とうめいの骨の
おくのおくの ずっと おくのおく、から 
虹をかみくだくおと、が
きこえる。

(八方美人!
(恥知らず!

てんし、と
あくま、を
はらんだ夜が
鎌首をもたげる ....
卵から孵った雛が、初めて見た太陽を母親と思い込むように、俺はあなたを好きになった。

中学二年の春、勝ち気な瞳をしたショートカットの女の子に出会いました。「サヨナラ」、その子と初めて交わした言葉で ....
ながい沈黙が饒舌をはらみ
言葉を産みおとすとき
海がきこえる。

海をついばむのは
歌を忘れて後ろの山にすてられた途端
歌いはじめたあの金糸雀でなければならない。 

瞬間という永遠が ....
「ひとつだけ、たしかなことがある。たしかなことなど、どこにもない、ということだ」 Henaさんが、好物のチョコレートを囓りながら、珍しく確信に満ちた声で言う。
 武漢で、新型コロナウイルス(以下「コ ....
やさしさだけがあるひとのなかに
太陽(コロナ)がおちて
夕焼けがおわった。

冬の空より退屈なひとね
水がいった。
そういう水も
そうとうに退屈なかおをしていて
おおきなあくびをしてい ....
私のわたしは、ワタシではない、と
おおくの私は言うけれど
私が私であったことなど
これまで
ほぼ四十億年
なく
だからといって
今の私を
わたし、や
ワタシ、や
私、にさえ
した ....
朝もやのおもみで
水面までおわれた
口をなくしたカゲロウたちの叫びを
なきだしそうなそら見上げながら
すくい取っている。
かたわらに ひとり
片足で立つ刻の守人は、
つばめよ、
今、 ....
季節があわただしくすぎてゆく
いま、どこにいるのだろう
さっぱり わからない

わからないから歩いている
ながいあいだ歩いてきたような気もするし
ついいましがた歩きはじめたような気もする
 ....
ぼくたちには
かたちのちがう
セイゴ
、が
ある。
ふつうに およぐには
とても ふつごうな
トゲだ。

なぜ        
こんな
ややこしいものが
うまれたときから
あ ....
ひかりのうたは
やみのなかで
うたうのがいい

いつも  
はにかむようにわらう
あなたのえがおに
かげがない と
きづかれないように

きょう
まんかいのさくらのなか
はれつ ....
じゅっくりと
溶けていく氷山の
あゆみは
まるで
ひとの
含羞のようで     
ヴァギナのようで
ペニスのようで。 

こんなときには
コルトレーン

アキモトチエミ
の ....
こるが一番うまか
そう言ってオヤジは
宝焼酎のお湯割りを飲んでいた

焼酎九、お湯一
ほとんど宝なその飲み物を
旨そうに、グビッ、と飲むオヤジの顔は
幸せそのものだった

おれは そ ....
まいにち つくる
 きみのべんとうは まいにち
 ぼくが つくる

 だって きみは
 まいにち まいにち
 はたらいているんだもの
コロナあいてに
 キリキリ ギリギリ
  ....
カゲロウのようなヒトだと
おもったんだ。

はじめて
からだをあわせたしゅんかん、
カゲロウのようなヒトだと。

うまれたときから、
たべるための、
はなすための、
クチをもたない ....
 オリビアニュートンジョンの「そよ風のメロディ」が流れている。
 初夏の涼やかさを邪魔しないほどよい音量で。
 午前七時。ゆるやかに風が吹いている。
 ほうれん草を混ぜ込んだポパイパンを齧り、苦 ....
 幅一センチ長さ二十センチほどの白い縦のラインが、床面から一メートルくらいの位置に、三センチずつの空間を空けて整然とならぶ、わたしの身長の二倍はゆうにこえるあたたかみのある厚い窓ガラスの内側に置かれた .... ひかりのうたをうたうのは闇のなかがいい。

ハニカム笑顔には影がない。
満開のサクラのなか
破裂しそうに生きてきた
ひとりを見た。

 ひかりを求めることなんか、やめたほうがいい。
なつかしいテレピンのにおいよ.。
生真面目な心臓に、手かせ、足かせ、口かせ、黒い皮紐。縛り上げて、食い込む、青空。青空に、ねえ、青空に、きみ、青空にさ、青空に磔にするんだよ、なんども、なんども、なん ....
 ここにくるようになって、もう何年がすぎただろう。何年? いいや、何万年、何億年という時がたっているのかもしれない。ふかい眠りからさめたときには、すでにここにいた。それはたしかだ、とおもうし、だれもが ....  ここに来るようになってもう何年が過ぎただろう。何年? いいや、何十年、何百年という時が経っているかもしれない。深い眠りから覚めたとき、俺はすでにここにいた。それは確かだ、と思うし、みんながそう口をそ .... いくつもの
打ち上げ花火が
わだつみの瞳に 
いくつもの放射状の闇を
咲かせる

ひとりでも 
充分に満ち足りていた青空が
ひっそりと
眉をひそめる気配がする

新月が
闇に照 ....
 優しさだけがある人のなかに 太陽がおちて 夕焼けが終わった
   冬の空より退屈な人ね
 ひなた雨がいう
 そういう雨も そうとうに退屈なかおをしていて おれも ついおおきなあくびをした
  ....
スカバロフェアに行ったことがあるかい? 
ケンジが訊くから、ベンが待っているならね、と答えてやった。
ケンジは、ん? という顔をして犀のような目でわたしを見つめた。
ただでさえさえない顔が、間抜 ....
 青鷺は、一声鳴いて、大きな翼で空をたたいた。翼のひとたたきで、番人の本来あるべき位置にもどったとき、「二人とみんな」の姿は見えなくなっていた。
 茜色になった風が、吹いてきた。
 番人は、口を大 ....
くすり、
笑うのだ なにかが。
ほら また 小さく。

虹の根元を掘っていると かすかに 聞こえる。
やはり、今日という日は、なにかを捨てる日だと、笑うものがいる。
佇む風は とまどいを隠 ....
シャンデリア
                    空のにおいが
なないろの真珠になって
くもの糸にきらめく朝、
なつかしい音楽を
聴いた。

それは
くさむらか ....
さよならなんて言わないよお
おおきな風が叫んでいる。
Auf Wiederse~hen
またね と 天から吹いてくる。

あおい風が
くびれた腰のトルソーをつれていった。
湖のまん中の  ....
 穏やかな秋晴れの日に、絶望の角度を測っていた。
「その角度は、希望だ。死に至る病だ。間違いない」
昂然と、苦渋に満ちた青白い顔を上げて叫ぶ男が近づいてきた。

── おかしな事を言う。  ....
 佇んでいる。
 びたりとも動かない水だ。
 この夏、そんな水を見た。
 早朝、いつものように堤防道路をのったりと散歩している時だった。ぼくは、不意に気づいたのだ。音がしない! いつもの音がしな ....
 佇んでいる。
 びたりとも動かない水だ。
 この夏、そんな水を見た。
 早朝、いつものように堤防道路をのったりと散歩している時だった。ぼくは、不意に気づいたのだ。音がしない! いつもの音がしな ....
草野大悟2(167)
タイトル カテゴリ Point 日付
蝙蝠と檸檬自由詩821/3/30 11:50
刷り込み~緑色に輝く透明な空の彼方に・・・自由詩421/3/22 11:24
言葉自由詩421/2/17 11:21
Henaさんのチョコレート自由詩021/2/1 9:54
退屈な水自由詩321/2/1 9:50
WATASHI自由詩320/12/11 9:44
つばめ自由詩420/12/3 8:14
記憶自由詩820/10/31 9:30
せいご自由詩220/10/8 20:32
えむ自由詩320/10/6 8:34
あゆみ自由詩120/10/1 21:41
宝焼酎自由詩320/9/26 10:00
きみのべんとうはぼくがつくる自由詩120/6/3 12:09
いつも自由詩120/5/30 22:22
風のテラス自由詩120/5/1 8:18
風のテラス(ちいさな死)自由詩2*20/4/7 3:32
えむ自由詩120/3/3 21:01
生真面目な心臓のためのダブルスタンバイ自由詩320/3/1 9:23
とおい記憶自由詩320/2/7 9:42
静寂という名の暴力に支配される凶暴な冬は嫌いではない自由詩120/2/1 9:23
ザクロ色の光自由詩120/1/25 14:06
天泣ファンタジー自由詩319/10/17 10:40
獏、仕事する自由詩318/4/3 10:19
自由詩218/4/3 10:17
囓る自由詩318/2/27 19:47
シャンデリア自由詩618/2/16 19:49
A day in the life自由詩418/2/15 13:12
絶望の角度自由詩317/12/10 8:46
わがままな水自由詩1117/12/9 10:45
自由詩217/8/9 23:33

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