地面におちてはじけて消える雨粒は幸せである

夜が明ければ溶けて消える雪だるまは幸せである

では、溶けて消えることができない、このわたしは……?

ああ、はじけて消えることもできない ....
あなたの
骨に
刻む
エピグラフ
太陽にあざわらわれながら

街をゆく私。

散逸した書物を

一枚いちまいあつめて

一冊の本に綴じるのが

おれの人生だと

わかっているのだが、

認めたくなくて

 ....
移り気な西日が照らす部屋の隅折れた線香ぼうと立ってる ソーダ水を一杯ください
銀輪の男は言った。
空に白雲 道に影。
道程は遠い、はるかなる世界
魔法瓶たたき壊して魔法解くランプの魔人出てこないのか 明滅する灯に寄す魂、

プラットホームの亡霊が語る、卑猥なる永遠。

棚から転げ落ちる銀食器の音、

ちいん、骸骨。

降りしきる雨に濡れた館へひびく足音と応じる。

こつこつ、積 ....
仰々しく咲く蓮の花

水中では茎が悪夢めいた脈絡のなさで

もつれ合いからみ合い

人は睦み合い、それは否であり是であり

泥をむさぼる同化作用をもつもの

そんな大輪の蓮華が今日 ....
ざっく ざっくと土を掘る

今日も明日も土を掘る

まだ見ぬ{ルビ敵=かたき}にであうまで

ざっく、ざっくと土を掘る。

墓穴の道連れは多いほうがいい

銃剣の先を

じっと ....
夏前にのびる淫らなほうき草

鎌振りて麦の首うて農民よ

工場でつくる野菜の新鮮さ
珊瑚の海へ網を{ルビ擲=なげう}つ
珊瑚は言葉。海は人。
魚は?魚はこころ
どんなに網をなげても魚はつかまらない。
海は青く、空を反射して波打つ……
石炭袋いっぱいのバンシーの泣き声
蓮の根は汚泥の底を這い、
黒い魔女たちは沼の花を讃え
暗がりの中にうずくまる。
草茂る屋敷にて

双子の少女暮らして

甘い囁きをかわして

陽だまりに小鳥は囀り

鏡の前であたたかな食事をとって

いつまでも幸せな四人だったという。

この世に人は絶えて ....
人殺し紙の上では簡単に

文学につばを吐いたら寒椿

穀潰し生まれてくれば皆殺し

指輪踏み足に穴あく悔しさよ

黒光りする虫が這う台所

他所行きの服がないから街に出ず

暗 ....
天上の調べに狐と踊れ
路銀の足りぬ旅人よ
目を開き見よ、めくらの花を!
ああ、紅の陽は燦燦と燃えて……

香辛料たる言語のソースは堪え難き薫り高さで
ロゴスとパトスの投手戦!
九回裏はま ....
(遠景)

空に航跡

青い骸骨、と桜色の眼窩。
が、見ている土気色の梅。

ルドラークシャ・アーガシュクの季節がまた巡ってくる

(転回)

砂に足跡

れ、れろれ、ら、ら ....
永遠に貴女愛すと嘯いて空に航跡描く夢見る あまりにも白々しい骨。

雪よりも小汚い、

血に肉が親和するように、

骨に音楽が融和する。

「種子を植えろ、荒野へ!」

砂、砂があるゆえに白い砂漠。

(水 なくて白く ....
泳ごうか、とぼうか

愛機に祈るか暁に祈るか、

暗く閉ざされた青のなかで

惑いながら

魚になる魂。

受肉せざるもの、すべてに灯をともせ!

雪、ふりつもる雪。

銀 ....
肉もつものの哀しさ。

調べ。

時間の「蒼さ」。

速足で歩く、妖精は

少し透けて見えて

その翅が、

四枚ひと組の世界を示す。

エーテルのなかを泳ぐ、炎の{ルビ魚 ....
春すぎて夏もすぎれば職もなく

蛍雪にかわる光かモニターよ

俗世からひと足先に飛び降りる

廃棄喰い己が身分の足るを知る

白米に蛆のおもかげ見ゆるかな

蓮茶飲み誰か故郷を思は ....
にじのうらがわに

手を伸ばしたら、なにがつかめる?

{ルビ感覚質=クオリア}にとらえた{ルビ藍色=インディゴ}は

空色より哀しみに近く

ながく 長く尾を引いて叫びまわる。

 ....
高原漣(142)
タイトル カテゴリ Point 日付
幸福論自由詩3*12/3/12 0:36
無銘自由詩3*12/3/11 2:44
ペイバック/ペイパーバック自由詩112/3/10 13:59
寂しい日々短歌012/3/10 0:50
走行自由詩112/3/9 22:31
荒々しき人短歌1*12/3/9 2:09
卑猥なる永遠自由詩112/3/9 2:04
大菩薩池自由詩3*12/3/8 1:54
死をとりあげられた兵隊自由詩1*12/3/7 1:37
きょうの野菜川柳2*12/3/6 2:13
投網自由詩2*12/3/6 0:36
沼の宝石箱自由詩112/3/4 22:49
四人家族自由詩2*12/3/3 10:05
きのうの賎流川柳〜send you〜川柳112/3/2 22:19
テロメア自由詩1*12/3/2 1:03
無記名の朝自由詩1*12/2/28 22:53
simoun短歌4*12/2/28 0:45
白の断章自由詩2*12/2/27 2:26
青の断章自由詩1*12/2/25 3:44
赤の断章自由詩012/2/24 2:34
青草句集俳句0+*12/2/22 23:26
seven colors自由詩012/2/22 2:39

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