月の石を見つけたいならウサギに付いていけばいい。
もしも猫が見ているならそれは僕を観察している。
無いよりあれば良いもの。きっと沢山あるけれど、
あっても使ってないならば埃をかぶって虫が喰う。
 ....
想いたいから想うのは個人の自由の範囲内。
だから貴方を愛した。私だけのご都合で。
だけど見返り求めるのは私の自由の範囲外。
それは貴方の権利。だから拒まれた。
恋、なんて厄介なもんは禁止になっ ....
手の平に刺さった刺を針で追うと、
吹き出すような声とともに刺は奥へと引っ込んだ。
夢の中でさえ上手く家族と付き合えなくて。
一緒に出てきたゲームの画面は昔を懐かしんでるのかそれとも歪んだ感覚か。 ....
水風船をぶつけられて
笑ったけど人知れず泣いてたあの子は
明くる日 きらめく水晶の舟で
だれも知らない金色の国へ だれにも告げず旅立った


水風船をぶつけて
実は謝ろうか謝るまいかと悩 ....
夕立が来るというから髪を切りに行くのを止めた。
予約の電話もしてないから混んだら時間もかかるだろう。
貴重な休みなのだから出来るだけ有効に使いたいのに。
こうなるともう向かいのスーパーに行くこと ....
ずっと忘れていた気がする
夏は何より朱いこと
日差しがこんなに眩しいから
かざした手中に映る疾走

『朱夏』

海の音が聞こえてくるのは
遠い遠い昔の記憶
彼方の空に見えるのは
旋 ....
お気に入りだと言う匂いのついた消しゴムや、お洒落なロゴの入った定規。

表紙の絵柄の可愛いノートに、綺麗な色を引けるペン。

私と違って「たったひとつ」のあるもの達。

代用品など幾つでも ....
だいたいボクの有り難味が分からないヤツが多すぎるんだ。

世界の基本はボクなのさ。ボクがいなくちゃ世界は歪んだままなのに。

腹立たしいのはボクより脆いあいつの方が皆に必要とされてることで。
 ....
足りない頭で欠けた自分を探しています。

どこかで失くした昔の自分。どこかに忘れた本当の自分。

完全なんて有り得ないんだと、完璧主義者が笑っています。

不完全は可笑しいですか?僕は定規 ....
月曜日  途方も無く歩いたのに届くことも、旗を立てることも出来なかった。
火曜日  あまりの寒さに燈を求めたが、「灯油が勿体無い」と財布に止められた。
水曜日  曇り空を眺めている。空のボトルに口 ....
ピクトグラムに恋をした。
オペラグラスに夢を見た。
タイムカプセル破裂して、
キャラメルリボンが絡み付く。

クラクションを嫌っているのは、
パ、パを思い出すから。
ママンは枯れた花束の ....
こんなに穏やかな夜だから、
少し昔の話をしようか。
退屈なら眠ってくれていて構わない。
俺は今気分が良いんだ。


  煙草の煙は嫌いじゃない、って、
  あの時言ったことを憶えているか ....
海岸で拾った貝の殻。
繋いだ父の手の温もり。
ぽつぽつ交わした言葉の端々が、
青いボトルに詰められている。
隣の茶色い瓶の中には、
初めて隣になった席。
染めるたび明るくなる髪の毛。
友 ....
小さな画面の中には一面青い海の画像。
どんなに両手を伸ばしても手に入らないものなどいくらでもある。
写真の君は笑ったまま。動かず話さずこっちを見て。
僅かに残った記憶の中だけ、褪せた校舎と茶色い ....
ふわふわ、空も飛べちゃいそう。
視界が水であふれちゃったわ。
触れば全部弾けちゃう。
泣き腫らした目でこっちを見ないで。
あたしが悪いみたいじゃない。
誰も咎めたりしないからもっと優しい顔を ....
答えた年齢に「若いね」って言ってもらえるのも多分今年が最後だろう。
入社したら今度は「平成生まれか」と驚かれるといい。



日記帳を小さくしてみた。1ページで5日がまとまる。
学校行っ ....
人工的な酸素で生きる
擬態 岩石 時には呼吸を止めてでも
揺らめく水草 漂う生命
光合成も食物連鎖も青い水で営まれている
弱った体をついばむ口々
硝子越しに指差す空々しさ
群がる 群がる  ....
天体観測の途中なのに君が芋虫に夢中だから、
少しでも気を引きたくて僕は梯子を駈け上る。
ぐんぐん縮んでいく背丈に優越感を感じながら、
僕は見上げた天上で赤い星に唾を付けた。
さて、どこから戴こ ....
黒い雨が止まない。
傘は穴開き視界はバラバラ。
不思議な顔で天を見つめ、
非日常を飲みこむ眼。
酸化していく町並みも、
溶けていった有機物も、
憶えておかねば。消えてしまう。


青 ....
夕暮れ時 太陽の沈む音
二度と戻れぬ今日の日に「またね」と声をかける子ら
薄明かり 絵画のような雲の色
ひとりふたりと木馬に乗って帰っていく


どうしてこうも世界は緩やかに
まるで明日 ....
お給料が入ったから貴方の好きな煙草を買った。
仕事嫌いな貴方でなく肺のきれいな私のため。
友人に愛を告げられたから好きだったあいつに電話をかけた。
君は誰だと問われた挙げ句無言の後に電話は切れた ....
二つのレンズを外して見る。
境界なんて空には要らない。
分かってやれよ利口な人。
本当は誰より無知なだけ。


『近視』


二つのレンズを外して見る。
景色は海の底にも似て。
 ....
都市伝説の革命が毎秒誰かを殺めている。
リモコンの電池が切れたから僕はそれを見つめている。
ハイヴイジョンの向こう側には名前も知らない小さな世界で、
逃げ惑う子らの悲痛な叫びが鼓膜を震わせ響いて ....
ある日

壁の向こうは不思議な国で、僕は確かここで生まれた。
真っすぐなものは何一つ無くて温い空気で生きている。
パパはこないだ死んでしまった。壁の向こうへ連れていかれて。
向こう側には僕ら ....
使えないのは仕様です。開き直りたくもなる。
できない理由を問われても聞かれたこっちが聞き返したい。
不器用さが格好いいのはテレビの中の話です。
現実は目の前にしか現われない。
夢見がちな年頃だ ....
悲しい息が漏れたのです。
視界はとうに滲んでいます。
冷たい水は流れ出し、
花瓶に挿した花たちは何も知らず笑います。
さよならという言葉なんて、
無くなってしまえばいいのに。
終わりが分か ....
怖いものばかり溢れているから、
せめて、心の中にはきれいな景色を。
痛い言葉の刺を抜き、
現実の牙を丸くして。
悲しいことは嫌いだから、
嫌われるのも嫌うのもわたしにとっては同じこと。
優 ....
雨の中での別れには密かな憧れを持っていた。

泣かないで、って言ってくれたけど。
私のためでないことくらい知っていた。
自惚れたかった笑顔も優しい言葉も、
今は風化していく思い出の中。
い ....
呼吸器官に異常を来す
きみの名前劇薬だなんて
空気が漏れる音だけ響く
無菌室で試したい愛
大人になったら消えるという
幼い傷跡 醜いケロイド
綺麗と言った無神経な優しさが
今となって肉を ....
積めない積み木。
合わない玩具。
飛べない小鳥は空を知らない。

咲かない蕾。
割れないくるみ。
私のことを知らないあなた。

ら、ら、ら。
想いはどこまで届くのかしら。

ふ。 ....
東雲 李葉(183)
タイトル カテゴリ Point 日付
『図書室』自由詩2*08/10/4 19:12
[恋の煙]自由詩0*08/9/16 0:25
[ほんとうは]自由詩5*08/9/9 15:26
『水風船』自由詩5*08/8/10 18:11
[夕立]自由詩2*08/8/4 17:34
『朱夏』自由詩008/7/25 22:13
『シャー芯』自由詩2*08/7/21 17:15
『定規』自由詩1*08/7/21 17:14
『消しゴム』自由詩2*08/7/21 17:13
『week』自由詩0+*08/7/16 20:06
『カタカナの日』自由詩1*08/7/16 11:25
『トワイライト』自由詩008/7/10 22:58
[Museum]自由詩4*08/7/10 22:37
[入水]自由詩1*08/7/7 4:00
『あるこーる』自由詩2*08/7/3 15:21
[19歳]自由詩5*08/7/1 16:37
『水槽』自由詩008/6/26 13:47
『星を食べる』自由詩3*08/6/20 0:03
『成虫』自由詩2*08/6/14 19:57
『メリー・ゴー・ラウンド』自由詩5*08/6/3 15:13
[各駅停車]自由詩2*08/5/29 22:26
『近視』自由詩2*08/5/26 23:14
『チャンネル』自由詩1*08/5/19 13:16
『魚の目』自由詩2*08/5/16 10:37
『実直に』自由詩2*08/5/3 17:39
[花]自由詩2*08/4/14 21:55
『似顔絵』自由詩008/4/6 23:20
[忘れな草]自由詩1*08/4/4 21:37
『毒』自由詩1*08/4/3 17:10
『ない』自由詩008/3/5 23:46

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