福の条件- オリーヴ携帯写真+ ...1309-6-6
緋恋の指輪- 蒸発王自由詩4*09-6-5
ペネタの雲_- 服部 剛自由詩909-6-5
おもちゃの兵隊- 瑠王自由詩1*09-6-5
夕焼け- 乱太郎自由詩13*09-6-3
京都のおんな- あ。自由詩19*09-6-2
雨傘- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...19*09-6-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43