たんぽぽ
あ。

少年と手をつなぎながら
寒いねと言い合っていた
もうすぐ陽が落ちる帰り道

ふと手がほどかれる
目をやると
さっきまでつないでいた手に
綿毛になったたんぽぽ
この季節には珍しい


飛ばしたいというので
少し離れたところに見える
土手に向かって飛ばすといいよと言った


真っ赤な頬を膨らませて
ふうっと綿毛を飛ばす
側を走る車のせいで
不規則にくるくると空に向かう


来年になったらいっぱい咲くかも
と言うと

じゃあまた来年見にこなあかんな


私の手を再び握って歩き出した




自由詩 たんぽぽ Copyright あ。 2009-02-18 20:15:25
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