そこには居ないものの影が
たくさんの影に混じっている
やわらかい草と硬い草の境いめを
音はまぶしくかき分ける
紫に囲まれた桜色の道を
ふたりは手をつないで歩い ....
床屋から戻ると少年はいつも
美しい母の鼻先に
散髪したばかりの頭を近づける
あら、大人のいい匂いね
それでも早めの夕食が終われば
母は仕事へと出かけていく
男の人のもっといい匂 ....
ココロが純粋であるということは
ヒバリが空を舞うように
ひとつの高さを持つことだ
ココロが純粋であるということは
緑を緑といえることだ
山桜の樹液 ....
手打ちうどんをひたすらに打つ
真っ白な君の事を考えながら
手打ちうどんを
もち肌、もち肌と重宝されてるらしいが
もし手打ちうどんがお餅つきと同じくらいに
メジャーな催しとなった場合
....
始発電車
公園のベンチ
知らない道
街のショーウィンドウ
君の姿を捜している
100円の森であなたを捜す
あなたは私の5cm上で
森と遊ぶ
母さん
私は5歳です
あなたを見つけられなくて
今にも泣き出しそうなんです
今は大人の身体に居るから
平気なふりで立っ ....
吠えるものが増してゆく
渦まくものが増してゆく
雨の終わりに流れ込むもの
ひとつの腕に映り込むもの
うねりは低く増してゆく
車輪と鉄柵
夜の雪雲
曲がり角の精霊
火 ....
美味しい美味しいブブンヤキソバを君は作っている
キッチンは甲状腺のような白い匂いに包まれ
外の方はきっともっと広い世界が連綿と続き
幾多の人々が美味しい美味しいゼンブヤキソバを
美 ....
青いリンゴから始まる
意識革命
The Greening Of Japan
160?の剛速球で
すべての犯行をうちとる
表現の自由はもちろんわれわれの生活の ....
情けない君を
使い古した毛布にくるめて
その窓から
捨ててしまおうかと
思った秋の
寂しさとか
心細さとか
風に吹かれる葉っぱとか
おいしいきのこに
躊躇した情け ....
くすり指がちびた人の
ひんやりとしたリールから
がっしょがっしょと妻が走った
シッポー トト ト (朝は隣家も装い ふれるの
深呼吸のドレープの波に乗って
腕で掻き分 ....
男には三種類のタイプがあって
ひとりはイブに惚れる
もうひとりはマリアに惚れる
残るひとりはリリスに惚れる
というのを私は15歳のとき何かで読んだのだが
そのときすでにじゃあ私はダメだと ....
いつの間にか、
僕はちいさくふるえるひとになって
どこにもいきたくないの、と
だだをこねるちいさなひとになって
かおをくしゃくしゃにして泣いてしまうのでした
あのひと ....
決意から挫折するまで七秒五
白い君想い焦がれてうどん打つ
鳩を騙す我が心中の黒手帖
けだものの口からはいつも涎が垂れていて
その臭いは数百メートル先まで届くが
けだものは気づいていない
もちろん
涎が垂れていることに
けだものの体毛は針のように硬く
生えている ....
僕 達 は も つ と 一 緒 に ゐ る べ き だ つ た 。
遠 く で 鳴 く 蜩 の 夏 。
センレツナ
キオクダケヲノコシテ
キエテシマイタイ
火炎
のどから
くラいひぇン
太陽の
のどの奥から
ィ矢が出る
....
はるはだと {ルビ赤色=せきしょく}は
愛したような西風を
ほむらのようにはんでいた
遠くには玄関が
歩きだされた叫びのように
かたむき倒れた墓石のように
日は駆け落ちて 落ちた慕 ....
君が泣く夢を見たので今日僕は
形在るもの凡てを憎んだ。
エムと出会ったのは、ちょうど海の標識が立つ四つ角を曲がった交差点だったと思っているのは記憶違いなのかもしれない。御影石が欲しいというので三つ拾ってあげたところまでは、覚えているのだけれども、その先は ....
「クラシック」
稲穂の先端が
千切れて跳んで
千切れて跳んで
潮騒が跳んで流れる
音符が嵐が金色を色づけていく
鼓動と音階鼓動と音階鼓動
休符が僕を梳ってしまう
その
傷口のしぶ ....
ご存じの方もおられるかと思うが私はとある詩の批評サイトを運営している。それを始めて、来訪者の方々に接してみてはじめて気づいたことは、「批評」というとちょっと、と後込みをする方が想像以上に多いということ ....
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