たとえば

雨の音で目が覚めて
カーテン越しのグレーの光に
唾を飲んで
身体をこわばらせる

それが世界だ

背中に貼り付いた憂鬱を
引き剥がすように
歯を食いし ....
詩と心中します

先立つ不幸を

お許しください
set me free、って
叩きつけるみたいに入力したって、

セット、ミー、フリー、って
喉が裂けるぐらいに叫んでみたって、

そんなの
何の意味もないことぐらい
イヤになるぐらい ....
スカートの裾に煽られて
舞い上がる花びらの中
きみはその白い指先で
空中に虹を描く

ああ
まるできみは
インディアンの娘みたいだな

虹の美しさの本質は
きっと
恐怖だと思うの ....
『クマ』

 すきだよ
 あいしてるよ と
 耳元でささやいたのは
 クマのぬいぐるみ

 そんなの
 ぜんぶウソ
 わかってるけど
 だまされたふりして
 ギュッと だきしめる ....
稲妻に撃たれて燃え上がる大木の下
くわえタバコでバイブル弄びながら
きみの背中から腰までの
緩やかに弧を描くラインを思い浮かべて
夢見るクスリ飲み込めば
月の裏までたったの5分
最終電車で ....
目を瞑ると
瞼の裏に
水色の花が
ゆっくりとひらく
そんな魔法
かけてあげよう
噴水が作り出す虹を
半開きの口で眺めながら
大人たちは
頬を伝う涙を
不器用に指先で拭う

地面に残る無数の弾痕
それを
無数の直線で結びながら
星座の形を踏んでゆく
子どもたち
 ....
海の底は
静かで
静かすぎて
気が狂いそうになる

岩棚に腰掛けて
マリンスノーが
降り積もっていくのを
サングラスを透かして
見つめてる

屍骸

ぜんぶ屍骸

降り注 ....
重い空気の層を
深く静かに潜っていく
透明なダイバー
海草のように
太陽の光を反射して
揺れるブラインド

妻が突然
勢いよく窓を開けると
マシンガンのように
降り注ぐ光の粒
撃 ....
道端で拾ったのは
意外にも{ルビ真実=ほんとうのこと}で
家に持って帰って
テーブルの上に
置いておいたら
そこから
あっけなく
家庭が崩壊した
ミドリの滑走路で
はだかのこどもがグルグル回りながら
死んだ猿の歌を歌っている

ミントキャンディー頬張りながら
虎を狩りにゆく
不眠症のホムンクルスたち

魚類図鑑に載っていない怪物 ....
道に迷って途方に暮れて
そんな自分が哀れで
みすぼらしく思えたの

しゃがみこんで
うずくまって
いっそ
この血まみれの足が
地面と同化するまで
ここでじっとしていようかしら

 ....
新しいページは
触れただけで指が切れるほどシャープで
真っ白いページは
あっという間に血まみれになる

歴史が一度終わって
すぐにまた
次の歴史が始まったのだが
あまりにも鮮やかな手口 ....
「森」というには小さすぎて
「茂み」というには大きすぎる
だが「林」という感じでもない
そんな中途半端な場所が
M公園の奥のほうにあって

その中途半端な場所のさらに奥に行くと
「広場」 ....
なんだかんだ言って モンダイは 系 っていう概念なのよ
と 女はピーナッツバターを塗ったポテトチップスを頬張りながら言った
爪の間に 黄土色のピーナッツバターが入り込んでいることや
足元のカーペ ....
もしも宇宙に
中心といえる場所が
あるとしたら
そこにはきっと
花が咲いているだろう
アクセル踏みっぱなしのまま
点滅信号を7つ通過して
あの クリーム色のビルディングまで
海の底みたいに静かな真夜中の街を
一目散にぶっ飛ばす

ジャスコで
待っていてほしい
約束の時間 ....
薄っぺらな液晶モニター
ただ一枚
この退屈な部屋に
だらしなく浮かぶ
リアルと
リアルでないものを
危なっかしく遮る
薄皮一枚

薄暗がりの中で
あいまいに発光する
液晶モニター ....
雨の中の噴水は
なぜこんなに悲しいのだろう

とっくに失くしてしまった何かが
奥歯のあたりで
チリチリと小さな青い炎をあげて
口の中に苦いものが広がっていく

誰のせいでもない
誰の ....
一ツ ヒトデのお母さん 死んでお空の星になる 

二ツ 不埒な夢を見て 涎垂らして目が覚める

三ツ 緑のガラス玉 小さなあの子の宝物

四ツ 夜通し月を観て 朝には目玉が真ッ黄色

 ....
諸刃の切っ先
喉元に突きつけられても
触れるまで気付かない
それほどの暗闇の真ん中で
足元の砂 蹴散らして
舞い上がる薄桃色の花弁で
鮮やかに描く 微光の軌跡
水銀灯に群がる羽虫のように ....
「どうだいこれ、すごいだろう?」
 そう言ってスヌ夫が自慢げに取り出したのは、とても立派な双眼鏡だった。
「テストで100点取ったごほうびに、パパが買ってくれたのさ」
「わぁースゴイねえ! 見せ ....
半透明の皮膜に覆われていく
丸まって眠る子犬

夢を見ながら
ときどき
ピクリと震える

ゆっくりと
蛹のように皮膜に覆われていく
その様子を
子どもが驚きの表情で見つめながら
 ....
爽やかな日差しを乱反射して輝く
茶色く澱んだ湖のほとりで
抱き合うみすぼらしい恋人たち

前触れもなく爆弾が落ちて
辺り一面は焼け野原になる

表参道の洒落たオープンカフェで
痙攣しな ....
いちご狩りに行った帰り道
バックシートでうたた寝する妻と娘の
少し開いた唇からは
いちごの匂いの吐息が漏れ
車の中はまるでいちご畑のようだ

高速道路の料金所で窓を開けたら
料金所のおじ ....
なにもかも
イヤんなっちゃって
涙なんかちょっと浮かべて
高いビルのてっぺんあたりで
遠くに見える
もっと高いビルのてっぺんあたりをにらみつけながら
手のひらを
握ったり
開いたり
 ....
公園には
人の影だけが
無数に灼きついていて
それを線で結んで
陣地を奪いあう

そんなゲームが
子どもたちの間で大ブームだ

大人たちも
同じように
無数に灼きついた人の影を
 ....
■■■すべて■■■過去に■■■吹っ飛ばして■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■流れる■■■景色の■■■■■■彼方に■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■猛烈な■■■■■■ ....
5年生存率88%

そんなふざけた確率論なんて
頭のいちばん片隅の
記憶のガラクタの山の中に
深く埋めてしまったはずなのに
あれから4回目の春が来て
そのガラクタの山に
小さな芽が生え ....
大覚アキラ(759)
タイトル カテゴリ Point 日付
世界自由詩506/5/9 16:07
遺書自由詩1+06/5/9 2:49
セット、ミー、フリー、自由詩2*06/5/2 0:42
インディアンの娘自由詩206/4/29 19:52
ぬいぐるみ 3篇自由詩206/4/25 17:46
オーヴァー・ザ・レインボー自由詩106/4/20 18:40
約束自由詩206/4/20 18:38
行く春や[group]自由詩306/4/18 18:30
image dive #2自由詩006/4/18 17:03
image dive #1自由詩306/4/18 16:04
ほんとうのこと自由詩706/4/14 11:03
グラス・オニオン未詩・独白1*06/4/13 14:24
末路自由詩3*06/4/13 13:10
ニュー・センチュリー自由詩206/4/12 14:21
神話自由詩106/4/10 17:55
ピーナッツバター系自由詩406/4/10 12:07
_自由詩006/4/8 12:52
ジャスコで会いましょう自由詩306/4/7 18:29
リアル自由詩206/4/5 19:31
噴水自由詩006/4/5 13:02
ろくでなしの数え唄未詩・独白106/3/30 18:40
桜花[group]自由詩306/3/30 10:25
『ビショビショビショービジョビジョン』散文(批評 ...6*06/3/30 3:34
ナイロン未詩・独白006/3/30 2:42
anti dramatic自由詩206/3/28 13:13
いちご狩り[group]自由詩5*06/3/27 16:25
20階のモスキート自由詩3*06/3/23 17:57
パーク自由詩206/3/20 19:12
StarGuitar自由詩1*06/3/20 18:20
88%[group]自由詩206/3/20 12:03

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