花言葉は「永遠」
あ。

風に乗り運ばれる香りに
鈍感なわたしは気付かず
考えているようなフリをしながら
本当は何も考えていなかった


下校している小学生が
ランドセルをかたかたと鳴らしながら
跳ねるように歩いている
背よりもはるかに大きな老木は
重い枝をだらりとぶら下げ
すき間から太陽の光を覗かせる


もしも絵が描けるなら
この風景を描きとめて置くのに


一房だけぽろりと落ちたその花は
沈丁花という
さっきの香りはこの花だった


出来ることなら
この風景を
この香りを
終わらせることなく






自由詩 花言葉は「永遠」 Copyright あ。 2009-02-26 17:12:21
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