おんなをとらえにゆくのだろうか
たそがれいろに
まっかなポルシェ
どこへゆくんだろう
赤はますます深くなる
炎のなか
鱶や
どうもうな魚の流線型している
....
海へ帰りたい
だが帰れない
一滴の紙魚を
書籍に落としてしまったように
ミトコンドリアには
ひとつのゆめがある
八月の鯨、ではないけれど
鯨を待って体内に潜り込み
激しい呼吸の赤い酵素を
たくさん送り込んでやることだ ....
映画のフィルムが千羽鶴のように連なっている
沖ではタンカーが蜃気楼のように浮いている
どちらも虹の傘の下にはない
渡り鳥はもうとっくに渡っていっ ....
コロンビアのジャケットに
エデイーヴァウアーのTシュアツ着て通勤している
ちなみにみかばんはモンベルだった
山男じゃそこ ....
紙飛行機が飛んで行く
夜空の方へ
よたよたしながら
なにも食べていないかのように
『夜鷹の星』*をしたいながら
....
東京は台風だった
8月1日 だが君は飛んできた
ぼくがちょっと遅刻した 君のジャンボ機の
おなかを見ながら 車で走っていったのだ
君は空港でぽつんと一人たっ ....
いちめんの紅葉であった。空は透けて見えた。峪川の水はここちよく流れていた。桜とも劣らないみごとな見栄えだった。誰がおもいついたともいえない。あまりにも紅葉が妖艶だったからであろう。大勢のハイカーに銃弾 ....
ポンポンポン ポンポンポン
焼玉機関の小型漁船が
港をでてゆく
蒼い空だ
ポンポンポンポンポンポン
まるでピクニックのよう ....
朝の買い物は忙しい
タバコが切れた 我慢しようと思ったが
駄目だった バイクで行くことにした
トレーナーではちょと寒い
防水着を着てゆくことにした
....
春風の中
タンポポの穂に揺られながら 蟻は
どこまでゆくのだろう
軽いお荷物背負って タンポポはどこまで
吹かれて行くのだろう 冒険家だよ蟻くん
....
ハワイでは空から落ちてきた石がわれわれに水をもたらした
という唄がうたわれているという。
オーストラリアで発見された隕石のなかには水が含まれてい
た ....
深みに嵌った
鱶が
エンジンを吹かしている
プランクトンが
困惑し
ガソリンとして吸われた
2004・ ....
熱に浮かされた瓶が漂流している
東南アジア
フィリピン マレーシアから
ポリネシア ミクロネシアと
かつて舟で移動した人たち
星だけを便りに ....
ハチドリが
美しい羽をホバリングさせて喉を潤しているのは
花の蜜だ
ハチドリが
美しい羽をホバリングさせて喉を潤しているのは
....
弱弱しい鳥が
藪のなかに消えていった
そこにはどんな病院があるのだろう
藪はしずかだ
2001・11・8
37.6度の微熱があって
ぼくは食虫植物にやられたようだ
巧妙な手口で誘い込まれ
まんまとぼくは捕食された
もう二日もほったらかしだが
そのうち ....
風邪を引いて寝込んでしまった
風邪はとつ然にやってきた
咳と鼻水にやられた
ティシュ一箱たちまちつかいはたした
風邪で寝込んでるのもの楽しいが
....
名刺を裏返すと虫がいるように
人の裏側にも虫はいる*
母は書道の師範だが
いまはグレゴール・ザムザのように
変身している
虫は口が効けない
母はいも虫のように這ってくる ....
深層
少年が詩を書いている
ピカデリーサーカスのストリップ小屋で
メモにボールペンで
少年はだれにも詩を読ませない
詩を書くことは脱ぐことだ といった詩人 ....
部屋にばかり詰めていたので
気分転換にちいさな125cc のバイクに乗ってきた
新興郊外都市 背高のっぽのビルが立ち上り
丘の上を占めていた 大きなマンションと
....
うっそうとした森の中では
樹齢何百年という倒木が横たわっている
かすかなひかりの帯を浴びて
そこにはみどりの新芽が生えている
根をしっかりと下ろして
樹 ....
流れは果てしなく遠い
せき止められて響く音叉
澄んでいる
鏡のように紅葉を映しだしている
流れは流れを呼び
水源地までの距離は測れない ....
朝の風を吹きいれた。フアンヒーターはつけたままだ。初めてのものように風は室内に流れ込んだ。凛賭して気持ちがいい。淀んだ空気のなかでぼくは雷魚のように棲んでいたのか。世間知ラズ。くしゃみを3回した。 ....
それは底からやってきた
岩盤をゆすり、地をつきあげ
家々を倒壊した
モンスター
薄い地盤の上に大陸はあるのだ
マントル対流、あらゆるプレートは
....
ふと人生は回転寿司のようなものだと思った。ベルト・コンベアーに運ばれて回転するネタ。好きなもの選んで食べていいが、満腹になるには、何皿も平らげる。客が多いほどネタは新鮮だが,磯の香りの ....
ーハイパーリアリズムー
ガソリンスタンドの影が路上に伸びるとき
サンフランシスコでは詩の朗読会の準備がすすんでいる
ちいさなライブ・ハウスで
おおぜいの詩人が読 ....
枯れ枝に烏の止まりけり秋の暮れ
とまってしまった歳月 芭蕉のように
暮れることもできないで バスの明かりに
たちどまる ポランスキーよ
湖に水没したナチスの ....
カマキリに襲われた眼球は
皿 皿 と 皿 皿 と
血を流しているのでありました
そのとき 時計はとまったままで
あたりは白くなりました
....
詩とは圧縮である
解凍ソフトは批評家 ....
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