しあわせを数えて
ありがとうを発信する


予報よりも少し早めに
桜のつぼみが開き始め
相変わらず月も綺麗で
喉の奥がきゅっ、と鳴る


ひとりでもふたりでも
ひゃくにんでもせん ....
カルピスの底みたいな白濁色に
おぼれてしまう人を笑うことなど出来ない


明かりがいつも灯っているわけではなく
でも闇ばかりというわけでもない
はっきりしない色に囲まれて
遮られた視界を ....
大きな声を上げて喜ぶ子どもと肩車する父親
隣でカメラを構える母親
恐らくまだ若いのであろうカップル
日曜日の動物園は賑わう


君の口からは
たくさんの刃物のような言葉が発せられ
こん ....
甘い香りに全てを奪われ
何から伝えたらよいのかわからなくなった


不意に瞳に触れるのは
隅に佇むすべりだいと
少し汗ばむわたしの右手


人の手では作ることは出来ない
きっと生ま ....
(地下の喫茶店ではジャズが流れ)
しかし、あれですな。
どうしました?
最近の禁煙推進運動にはほとほと困り果てております。
そうですね。
我々喫煙者の肩身がとんどん狭くなっておりますよ。 ....
もしかしたら今
泣かなければいけなかったのか


こころをぐっと鷲づかみにされ
大きく揺さぶられている
その振動があまりにも激しく
器だけ壊れそうで中身は動かない


小声で流せば ....
肩を叩かれた気がして振り返ると
日が沈もうとしていた


曖昧な藤色の空にうっすらと月が照り
のっそりと歩く野良猫の姿も徐々に溶ける
全ての輪郭がぼんやりとしており
書きかけのデッサンの ....
家から少し歩くと公園がある
公園と言っても小さな広場にベンチがあるだけで
駅の側だし隣はパチンコ屋だし
おまけに向かいはコンビニがあってネオンがまぶしく
つまりは大変に騒々しい


気持 ....
昨日の雨は上がって
今日はよく晴れた日だ


大きな音楽をかけて通り過ぎるのは
灯油屋のトラック
たくさんの鳩が止まった電線は
重たげに弓形を描く


当たり前の朝だ


 ....
たんぽぽの綿毛が木の枝に引っかかっていたから
指先でつまんで土に植えた


花は咲き木々は茂る
虫がいて動物がいて人間がいる
目の届くだけでも
数え切れない種類の命があり
全体数など計 ....
もうずっとずっと昔のことだ


公園でかくれんぼをしていた
わたしは見つからないように
自分よりも背の高いしげみに隠れた


しゃがんでふと斜め上を見ると
大きな蜘蛛が巣を作っていた ....
風に乗り運ばれる香りに
鈍感なわたしは気付かず
考えているようなフリをしながら
本当は何も考えていなかった


下校している小学生が
ランドセルをかたかたと鳴らしながら
跳ねるように歩 ....
駄々をこねて欲しい欲しいといえば
泣いてわめいて地団太踏めば
気付いてくれるのかもしれない
仕方ないねと苦笑の一つでももらしながら
与えてくれるのかもしれない


そうするには
大人に ....
少年と手をつなぎながら
寒いねと言い合っていた
もうすぐ陽が落ちる帰り道

ふと手がほどかれる
目をやると
さっきまでつないでいた手に
綿毛になったたんぽぽ
この季節には珍しい

 ....
季節と季節の境目を
ぐっと引っ張り糸を千切る
結び目が外れ曖昧になる


ひとところにじっとしていられなくて
うろうろと歩き回る
だんだんどうでもよくなって
二つをまたいで大きく寝そべ ....
忘れているつもりは、なかった
ちょっとうっかりしていたのだと思う
言い訳がましいね、何だか
本当にごめんね


いい天気が続くと
空を見るのに夢中になってしまう
雲の流れには気付いても ....
まだ背の低い中学生だった


キリスト教系の学校だったせいもあって
敷地内には教会が建っていた
戦時中は負傷兵の収容に使われていたという
改築はしたことがないらしく
昼間でも暗くて冷やや ....
つまさきだちで空をのぞくと
くるりと回転しそうになった
笑うだけなら
泣くだけなら
簡単だ



からっぽになるのは楽じゃない
何だかんだで思考して
自分勝手に感情は波を立てる
 ....
さっき雨があがったみたいだ



まだ雲は多いけれど
隙間から光が覗いている
さっきまで色とりどりの傘で賑わっていた風景は
家路へ向かう早足の靴音と
閉じてしまった傘の申し訳程度の色彩 ....
ぽこっと開いたコンクリートのくぼみに
しとやかに雨粒が埋められてゆく
雨粒はくっついて水たまりになり
ごうごうと吹く風に水面を泳がせている



ほら この大きな木
わたしよりもうんと ....
錆びた自転車がペダルをこぐたびに
ぎいぎいと耳障りな音を立てる
右足でライトを点ける
ぎいぎいの上に
ライトの点くぐんぐんとした音が加わる



太陽の出ている時間に外に出ていないと
 ....
かたことと鍋のふたが鳴る
火を弱めて中を覗けば
綺麗に透き通った大根がくつくつ
湯気に顔が火照る


昨日の雨はすっかりあがり
太陽が柔らかく照らす
洗濯物がはたはたと
光を吸い込み ....
昨日の悲しみも喜びも
お持ち帰りは出来ません


沈む夕日と一緒にばいばい


明日はどんな日に
なるのかな
空気は薄い膜を張る
破れそうなほどに薄く
でもしっかりと光を受け止める


太陽も月も星も
全部


昼は柔らかくなり
夜は澄み切る


指先が痛む
耳の奥も痛む
心は熱 ....
そしてボクはさかなになった


流線型にふちどられ
いつまで続くかわからないうねりを眺め
光の乱反射を遠くに感じながら


このまま泳げたらいいなって
明日も明後日も
ずうっとずう ....
かたかたと
少し間延びした車輪の音で
汽車は走る


稲穂が揺れて
風と戯れ
小さな花は
恐らく名もなく


数え切れない
視界に捉えきれない金の波は
さわさわと陽光を受け
 ....
ごめんな
ごめんな
痛かったやろ


ちゃうねん、お母さん
おんぶしたろって思っただけねん
だって、まだちっちゃいから
車が多いとこは危ないかな思ってん


道路の真ん中で
落 ....
色彩は
とても美しく
あったのでした


あどけない空を
飛行機雲がすうっとたち
あおいあおいあおが
喉の奥まで入り込み



それは私の中の何処かで
ぱちんぱちんと音をたて ....
あ。(178)
タイトル カテゴリ Point 日付
余らないほどの感謝を自由詩5*09/3/24 14:39
カルピス自由詩14*09/3/20 18:46
盲目の象自由詩5*09/3/20 0:30
ばらいろ自由詩5*09/3/18 15:24
灰皿自由詩5*09/3/16 19:37
外は時雨 こころはまだら自由詩2*09/3/13 20:50
夕暮れに呼ばれた感情自由詩2*09/3/10 13:34
公園で自由詩8*09/3/8 0:06
とおい水自由詩5*09/3/4 11:51
数え切れない命のひとつでも自由詩5*09/3/1 22:39
ふるえる糸自由詩6*09/2/27 12:05
花言葉は「永遠」自由詩3*09/2/26 17:12
いたい自由詩4*09/2/22 15:17
たんぽぽ自由詩2*09/2/18 20:15
三寒四温自由詩3*09/2/17 18:50
空の青さを見つめていたから自由詩3*09/2/16 13:30
教会自由詩7*09/2/14 15:23
きりん自由詩3*09/2/6 20:17
自由詩1*09/2/3 18:12
雨、もよう自由詩2*09/1/30 21:31
レコードショップの隣に自由詩3*09/1/26 21:38
風景描写自由詩3*09/1/23 12:24
ばいばい自由詩309/1/1 20:10
冬が、来た自由詩7*08/12/2 20:58
そしてボクはさかなになった自由詩508/11/20 14:10
銀河鉄道自由詩4*08/11/17 19:48
おとうと自由詩308/11/9 10:20
色彩自由詩3+08/11/5 20:53

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