普通の人の三倍も
稼げるようになってみて
三倍高いもの食べる
だけど割り合わない気持ち
三倍多く食べれない
普通の人の三倍も
稼げるようになったので
三倍プライド高くなる
だけど割 ....
光りのあしたが私たちの歌を聴いているとしたら
あしたも必ず光りのあしただ
、冬の梢がうなずく
ミモザからの約束のようにみずうみの漣もほほ笑んでいる、
という日になぜか
胸のどこかしらは強 ....
年が切り替わるとき
静かに消えていく光がある
それは生命の光であり
同時に死の光であり
いわば書き残された光である
時代は人々の生の蓄積とともに
わずかな地殻変動を繰り返し
そのうちの最 ....
青暗くて遠い夕方
路地から猫が振り返る
だいぶ遅い因果律
いのちの殻が振り返る
今ごろ順番かあ
これが俺の天罰かあ
からだの不調で
俺は死にそうだった
....
北
極星のもとに彼は立つ
視界に都市と荒野を広げて
その指先から綴られゆく言葉に
閃く叡智の稲光
西
葡萄色の雲を漂わす
美しい黄昏の瞳
彼は歌う 深々 ....
東の空に
赤銅の月が昇り
やがて金になり
銀盆となる
やがて夜が明け
月はアルミニウムになってしまった
好物のウイスキーを飲み
夜が更けてゆく
何となく腹がへり
あのネギラーメンが食べたくなった
其処までは100㎞
名古屋の味噌煮込みうどんでも良い
其処までは350㎞
あまりに ....
ビーズのように
煌めいてみえるから
私は掬う
その場しのぎの
粗い笊で
泥水みたいな夜のそこ
横切っていく
言葉の川
掬い揚げたら一層輝きをまして
ただの小石が詩のように光る日もあっ ....
「師走」というと
通り一遍の味けは凡庸だが
「年積月」などと言い換えると
陰陽五行説を想起して
なんとなく 芳香が
五臓六腑から湧きあがってくる
かくして・・・・
老眼を ....
回転しつづける君の夜に
墜落するイカロスのちぎれた翼を貼り付ける
思いつくままに貝殻を並べて手紙を綴る
離島の風景をきみの気を引く為に誇張して淋しげに
風化するものはそのままにまかせた ....
草の下の街
葉の影の底
光の板の重なりの塔から
三つの時間の羽がひろがる
子らは右を駆け
川は左を流れる
原が 水草が
光と光のまばたきを追う
水の ....
一頁をめくると
また新しい世界が広がる
知らないことの多さに慄き
悦楽に浸る
デジタル化できない
五万の文字を
ぼくはどう反芻したらよいのか
途方にくれる
今となっては
使わ ....
余命と寿命のあいだを
日々往復している
卒寿となったおひとりさま
にとって
それはありがたいことなのだ
往復切符の
砂時 ....
宇宙の底から重力が持ち上がる
月は半身の影武者
その肩が抱く光を受けて
私達は夜の深淵を歩くことが出来る
亀裂を伴った果実は秘匿を香らせ
罪の熟成を誘う
勝ち得た絆は
染まらない無垢 ....
純白の音響
広がり続ける 水底の
更なる深淵
蠢き渦巻く粉砕 無機
サザエさんの声優が
一人、また一人と
消えて行く
それでもサザエさんは続く
違和感を感じるのは
最初だけ
次第に慣れ
そして忘れる
己の実存が
掛け替えの無いもの
等と ....
霧によって大気が見え始める
霧は大気を着色するのだ
だが霧は大気に代替し空間に代替する
もはや大気も空間も存在せず
そこには霧があるだけだ
満たすということは
満たされたものを ....
片翼だけで空を舞う
もしもヨダカの鳥になれたなら
成層圏の彼方に浮かび
宇宙の果てを知っただろう
友達がいなくても
寂しさなどはない
銀河を旅する喜びは
何にも代えがたいものだから
....
どうせ風に吹かれてゆく石ならば
ころりころりと
吹かれていたい
人に踏まれ
タイヤに蹴散らされようとも
ぼくは
ぼくに変わりはない
坂道を転がった路の果てに
やがて結末はくるだ ....
パチンパチンと音がする
シュンシュン シュンシュン、音 響く
半端な冬の夜半過ぎ
黒ずみ弾ける二股鞘と
剥き出される真っ赤な種子
街灯に照らされアトランダムに
蒼い地面に撒き散らされ
....
苦しみは夜のネオンに芽生え
朝の日常に消える
そうして透明な世界は回ることができる
迷いは夜の闇に映えて
朝の陽光に存在を消す
そうして各々の生活が回り始めることができる
一人の人 ....
どうしても人には言えないことがあって
どうしても人には言葉にできないことがあって
ただ冬の林の中で落ち葉を踏みしめるだけしかないことがある
枯れ葉を一枚手に取って
溜息を吐き
そ ....
刹那と永遠の狭間で
ぼくたちは何処まで飛んでゆけるのだろう
離反と螺旋を繰り返しながら
金の龍と銀の龍は交わることなく
極微から虚無の果てまで
火の玉のように
何処までも飛んでゆく
....
まっ白いスニーカー
土砂降りの雨の日におろすきみ
ぼくのこころ、
ふるえました
おくびょうなのはどっちだろう
長靴履いて
ふるえました
お互い傘も
なかったころ
そう ....
カラオケで踊ってくれたPerfume思い出して急に寂しくなった
愛してると僕ばかりが言って 君は返してくれない
雪だるまのクリームパン 2割引きになってる
君からの電話がない ....
コンビニでタバコの銘柄を、聞き直されることが増えた。
滑舌が悪くなったのかもしれない。
一回で聞き取れない店員に、イライラするようになった。
動きが遅い店員に、イライラするようになった。
....
心は一輪の不自由な花だと思ってほしい
つまり摘まれることを拒むことができない
哀れなそれは
でも確かに一つの命だとあなたにわかることは
ないよ、ないよ、と今朝も鴉が歌ってはいるけれど
文壇の成績が神に認められ
夏目漱石は太陽になった
太陽になった夏目漱石は
吾輩は太陽であると云う小説を神に送った
文壇の成績が神に認められ
太宰治は土になった
土になった太宰治は一言
....
継ぎはぎだらけのタペストリー
隙間から柔らかな風が吹いた気がして
離島が点在する
静かな海をゆく船を夢想する
日常は羅針盤もないスケートボード
リュックひとつでバランスをとって乾いた ....
眠れない夜の羊たち
番号を与えられ順番に沈黙に浚われていく
まるでアウシュビッツの塀の中で
私の孤独は刃の欠けた短刀
羊たちの羊毛を剥ぎ取ることも叶わない
そして絶望も錆びれて
....
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