酸素魚雷を知ってるかい?

無航跡で射程も長い

ぶち当たれば敵の艦は木っ端みじんさ

すごく強いんだぜ

ぼくの手首をみてごらん

さざなみの痕がみえるだろ

知ってるかい? ....
おお、彼は心臓売り

飯屋の上のらしんばんを見よ!

可燃性の心が散り散りになって、

またきりきり舞いして墜ちてゆく

風防の横にはまだひとつも雀の絵が描かれていない。


る ....
夢のきざはしから空に向かって自由落下してゆく赤い魂

魚の子は寝相が悪い

鱗が見せる遊色効果で

虹がちらつく

昇っているのか  降っているのか

それすらわからずに

霧 ....
水晶の谷に雪が降る

青い量子の雪だ

ゆらぐ

水晶はちらちらと輝く

輝ける季節

冬も夏もない水晶の谷に雪が降る

ララ、歌おう

水晶の谷にいま雪が降る、雪が降る
 ....
はたはた旗はひらめく空へ

それは抗う文化殺害者に

ネジ穴から出てきた

迷子のまいごの卵巣が

空中並木をゆらり、 歩く

あいつは早引けしてきて

メトロノームを食べ ....
今宵も天蓋が咲く

高く鳴り響く単調な笛の音

星のまにまに墨は流れる

赤青黄色の死せる光が降りそそぐ

壺中にすら天がある

狭い空といえども

しかし

決して手が届 ....
幽霊の正体を知っているだろうか

枯柳だろうかそれは

それはそうだろうが

そうでもないんじゃないか

あの丘には曰くがあってな

茨冠被りの貧相な男が

死んだとか

 ....
夥しい死を楽しく貪る蛆虫たち

糜爛した街々を闊歩、闊歩、かっぽ、かっぽ。

右手に見えてくる男の居ない高い城 そうあれは……

高炉に偶然生まれた真空、

そのなかに、

    ....
本日はドラディヤの錬銀術師こと、エスメラルダ・ザナドゥの話をしよう

彼女の生涯には謎が多い。

廃火歴449年(452年とする説あり。※要出典) クゥインヤ西部のアエルダートに生を享けた彼女 ....
いつか私が寝台で

眠るように死んだなら

意思を持った肉切り庖丁がきっと

私のことをバラバラにするだろう

肉切り庖丁はこうもり傘と友だちで

その彼女は実はミシンかもしれ ....
万物理論(Theory of Everything)を携えて来るそれは

人でも神でもなく

一切を

謹厳に

すべての力を統べ

しかし、

哲学的な亡者どもは

自動 ....
名を持たない者たちに{ルビ識別コード=なまえ}を与えよ

壜のなかはくすぶった魂でいっぱいだ

すし詰めといってもいい。

あたかも{ルビ薬室=チャンバー}のように

圧力が上がってい ....
SとN、極地のカクテルをあおる、しろがねの髪のアリス。

右手と左手に人間の磁場。

吸気/圧縮/燃焼/排気

一連の流れで魂はすり減るのだろうか?

確かめたいな。

真夏のすべ ....
愛蔵された内臓

視界の端に捉えた死海の嵐

これらに笛を吹きつつ

解決する領土問題

売りに出された仔猫の心臓

入札者は誰?

肋骨の隙間からのぞいている小さな国

 ....
その昔、涜神の玩弄者あり。

棺に少女は横たわり

暴風を越えて征く

朝凪の中で消えてゆく

陽光の最後の一片を

スポンソンから見おくる

側方の銃手

傍らに小さな函 ....
ぼくには夢がない

あえて挙げるならそれは

浮標

見ろ、

エルベの蛍

を、

{ルビ城=ブルク}も{ルビ森=バルト}も遥かかなたにして

ダンケルクの沖に漂っている ....
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

五月の雨は上がった。

枯れ森に薪を伐りにいくことにする。

水飲みガチョウの有無を伝えられたし。

また、カタツムリは右巻きか、左巻きか?
 ....
<破れた紙片に文字が記されている……>

まず両足を肩幅に開いてまっすぐ立ちます。

次にアルタ・マヴラ水行式を起動します。

ベッダ部分をアーレイ位置からワンギュラ位置へ移動 ....
今夜オリオン座の近くで

タンホイザー・ゲートのオーロラを観ながら

一杯やりませんか。

降りしきる雨の中で

歌うように涙を流す『あなた』

消え去った星々の最期の光をその雫に ....
そちこちで鐘がなる

それは時を告げる鐘

そちこちで鐘がなる

それは空襲を告げる鐘

{ルビ高射砲塔=フラックタワー}は天を仰ぐその腕を

空征く侵略者へと伸ばす

鐘の音 ....
ほらほらこれが僕の心臓

腥い漿液にまみれて

コッチコッチと時を刻む銀時計

この貧相な胸からとりだされて、

陸に上がった魚みたいに

苦しそうに秒針を回しているだろう?

 ....
奇妙な果実が電信柱になっている。

だれかがトーポリ!トーポリ!と叫ぶ。

淫蟲が耳から入ってきて、

オール淫ワン、これは重大淫シデント

たちまち焚書官がかけつけて、

「危な ....
マテリアルが火花を散らす

エーテルのなかを炎の{ルビ魚=いお}が泳ぐ

過給器で圧縮された霊は

銀を伝って射出される

真名を交換したものたち

いまどこで戯れているのか
{ルビ戦闘蟲=せんとうき}の背に乗り、砕けた空をかける

火を知った{ルビ同胞=はらから}に帰る土は無く

蒸し暑い日には腐った雨を窓から見て歌など吟じながら

長い長い午後を過ごす。
ホリゾンタルな視線にさらされて

少女はストラトハンマーをふりかざす。

三千世界の鴉を殴り殺してなお、

万雷の拍手なりやまず。

凡百な思考はネジのゆるんだ孔からしのび寄る赤錆に侵 ....
雲間に死者がわらう

新月 それは

冥界のヴェール

鈴を鳴らして歩け、魂惜しくば

合唱団に見つからないように

どこかでサイレンが鳴る

返報がある

耳鳴りのように ....
{ルビ斬る=アン}/{ルビ叩く=ドゥ}/{ルビ潰す=トロワ}

ベートーベンのリズムで剣は

標的「甲」を なます切り

凪いだ湖面に反射する光

われが、われだけが

爪弾く小夜 ....
(無音)

ずっとずっと少女は旗を振っている。

なにを言わんとするのか

なにを伝えんとするのか

一切、わからないが

その表情は切実で、真剣そのもので

真っ黒い旗を必死 ....
手を離したら

消えてしまうあなたが

So far

感情を漂白した

洗剤を飲んで泡を吹いた



蟹には勝てなかったよ……

白金の髪の乙女よ

あなたは、蟹に ....
ちゃんと蓋をして

死が漏れてしまうから

雲を払わないで

詩が見えてしまうから

時間をしまった箱は青い。
高原漣(142)
タイトル カテゴリ Point 日付
torpedo自由詩4*12/9/2 21:08
一勝十八敗の飛行機乗り自由詩1*12/8/31 21:07
くりかえし何度も何度も自由詩2*12/8/25 12:14
この世のどこかにすべてが水晶でできた谷がある。自由詩1*12/8/23 0:18
スカラ座の廃人自由詩012/8/21 0:13
空といえども自由詩1*12/8/20 1:52
丘に立つ亡霊自由詩1*12/8/17 18:57
自由な蛆虫自由詩0*12/8/16 2:08
ドラディヤの錬銀術師散文(批評 ...2*12/8/14 22:51
いつかくる終わりに向けて引き金を引け自由詩1*12/8/8 23:08
万物の調停者自由詩2*12/8/7 3:23
魂への修辞自由詩2*12/8/3 11:51
アリスの塵自由詩0*12/7/31 0:56
心臓の領地自由詩0+*12/7/26 3:06
ブレーメンの爆撃隊自由詩1*12/7/22 15:09
ファーデルハイデの青の愛自由詩1*12/7/12 3:49
フエント9よりパルディーゾ7へ【書簡】自由詩1*12/7/10 17:10
心に唱えるコードは水のイグニス自由詩1*12/6/23 23:51
剣の走者自由詩1*12/6/22 19:01
高射砲塔のある街自由詩0*12/6/21 3:17
天使の限界自由詩1*12/6/18 22:27
逆回る自由詩0*12/6/9 0:52
金魚注意報自由詩0*12/6/7 12:15
超自然の楽園にて自由詩0*12/6/3 12:44
やまなしアリス自由詩0*12/6/3 2:29
貪狼の日自由詩1*12/5/30 0:09
月蛟自由詩1*12/5/27 20:37
自由詩3*12/5/23 2:43
ぷらちなクラブ自由詩012/5/16 0:31
ブルー・ボックス自由詩4*12/5/10 22:42

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